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【事例解説】隣人トラブルが発展し警察の介入 器物損壊容疑で取り調べ

2023-06-30

 隣人トラブルが警察の介入に発展した事件を参考に、器物損壊罪とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件概要

 大阪市内のアパートに居住する自営業男性A(25歳)は、隣部屋に居住する会社員女性V(23歳)から、夜間の騒音について強く苦情を言われた腹いせに、駐輪場に停めてあるVの自転車のサドルに生ごみを塗り付けました。
 Aの犯行に違いないと確信したVが警察に被害届を提出したことから捜査が始まり、器物損壊の容疑でAへの任意の取り調べが行われました。
(事例はフィクションです。)

器物損壊罪とは

 他人の物を損壊した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する、と定められています(刑法第261条)。

 選択刑に科料があることからも、刑法に規定される罪の中では比較的軽いものと言えますが、犯行態様が悪質な場合や被害額が高額な場合は、懲役刑の実刑判決が出ることもあり得ます。

 「損壊」とは、物理的に破壊するだけではなく、事実上その本来の用法に従い使用することができない状態にすることも含むとされ、判例上、営業用の食器に放尿することが器物損壊罪にあたるとされた例もあります。

 本件で、Aは自転車のサドルを物理的に破壊した訳ではありませんが、たとえ清掃・消毒したとしても、他人の排出した生ごみが付着したサドルに跨ることは通常心理的な抵抗があり、サドルを事実上使用不可能な状態にしたと言えるため、他人の物を「損壊」したとして、器物損壊罪が成立する可能性が高いと考えられます。

器物損壊事件の刑事弁護

 器物損壊罪は、被害者の告訴(犯人の処罰を求める意思表示)がなければ起訴されない親告罪であるため、被害届提出の段階であれば、謝罪と被害弁償を行った上、被害届の取り下げ及び告訴をしない内容を含む示談が成立すれば、起訴を回避し得ます。

 当事者同士では、冷静な示談交渉が期待できず新たな紛争を生むおそれがあるほか、示談の内容に不備があることで、一旦示談が成立したにも関わらず後日紛争が蒸し返されるおそれもあることから、被害者との示談交渉は、弁護士に依頼して行うことをお勧めします。

 示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼することで、被害届の取り下げ及び告訴をしない内容を含む、双方が十分に納得のいく示談が成立する可能性を高めることができます。

すぐに弁護士にご相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、器物損壊事件での示談成立による不起訴処分を獲得している実績があります。
 隣人トラブルでの器物損壊事件で自身やご家族が被害届を出されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

【事例解説】元恋人に脅迫メールを送り逮捕

2023-06-23

 元恋人のスマートフォンに、殺害を示唆する内容の脅迫メールを送り付けて逮捕された事件を参考に、脅迫罪とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件概要

 福岡県宗像市在住の会社員男性A(46歳)が、元恋人の女性V(35歳)のスマートフォンに、Vの殺害を示唆する内容の脅迫メールを送り付けたとして、脅迫罪の容疑で逮捕されました。
 警察の調べによると、Aは「VがXと交際したことに腹が立ち、VとXを殺害する内容の脅迫メールをVに送った」と供述し、脅迫罪の容疑を認めています。
(事例はフィクションです。)

脅迫罪とは

 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する、と定められています(刑法第222条)。

 「脅迫」とは、一般人に恐怖心を抱かせる程度の害悪の告知のことをいいます。「殺す」など、相手方の「生命」に具体的な危害を加える内容のものであれば、当然これに該当します。
 脅迫行為それ自体が犯罪となるため、脅迫の内容が被害者に到達して認識されさえすれば、真意のものではないなどと考えて被害者が恐怖心を抱かなかったとしても、脅迫罪の成立は妨げられません。
 また、告知の方法に制限はないため、口頭、文書やメールの他、SNSやブログへの投稿で脅迫罪に問われるケースもあります。

 よって、本件でAがVに対し、Vを殺害する内容のメールを送ったことは、Vの生命に対し害を加える旨を告知してVを脅迫したものとして、脅迫罪が成立し得ます。

 なお、同条第2項により、親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した場合も脅迫罪が成立するとされますが、恋人や内縁関係の配偶者は親族に当たらないため、本件の脅迫メールにおいてX殺害を示唆する内容の部分については、Vに対する脅迫罪は成立しないと考えられます。

脅迫罪の刑事弁護

 脅迫罪は、人の意思決定の自由を保護法益とする罪とされるため、被害者との示談が成立している場合には、不起訴処分刑の減軽を得られる可能性が高まります。

 当事者同士では、冷静な示談交渉が期待できず新たな紛争を生むおそれがあるほか、示談の内容に不備があることで、一旦示談が成立したにも関わらず後日紛争が蒸し返されるおそれもあることから、被害者との示談交渉は、弁護士に依頼して行うことをお勧めします。

 示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼することで、双方が十分に納得のいく示談が成立する可能性を高めることができます。

すぐに弁護士にご相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、脅迫罪での示談締結による不起訴処分を獲得した実績があります。
 脅迫事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

【事例解説】酒に酔って器物損壊事件 自首を検討

2023-06-16

 酒に酔って駐車場の自動精算機を破壊した器物損壊事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

 Aさんは、飲み会後に自宅へと帰る途中、コインパーキングに設置してある自動精算機にぶつかりました。
 Aさんは、酒に酔っていたことも相まって、急にむしゃくしゃしてしまい、自動精算機を殴ったり蹴ったりして破壊して、その場から立ち去りました。
 後日、Aさんは、自身が自動精算機を破壊している様子が映った防犯カメラの映像がニュースで取り上げられていることを知り、警察へ自首することを考え始めました。
(この事例はフィクションです)

酒に酔って自動精算機を破壊するとどのような罪に問われる可能性がある?

 事例のAさんは、コインパーキングに設置されている自動精算機を破壊しています。
 このように自動精算機を物理的に破壊してしまった場合、刑法261条の器物損壊罪が成立する可能性があります。
 器物損壊罪の法定刑は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料となっています。

自首はどのような場合に成立する?

 事例のAさんは、ニュースで自分が自動精算機を破壊している様子が報道されたことを知ったことから、警察への自首を考えています。
 「警察が逮捕に来る前に警察へ出頭すれば刑が軽くなる」と考えている方がいらっしゃるかと思います。
 確かに、刑法42条1項は、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と規定していますので、「捜査機関に発覚する前」自首をした場合には、刑が軽くなる可能性があることになります。
 ただし、この「捜査機関に発覚する前」とは、警察などの捜査機関が、犯罪の事実と犯人が誰であるかについて発覚していない場合を意味しています。
 そのため、警察が犯罪の事実と犯人が誰であるかについては既に把握しているものの、単に犯人がどこにいるのかが分からないがために、まだ逮捕できていないという場合に警察に出頭したとしても「捜査機関に発覚する前」自首をしたとは言えないと考えられています。

 冒頭の事例の場合には、Aさんが自動精算機を破壊している防犯カメラの映像がニュースで取り上げられていますので、既に警察が器物損壊事件として捜査を開始している可能性があります。
 そのため、器物損壊事件の捜査の具体的な進捗状況次第では、Aさんが警察に出頭しても自首が成立しないという場合もあり得るということになります。

器物損壊事件で警察への出頭をお考えの方は

 Aさんのように、器物損壊事件に関して警察へ自首をすることをお考えの方は、いち早く弁護士に相談されることをお勧めします。
 弁護士に相談されることで、そもそも今回の器物損壊事件で自首が成立する可能性があるのかどうか、警察へ出頭した後はどのような流れで捜査が進んでいくのかといったことついてアドバイスをもらうことができるでしょう。
 また、仮に自首が成立する可能性が低い場合であっても、器物損壊事件のような被害者の方がいる事件の場合には、被害者の方と示談することができれば、前科をつくことを回避することができる可能性を高めることができますので、弁護士に弁護活動を依頼するメリットは大きいと考えられます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
 器物損壊事件で警察への出頭をしようかどうか悩まれている方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】強盗致傷罪で逮捕

2022-06-01

【報道解説】強盗致傷罪で逮捕

金銭を奪うために加えた暴行によって相手方を怪我をさせたことにより、強盗罪の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「女性になりすましてSNSで呼び出した高校生に暴行を加え、金を奪おうとした疑いで、21歳の男ら2人が逮捕された。
A容疑者(21)らは2022年3月、埼玉県川越市の路上で、男子高校生に『金を出せ』と脅して暴行を加え、けがをさせた疑いが持たれている。
A容疑者らは、SNSで若い女性になりすまし、高校生を呼び出していたという。」
(令和4年5月24日にFNNプライムオンラインにて配信された報道より引用)

【強盗致傷罪とは】

刑法240条は、強盗致傷罪について規定しています。
強盗致傷罪が成立するためには、「強盗が」、強盗の機会に、「人を負傷させた」という要件を充たす必要があります。
引用した報道では詳しい事実関係については明らかとなっていませんが、Aさんが高校生から金銭を奪うために加えた暴行が、高校生の反抗を抑圧する程度の暴行であれば、Aさんは「強盗」に当たることになるでしょう。
そして、そのような強盗の手段として用いられた暴行によって高校生が怪我をしていますので、Aさんは強盗の機会に「人を負傷させた」として強盗致傷罪の疑いで逮捕されたと考えられます。
なお、報道では「金を奪おうとした」との記載にとどまり、実際にAさんが金銭を高校生から奪ったかについては定かではありませんが、仮にAさんが金銭を奪っていなくとも、金銭を奪うために用いた暴行によって相手方を怪我をさせたのであれば、刑法243条が定める未遂罪は成立することはなく、強盗致傷罪の既遂が成立することになります。

強盗致傷罪の法定刑は、無期又は6年以上の懲役刑で、罰金刑が定められておらず、最も軽い刑で6年の懲役刑となっていますので、様々な犯罪について規定する刑法の中において、科される刑罰が大変重い犯罪です。

【強盗致傷罪で起訴された場合】

強盗致傷罪起訴されると次に示すように通常の公判手続とは異なる点があります。

まず、強盗致傷罪のように法定刑で無期懲役が定められている事件が起訴された場合、その事件は、裁判員裁判の対象になります。
裁判員裁判制度は、職業裁判官と一緒に、国民の中から抽選で選ばれた人が裁判員として裁判に参加して、有罪・無罪の判断、有罪の場合の量刑をどうするかを決める裁判制度です。
裁判員裁判制度においては、量刑を判断にあたっては国民感情が反映されることになりますので、職業裁判官のみによって行われる通常の裁判に比べて、量刑が重くなる傾向があると言われています。

また、裁判員裁判の対象となる事件については、公判が開かれる前に公判前整理手続と呼ばれる手続が行われることになります。
公判前整理手続は、第1回公判期日の前に、裁判所、検察官、弁護人が事件の争点を明確にして、証拠の整理を行い、これからどのように審理を進めていくかという審理計画を作成することを目的とする手続ですが、審理計画の作成に時間がかかってしまい、結果として公判が長引いてしまうおそれがあります。

【強盗致傷罪の弁護活動】

このように強盗致傷罪は法定刑が重く重大な犯罪ですが、被害者に対する示談の有無によって、刑事処罰の可能性を低くする可能性が残されています。

事件を起訴するか否かを決定する権限は検察官にあり、検察官が事件を起訴するか否かの判断をするにあたっては、被害に遭われてしまった方の処罰感情を重視する傾向にあります。

そのため、検察官が起訴・不起訴の判断を下すまでに、被害に遭われてしまった方に対して謝罪と被害の回復を行い、示談を締結することができれば、軽い処分となる可能性を高めることができます。

【軽い処分を目指したい方は】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱っている事務所です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、被害者の方との示談交渉により、示談を締結することができ、強盗致傷罪から窃盗罪傷害罪の2罪に分離させた結果、不起訴処分を獲得した経験のある弁護士が在籍しております。

強盗致傷罪を起こしてしまいお困りの方、強盗致傷罪について少しでも軽い処分を目指したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度御相談下さい。

【報道解説】保護者による乳児の死体遺棄事件

2022-04-27

【報道解説】保護者による乳児の死体遺棄事件

死体遺棄罪保護責任者遺棄致死罪の刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

令和4年4月19日昼すぎに、神奈川県川崎市中原区にあるマンションのゴミ集積場で、乳児が置かれているのを清掃員が見つけて警察に通報した。
警察によると、見つかったのは男の子で、すでに死亡していた。
警察は男の子の身元の確認を進めるとともに、死体遺棄事件として、防犯カメラの映像を解析するなどして捜査している。
(令和4年4月19日に配信された「NHKニュース」より抜粋)

【遺体を遺棄する行為による刑罰とは】

遺体をゴミ集積場に遺棄する行為」については、刑法の「死体遺棄罪」に当たるとして、「3年以下の懲役」という法定刑の範囲内で、刑事処罰を受けます。
この場合の「遺棄」とは、社会風俗上の埋葬とは認められない方法によって遺体を放棄することをいいます。

・刑法 第190条
「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。」

【乳児を死なせてしまった行為による刑罰とは】

乳児を死なせてしまった行為」については、乳児の保護者の具体的な行為態様に応じて、「保護責任者遺棄致死罪」「保護責任者不保護致死罪」「殺人罪」等のうち、いずれかの刑罰を受ける可能性が考えられます。

保護責任者遺棄罪」や「保護責任者不保護罪」とは、親などの保護責任者が、乳児などの要保護者を、置き去りにしたり、生存に必要な保護をしなかった場合に、成立する犯罪です。
置き去りや不保護の結果として、要保護者が死亡してしまった場合には、「保護責任者遺棄致死罪」や「保護責任者不保護致死罪」に当たるとして、刑罰の法定刑は「3年以上の懲役」と重くなります。

・刑法 第218条
「老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。」

死亡の結果について、保護責任者に死亡させる故意が無かった場合には、「保護責任者遺棄致死罪」や「保護責任者不保護致死罪」が成立すると考えられます。
他方で、保護責任者に「殺人の故意」があったり、あるいは「乳児を放置したままだと、死んでしまうかもしれないが、それでも構わない」といったような「未必の故意」があった場合には、不作為(何もしないこと)による「殺人罪」が成立する可能性も考えられます。

【死体遺棄罪、保護責任者遺棄致死罪の弁護活動】

死体遺棄罪保護責任者遺棄致死罪などで、警察の捜査が開始された場合には、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要となります。
警察取調べでの厳しい尋問が予想される中で、事件を認める供述をするのか、否認する供述をするのか、どのようなことがあったと供述するかを、事前に弁護士と詳細な打合せをする必要があります。

容疑者が逮捕されて、身柄拘束がなされた上で、警察取調べが長期にわたって続くことも考えられるため、刑事事件に強い弁護士が、頻繁に留置場での逮捕者との接見(面会)に向かい、事件対応を弁護士ととともに検討することが、早期釈放や刑事処罰の軽減のためには重要となります。
弁護士法人あいち刑事事件法律事務所では、まずは逮捕当日に、逮捕されている警察署への弁護士接見(面会)を行い、弁護士事務所にて、ご家族の方への接見報告をする流れとなる、初回接見サービスのご依頼も承っております。

死体遺棄事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【解決事例】傷害罪の在宅事案で示談なしで不起訴処分獲得

2022-04-05

【解決事例】傷害罪の在宅事案で示談なしで不起訴処分獲得

成人男性による傷害被疑事件刑事弁護活動とその結果について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が紹介します。

【被疑事実】

本件は、男性被疑者Aが、趣味のサークルの知り合いVから、液体を浴びせられた上、数発殴られたために、AがVを殴り返して喧嘩となった末、AがVに傷害を負わせたという傷害罪の事例です。
本件では、VもAに対して傷害を負わせているため、AもVに対する傷害罪の被害届を提出しています。

【刑事弁護の経緯 終局処分に向けて】

本件では、AとVの喧嘩による双方が加害者であり被害者である傷害罪という事案であり、警察は逮捕の必要性はないと判断し、在宅での捜査が進行しました。

Aは、Vの不当な加害行為に対してやり返したのであり、こちらに非は無いと信じるから示談の申し出もしたくないし、正当防衛の線で主張を貫きたいと強く考えていました。
このため、弁護士はAの代理人としてAの意向を尊重し、AとVの喧嘩の犯行現場を実況見分し、喧嘩発生の経緯や犯行時の状況からして正当防衛が成立する余地が高いとして、検察官に対して不起訴処分を求める意見書を提出しました。

最終的に、検察官はAに対する傷害罪について不起訴処分とする決定を下し、刑事事件は終了しました。

【依頼者からの評価】

本件は、刑事事件化から不起訴処分の決定まで、約5カ月ほどで解決に導くことができました。
喧嘩当事者の双方が加害者であり被害者であるという性質上、検察官の慎重な捜査と判断で時間がかかったものと推察されます。

Aは終始一貫して、自分は不当な暴力を振るったつもりはなく、Vによる暴行に対してやり返しただけと主張していたために、結果としてAの主張が通った形で不起訴処分の決定がくだされたため、自分の主張を信じて適切に検察官に主張してくださってありがとうございました、と大変喜んでいただける結果となりました。

【刑事事件の解決のために】

上記刑事事件のように、自分の行動が刑事事件化してしまった場合でも、自分の貫きたい主張や譲れない主張があると思います。
弁護人は、被疑者の代理人として、被疑者の納得できる形で、かつ法律知識のプロフェッショナルとして最も効果的な方法で、被疑者の利益に叶った刑事処分を求めていくことを本分とします。
特に刑事事件で自分の貫きたい主張を通したいとお考えの方は、刑事事件を専門とする多数の実績を上げた弁護士に法律相談することが望ましいでしょう。

傷害罪刑事事件化してお悩みの方、またはご家族が逮捕されてお悩みの方は、傷害事件不起訴処分獲得に実績のある、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への弁護の依頼をご検討ください。

少年の暴力犯罪と少年法改正による特定少年の手続

2022-03-25

少年の暴力犯罪と少年法改正による特定少年の手続

少年による暴行罪傷害罪などの暴力事件を取り上げ、令和4年4月1日から施行される改正少年法との関連で今後変化する少年事件の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

東京都八王子市在住の無職Aさん(18歳)は、深夜に仲間で集まっては窃盗喧嘩をするなど非行を繰り返していました。
ある日、Aさんの所属する少年グループと対立する少年らと喧嘩になり、AさんはVさん(19歳)に対して殴る蹴るの暴行を行った結果、Vさんは搬送先の病院で死亡しました。
警視庁高尾警察署は、この集団喧嘩に関わった少年らを全員傷害罪の疑いで逮捕し、10日間の勾留が決定しました。
Aさんは取調べをしている警察官から、罪名を傷害致死罪に切り替えて捜査を進めると言われ、今後刑事裁判を受けることになるだろうと言われました。
不安になったAさんは、国選弁護人を指定しましたが、まだ弁護士接見に来てくれません。
Aさんの両親は、Aさんと面会した際、Aさんが今後どれぐらい長く勾留され、どのような法律上の責任を負うことになるのか不安になり、まだ接見に来てくれない国選弁護人は頼りにならないと思い、刑事事件少年事件を専門とする私選弁護士に相談をすることにしました。

(上記刑事事件例はフィクションです。)

【少年法改正】

令和3年5月21日に少年法改正法案が成立し、今年令和4年4月1日から施行されます。
この少年法改正は、同日づけの成年年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正とセットになって、今後の刑事事件および少年事件に大きな影響を与えることになります。

今回の少年法改正は、従来よりも重い法律上の責任を与える民法改正と足並みをそろえるべく、罪を犯した18歳、19歳の者を「特定少年」と位置づけ、17歳以下の少年とは異なる法的手続きが行われることになります。

少年法上の「少年」とは20歳未満の者であり、この点に少年法改正による変更はありません。
ですので、「特定少年」についても、少年法改正後も少年法が適用されることには変わりありません。
よって、基本的には「特定少年」の少年事件は、原則として全件家庭裁判所に送致され、家庭裁判所で処分を下されることになります。

ただし、従来から、たとえ少年事件であっても一定の重大事件であれば成年と同じく刑事裁判手続へ差し戻す検察官への「逆送」という規定がありました。上記のような傷害致死事件については、重大事件として、原則として逆送対象事件となり、成人と同様に刑事裁判手続で懲役刑になる可能性が高くなります。
また、「特定少年」の少年事件では、今回の少年法改正により、逆送の対象となる範囲が従来より拡大されることになり、「死刑、無期懲役または短期1年以上の懲役・禁錮の罪」に該当する事件が逆送範囲に加わるため、例えば、現住建造物等放火罪強盗罪強制性交等罪組織的詐欺罪などの少年事件が原則として逆送され、成年と同じく刑事裁判を経て刑事責任を負うことになります。

また、少年事件は、少年の実名や写真等の報道が原則禁止されているところ、少年法改正によって、特定少年の事件が逆送され、検察官によって起訴されて刑事裁判が決定した場合には、少年の実名や写真等の報道が可能となります。

【少年事件も刑事事件専門の弁護士へお任せ】

少年法改正によって、今後「特定少年」として成年と同じ刑事責任を負うことになる事案が増加することが予想されます。
刑事事件の手続き自体に成年と少年の区別はありませんが、とはいえ少年の精神年齢の未熟さや環境に対する影響の受けやすさを考慮すれば、被疑者または被告人として厳しい責任追及を受ける少年に寄り添って刑事弁護活動を行うことができる弁護士が今後より一層必要とされます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門として国内で数少ない法律事務所であり、成年の刑事事件不起訴獲得や執行猶予獲得はもちろん、少年不起訴処分獲得や保護観察処分の獲得などで多くの実績をあげ、依頼者様から高く評価をいただいております。

少年による暴行罪傷害罪などで刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

家庭内暴力による傷害罪で逮捕

2022-03-14

家庭内暴力による傷害罪で逮捕

<刑事事件例1>
東京都青梅市在住の飲食店従業員の女性Aは、ときどき8歳の娘Vが言うことを聞かなくなったり、大声で泣き喚いたりすることにストレスを感じており、ある日、Vがテレビの音量を非常に大きくしたことに対して「うるさいから音を下げなさい」と命じたにも関わらず、Vが言うことを聞かず、テレビの音量を下げようとしなったことに腹を立て、Vに向かってテレビのリモコンを投げつけました。
リモコンはVの顔に直撃し、Vが多量の血を流したため、Aの母(Vの祖母)が急いで手当てしました。
Aの母は、普段からAのVに対するしつけが行き過ぎて暴力を振るうことに不安を感じており、このままではVがさらにひどい怪我を負うかもしれないと危惧し、警視庁青梅警察署に対してAによる家庭内暴力のことを相談した結果、後日、警察は逮捕令状を持ってA宅を訪れ、Aを傷害罪の疑いで逮捕しました。
AがVの顔にテレビリモコンを投げつけて傷害を負わせた事実に対して、Aさんは「Vに当てようとして投げた訳ではない」と事実を一部否認しています。

<刑事事件例2>
東京都青梅市在住の建設作業員の男性Aは、妻が不在の際、友人らを自宅に招いて酒を飲んで時間を過ごし、客が帰った後、12歳の息子Vが来客に対して挨拶をせず態度が悪かったと責めて、Vに対して清掃用具の棒でVの身体を何度も殴りつける暴行を行い、Vは打撲や内出血等の傷害を負いました。
翌日帰宅したAの妻(Vの母)がVの怪我に気付き、Vを伴って警視庁青梅警察署に相談に行った結果、警察はAさんを傷害罪の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは「酒を飲んでかっとなって行き過ぎたしつけをしてしまった」と被疑事実を認めています。
(上記いずれもフィクションです。)

昨今、子どもに対するしつけが行き過ぎた結果、家庭内暴力に発展し、暴行罪傷害罪または傷害致死罪等で刑事事件化に至ったケースが連日のように報道されています。

特に、千葉県野田市の父親による家庭内暴力の結果、児童が死亡してしまったケースについては、事前に児童相談所が家庭内暴力の実態に気付き、児童を保護することが出来たのではないかとの指摘もされており、今後、児童相談所に対する権限強化する方向での意見が強まっています。

子どもに対する家庭内暴力を捜査機関が認識した場合、昨今は、その親である被疑者を迅速に逮捕する傾向が非常に強くなっています。
特に、親が子どもに対する暴力を行い、その結果傷害が生じた後に家庭内暴力が捜査機関に発覚したケースでは、児童相談所による児童の保護では緊急迅速な児童の保護が間に合わないことが強く懸念されるため、加害者である親を逮捕し、被害者である子どもから切り離すことで、さらなる家庭内暴力を阻止するという側面もあると思われます。

子どもの生命と身体の安全を最優先するという趣旨からすれば、このような対応には納得がいきますが、しかし、家庭内暴力の加害者である親が逮捕された場合、重大な問題が生じます。
それは、加害者である親の逮捕、そしてその後の勾留決定等によって、親が最大20日ほど身柄を拘束され、社会から切り離される結果、親が職を失うことになる可能性が高まり、これが転じて、その親に扶養されていた子どもの生活費や教育費にも影響を及ぼすことになるという点です。

このため、子どもに対するしつけが行き過ぎたために暴行罪傷害罪の疑いで逮捕されてしまった場合、その暴行の事実について争いがないのであれば、心からの反省を示し、二度とこのような暴力行為が繰り返されないよう誓い、様々な対策をとることを捜査機関または裁判所に示し、身柄を釈放してもらうよう働きかけることが重要になります。

この点、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、親の子どもに対する傷害罪逮捕されてしまった方からの初回接見後、受任させていただいたケースが複数あり、逮捕後、検察官による勾留請求に対し、被疑者の心からの謝罪と再犯防止のための様々な対策を行うことを効果的に主張し、被疑者の身柄解放に成功した事例がございます。

家庭内暴力によって暴行罪傷害罪等で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

行き過ぎた子どものしつけで暴力行為処罰法違反で逮捕

2022-03-03

行き過ぎた子どものしつけで暴力行為処罰法違反で逮捕

【刑事事件例】

東京都中野区在住の主婦Aさんは、子どもVへのしつけの一環として、普段から頭をはたく等の暴行を繰り返していましたが、ある日、Vが言うことを聞かないことに腹を立て、Vの顔を複数回殴った後、包丁を突きつけて「言うことを聞かなければ刺すぞ」と脅迫しました。
怖くなったVが警視庁警中野警察署に通報し、Aさんは駆け付けた警察官によって暴力行為処罰法違反の疑いで逮捕されました。

【しつけも行き過ぎると逮捕されることに…】

報道では、親権者による暴力行為虐待による暴行事件が報道されることが珍しくありませんが、本ブログでは、子どもに対するしつけと称した日常的な身体や精神への侵害によって刑事事件となる例を取り上げます。

例えば、平成29年12月28日、上記事例と同様の経緯で、兵庫県警飾磨署は暴力行為法違反傷害罪の疑いで姫路市のパート従業員の女性を逮捕しました。

暴力行為等処罰ニ関スル法律暴力行為処罰法)は、第1条の3において、常習として傷害罪暴行罪脅迫罪器物損壊罪と行っている者が、さらに傷害罪を行った場合は1年以上15年以下の懲役、それ以外を行った場合は3月以上5年以下の懲役を科すとして、通常の罰則より厳しく処罰しています。

暴力行為処罰法の成立の背景には、暴力団等の反社会勢力に属する人間の刑事責任を重く処罰するという理由がありましたが、昨今では、常習的な暴力刃物等を用いた悪質な暴力などの暴力犯罪に適用されることが多く見られ、家庭における子どもに対する体罰や配偶者・恋人に対するDVなどを背景にした、反復的、日常的な暴力犯罪にも適用される例がみられるようになってきました。

特に上記刑事事件のように、家庭内での子どもへのしつけと称した体罰では、被疑者と被害者の言い分が食い違うことも多く予想されます。
刑事事件化した場合には、自分が認めている事実以上の犯罪の疑いがかけられることも珍しくありませんので、捜査機関に対して不適切な供述を行わないよう、速やかに刑事事件に詳しい弁護士に相談してください。

子どもに対する暴行罪傷害罪暴力行為処罰法違反などの暴力犯罪刑事事件でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談または初回接見サービスをご利用ください。

家族が傷害罪で逮捕されたら弁護士に接見依頼を

2022-02-20

家族が傷害罪で逮捕されたら弁護士に接見依頼を

家族が暴行罪傷害罪などの暴力犯罪逮捕され、警察からその逮捕連絡が来たご家族の方等に対して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のお役立ちサービスをご紹介します。

【刑事事件例】

東京都葛飾区の主婦Bさんには、大学生の息子Aさん(21歳)と同居していますが、Aさんが最近頻繁に夜遊びをして、家に帰ってこないと悩んでいます。
ある日、Bさん宅に警視庁亀有警察署の警察官がやってきて、Aさんに対して傷害罪の疑いであるとして、家宅捜索の後、Aさんが警察に連れていかれ、その後Aさんが逮捕されたと連絡を受けました。
Bさんはショックのあまり呆然とし、どうしたら良いかも分からず、すぐにネットで「刑事事件 弁護士」と検索し、Aさんの刑事事件の相談をすることにしました。
(フィクションです。)

【家族の突然の逮捕と初回接見サービス】

刑事事件逮捕に至る場合、警察が事前に被疑者に対して逮捕の予告をすることは実務上皆無であり、ある日突然逮捕状を持って自宅にやってきます。
また、犯罪行為の発生現場でそのまま捜査機関や通行人などによって取り押さえられた場合、現行犯として即座に逮捕されることもあり得ます。

このような刑事事件で被疑者が逮捕された場合、そのご家族は、被疑者の突然の逮捕の連絡を受けて動揺し、パニックになってしまうことがあります。

刑事事件で被疑者が逮捕された場合、逮捕した警察は、72時間以内に事件を検察官に送致し、検察官はさらに最大で10日間の身体拘束(勾留)をするかどうかの判断を24時間以内に行うことになります。
ですので、被疑者が逮捕されたと連絡を受けた家族の方は、たとえショックでパニックになったからと言って、事態を漫然と見守っていたら、知らぬ間に10日間の勾留が決定してしまったということも十分に考えられます。

ですので、被疑者の方が逮捕された段階で、できるだけ迅速にお近くの刑事事件に詳しい弁護士に連絡することをお勧めします。
もし刑事事件に強い弁護士弁護を依頼してくだされば、弁護士は、検察官に対して勾留を請求しないように働きかけたり、裁判所に対して勾留を決定しないように意見したり、さらには一度勾留が決定してしまった場合でも、勾留決定に対する不服申し立て(準抗告)を行うことで、勾留を阻止または取り消す活動を行うことができます。

勾留を早期に阻止または取り消しすることができるかについては、事件の重大性、被害の甚大性、犯罪態様の悪質性、共犯の有無、証拠隠滅の容易さ等、様々な事情によって変化するため一概には言えません。
ただ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、暴行罪傷害罪などの暴力事件逮捕されてしまった事案について、逃亡や証拠隠滅の防止のための取組み等を提示して勾留阻止を勝ち取った実績が多数ありますので、逮捕されたご家族の身体拘束を一日でも早く釈放したいと望むご家族は、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談することを強くお勧めします。

ただ、被疑者が逮捕されてしまったと連絡を受けたご家族にとって、ご相談したいご家族が刑事事件の内容についてまったく知らないことが多々ありますので、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、「初回接見サービス」をご案内しています。

初回接見サービスをご契約いただいた場合、すぐに留置されている警察署に弁護士接見に向かい、事件の内容を聴き取りつつ、今後の刑事事件の方向性について説明したり、取調べに対する助言を行います。
そのあと、この接見の内容を依頼者様にご報告するとともに、刑事処分の可能性や刑事手続の流れ等を説明し、正式な弁護士契約についてのご提案をさせていただきます。

発生した刑事事件について、具体的に何が行われたのかを、当事者である被疑者本人から聞いて事実を正確に把握し、その情報に基づいて弁護方針を固めることが、スピーディな事件解決には必須であり、傷害罪のように被害者がいる場合は、迅速な示談交渉も検討することができるでしょう。

家族が傷害罪等の暴力犯罪刑事事件逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスのご利用をぜひご検討ください。

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