暴行罪の示談金相場はいくら?被害者との示談成立で前科回避できる?

暴行事件を起こしてしまった——。
被害者への謝罪と示談を考えているものの、示談金はいくら支払えばよいのか、そもそも示談交渉はどう進めればよいのか、分からないことばかりで不安を感じていませんか?適切な金額で示談できなければ、刑事事件として立件されたり、前科がついたりするリスクもあります。
暴行罪の示談金には一定の相場があり、被害者と適切に示談することで事件化や前科を回避できる可能性が高まります。この記事では、暴行罪の示談金相場や内訳、示談するメリット、そして当事者同士での示談交渉が難しい理由について詳しく解説します。
適切な対応を知ることで、今後の人生への影響を最小限に抑えることができるでしょう。
暴行罪の刑罰
暴行罪で有罪となった場合、どのような刑罰が科されるのでしょうか。刑法第208条では、暴行罪について「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と定められています。
つまり、暴行罪の法定刑は2年以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、拘留、科料のいずれかです(※)。
※令和7年6月1日からは刑法改正により、懲役刑と禁錮刑が統合され「拘禁刑」に一本化されました。この改正により、受刑者の更生に向けた処遇がより柔軟に行われることになりました。
暴行罪は比較的軽い犯罪と思われがちですが、前科がつけば就職や転職、資格取得などに大きな影響を及ぼします。だからこそ、被害者との示談が重要になるのです。
暴行罪の示談金相場はいくら?
暴行罪を犯してしまった場合、被害者との示談によって事件化や前科を回避できる可能性があります。では、実際に示談金はどのくらい必要になるのでしょうか。ここでは、暴行罪における示談金の相場と、その内訳について詳しく見ていきましょう。
示談金の金額は事件の内容や被害の程度によって変わりますが、一般的な目安を知っておくことで適切な交渉ができます。
暴行罪の示談金相場|10万~30万円程度
暴行罪の示談金相場は、一般的に10万円から30万円程度が目安となります。これは、暴行によって被害者が怪我をしていない、あるいは軽微な怪我にとどまっているケースを想定した金額です。
ただし、この金額はあくまで目安。暴行の態様が悪質だったり、被害者の精神的ダメージが大きかったりする場合は、50万円以上になることもあります。逆に、暴行の程度が軽く、被害者との関係性が良好であれば、10万円以下で示談が成立するケースもあるでしょう。
また、被害者が通院した場合の治療費や、仕事を休んだことによる休業損害なども加算されます。示談金を提示する際は、被害者の状況を十分に考慮することが不可欠です。
暴行罪における示談金の内訳
暴行罪の示談金は、主に以下の項目で構成されています。
まず慰謝料です。これは、暴行を受けたことによる精神的苦痛に対する賠償金。暴行の程度や被害者の受けた恐怖の大きさによって金額が変わります。
次に治療費。暴行によって被害者が病院で診察を受けた場合、その実費を支払う必要があります。診察代に加えて通院交通費なども含まれるでしょう。
休業損害も重要な項目です。被害者が暴行によって仕事を休まざるを得なくなった場合、その期間の収入減少分を補償します。
さらに、被害者の衣服や持ち物が破損した場合の物損も含まれます。暴行の際に眼鏡が壊れた、スマートフォンが破損したといったケースでは、その修理費や買い替え費用も示談金に加算されるのです。
これらの項目を合計したものが、最終的な示談金額となります。
【注意】実際の金額は事件内容によって異なる
前述した10万円から30万円という相場は、あくまで一般的な目安でしかありません。実際の示談金額は、事件の具体的な内容によって大きく変動します。
たとえば、暴行の回数が多かったり、凶器を使用したりした場合は、示談金が高額になる傾向があります。また、被害者が妊娠中だった、高齢者だった、子どもだったなど、特別な配慮が必要な状況では、慰謝料が増額されることもあるでしょう。
被害者の被害感情も重要な要素です。被害者が強い恐怖や不安を感じている場合、その精神的苦痛を考慮して示談金が高くなります。逆に、加害者が誠実に謝罪し、被害者が許す気持ちを持っている場合は、比較的低い金額で示談が成立することもあります。
さらに、加害者の経済状況や反省の態度なども考慮されます。支払い能力に応じた現実的な金額設定が必要ですし、誠意ある対応が示談成立の鍵となるのです。
画一的な金額設定ではなく、個別の事情を丁寧に考慮した示談交渉が求められます。
暴行罪で被害者と示談するメリット
暴行罪を犯してしまった場合、被害者との示談は非常に重要な意味を持ちます。示談が成立すれば、刑事手続きにおいて有利な結果を得られる可能性が高まるからです。ここでは、示談することで得られる具体的なメリットについて解説しましょう。
事件化の阻止に繋がる
被害届が警察に提出される前に被害者と示談が成立すれば、事件化自体を阻止できる可能性が高まります。
暴行事件では、被害者が警察に被害届を提出することで捜査が開始されます。しかし、被害届提出前に加害者が誠意を持って謝罪し、適切な示談金を支払って示談が成立すれば、被害者が被害届を出さない選択をする可能性があるのです。
被害届が出されなければ、警察が事件として扱うことはありません。つまり、捜査を受けることも、取り調べを受けることも、逮捕されることもなくなります。日常生活への影響を最小限に抑えられるでしょう。
ただし、すでに被害届が提出されている場合でも、被害者が被害届を取り下げることで、検察官が不起訴処分とする可能性が高まります。事件化の阻止は、示談の最大のメリットと言えます。
前科を回避できる可能性が高まる
すでに警察や検察などの捜査機関が動いている場合でも、被害者と示談することで前科を回避できる可能性が大幅に高まります。
検察官が起訴・不起訴を判断する際、被害者との示談が成立しているかどうかは重要な考慮要素です。示談が成立していれば、検察官は「被害者の被害感情が和らいでいる」「加害者が十分に反省している」と判断し、不起訴処分とする可能性が高くなります。
不起訴処分となれば、刑事裁判にかけられることはなく、当然ながら前科もつきません。前科がつかなければ、就職や転職の際に不利になることもありませんし、各種資格の取得制限も受けません。海外渡航の際にも問題は生じないでしょう。
仮に起訴されてしまった場合でも、示談が成立していれば執行猶予付き判決となる可能性が高まります。執行猶予がつけば、実際に刑務所に入ることは避けられます。
前科の有無は、その後の人生に大きな影響を与えます。示談によって前科回避の可能性を高めることは、極めて重要な意味を持つのです。
暴行罪で当事者同士の示談交渉は可能?
被害者と示談したいと考えても、加害者と被害者が直接交渉するのは極めて困難です。感情的な対立が激しく、冷静な話し合いができないことが多いからです。ここでは、当事者同士での示談交渉が難しい理由について、具体的に見ていきましょう。
適切な示談を成立させるためには、専門家の関与が不可欠となります。
連絡先を教えてもらえない
当事者同士で示談交渉をしようとしても、まず被害者が連絡先を教えてくれないというハードルがあります。
暴行を受けた被害者は、加害者に対して強い恐怖心や嫌悪感を抱いています。そのため、加害者から直接連絡が来ることを拒否するケースがほとんど。被害者にとって、加害者と直接やり取りすること自体が精神的な負担となるのです。
また、捜査機関を通じて被害者の連絡先を教えてもらおうとしても、個人情報保護の観点から開示されません。警察や検察は、被害者のプライバシーを守る義務があるため、加害者に被害者の住所や電話番号を伝えることはないのです。
さらに、加害者が被害者の自宅や職場に押しかけて示談を迫るような行為は、ストーカー規制法違反や脅迫罪に該当する可能性もあります。こうした行為は、示談どころか新たな犯罪となってしまうでしょう。
結果として、当事者同士では示談交渉のスタートラインにすら立てないのが実情です。
適切な示談金・示談内容で示談できない
仮に被害者と連絡が取れたとしても、適切な示談金や示談内容で示談できない危険性があります。
法律知識のない当事者同士では、示談金の適正な相場が分かりません。加害者が低すぎる金額を提示すれば、被害者の怒りを買って示談が決裂します。逆に、被害者が感情的になって不当に高額な金額を要求し、加害者がそれを受け入れてしまうこともあるでしょう。
示談書の内容も重要です。示談書には「宥恕条項(ゆうじょじょうこう)」「清算条項」など、法的に重要な条項を加える必要があります。これらの条項がなければ、後から被害者が「やはり納得できない」と主張したり、追加で金銭を要求したりする可能性があるのです。
また、感情的な対立から、話し合いが脅迫めいたものになってしまうリスクもあります。加害者が「示談しないと裁判になるぞ」と脅すような発言をすれば、それ自体が新たな犯罪行為となりかねません。
こうした危険性を避けるためにも、弁護士を通じた示談交渉が強く推奨されます。弁護士であれば、被害者と冷静に交渉し、適正な示談金と適切な示談内容で合意できるからです。
暴行罪で示談を考えている方は、まず弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に暴行罪での示談交渉を依頼するメリット
暴行事件で示談を進めるには、弁護士に依頼することが最も確実な方法。法律の専門家である弁護士が関与することで、示談交渉がスムーズに進むだけでなく、刑事手続き全体においても有利な結果を得られる可能性が高まります。
ここでは、弁護士に示談交渉を依頼する具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。
捜査機関を通じて被害者の連絡先を入手できる
弁護士に依頼する最大のメリットの一つが、被害者の連絡先を入手できる可能性が高まることです。
前述のとおり、加害者本人が警察や検察に問い合わせても、個人情報保護の観点から被害者の連絡先は教えてもらえません。しかし、弁護士が代理人として捜査機関に連絡すれば、「弁護士限り」という条件で被害者の連絡先を教えてもらえることがあります。
捜査機関も、事件の早期解決を望んでいます。弁護士が関与することで適切な示談が成立すれば、被害者の被害回復につながり、事件処理もスムーズになるからです。そのため、弁護士からの要請には応じてくれるケースが多いのです。
「弁護士限り」とは、弁護士が被害者の連絡先を知ることはできても、それを加害者本人に伝えてはならないという条件。これにより、被害者のプライバシーが守られながら、示談交渉の道が開かれます。
弁護士を通すことで、示談交渉の第一歩を踏み出せるのです。
代理人弁護士として被害者と示談交渉できる
弁護士は代理人として被害者と直接交渉できるため、感情的な対立を避けながら冷静な話し合いができます。
被害者にとって、加害者本人と直接やり取りすることは大きな精神的負担です。しかし、第三者である弁護士が間に入ることで、被害者も安心して交渉に応じやすくなります。弁護士という専門家が対応することで、「誠意を持って解決しようとしている」という姿勢が被害者に伝わるのです。
また、弁護士は交渉のプロフェッショナルです。被害者の感情に配慮しながら、法的に適切な内容で合意を目指します。感情的になりがちな当事者同士では難しい、建設的な話し合いが可能になるでしょう。
さらに、弁護士であれば、紛争解決のために法的に必要な条項を加えた示談書を作成することができます。後々のトラブルを防ぐためにも、弁護士による代理交渉は不可欠と言えます。
適切な金額・内容で示談できる
法律の専門家である弁護士に依頼することで、事案に合った適切な示談金額と示談内容で交渉を進めることができます。
弁護士は多くの刑事事件を扱ってきた経験から、事件の内容や被害の程度に応じた適正な示談金相場を熟知しています。暴行の態様、被害者の怪我の程度、精神的苦痛の大きさなどを総合的に判断し、妥当な金額を算定できるのです。
被害者が不当に高額な金額を要求してきた場合も、弁護士なら客観的なデータや過去の事例をもとに、適正な金額について説得力のある説明ができます。逆に、加害者側の経済状況を考慮しながら、分割払いなどの現実的な支払い方法を提案することも可能です。
示談書の内容も重要なポイント。宥恕条項(被害者が加害者を許す意思を示す条項)、清算条項(示談金以外に追加の請求をしないことを確認する条項)、口外禁止条項など、法的に必要な条項を適切に加える必要があります。
このような示談を成立させるには刑事事件に関する専門知識があってこそ可能になるので、示談交渉は法律の専門家である弁護士に依頼するのが得策といえます。
示談成立を通して捜査機関に処分意見を主張できる
示談が成立した後も、弁護士の役割は続きます。示談成立を捜査機関に報告し、処分に対する意見書を提出することで、少しでも軽い刑事処分を目指すことができるからです。
検察官が起訴・不起訴を判断する際、弁護士から提出された示談書や意見書は重要な判断材料となります。弁護士は、「被害者との示談が成立し、被害者は加害者の処罰を望んでいない」「加害者は深く反省しており、再犯の可能性は低い」といった内容を、法的な観点から説得力を持って主張できます。
また、起訴された場合でも、弁護士は裁判において示談成立の事実を情状として主張します。執行猶予付き判決を得るため、あるいは、より軽い量刑を得るために、示談が重要な武器となるのです。
単に示談を成立させるだけでなく、その後の刑事手続き全体を見据えた対応ができる点が、弁護士に依頼する大きなメリットと言えるでしょう。
早期に弁護士に相談することで、最善の結果を目指すことができます。
【事務所紹介】刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件は一般の民事事件や行政事件とは内容や担当機関が大きく異なっているため、刑事事件・少年事件の専門知識と弁護活動が必要になります。
当事務所は刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を扱う実績豊富な弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、丁寧に対応致します。
弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付
刑事事件・少年事件に関する法律相談であれば、どなたでも初回無料でご利用いただけます。
法律相談の受付は24時間・365日(年中無休)で対応可能。刑事事件・少年事件の加害者となりお困りの方はフリーダイヤルまでお電話ください。
弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応
刑事事件・少年事件の加害者となってしまったのですぐに相談したい、あるいはご家族等が逮捕されてどうすればいいか分からないといった方も多いと思います。弁護士のスケジュール次第では、専門スタッフがお電話口で内容を確認し、当日中にご相談を受けていただくことが可能です。
また、ご家族等が逮捕・勾留で身柄の拘束を受けている場合には、弁護士がご本人様の元に接見(面会)に向かう初回接見サービスもご用意しております。初回接見サービスでは、身柄拘束を受けているご本人様からお話を伺い、取調べに対するアドバイスや今後の見通しなどについてご説明いたします。
逮捕されるとすぐに捜査機関による取調べが行われますので、なるべく早く弁護士からのアドバイスを受けることが重要なポイント。初回接見費用(33000円+発生する場合は交通費)のお振込みを弊所で確認後、原則24時間以内に接見に向かいます。
初回接見サービスについて詳しく知りたい方はこちらから▼
弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍
全国でも有数の刑事事件・少年事件を専門的に取り扱う法律事務所であることも弊所の強み。暴行事件を含む刑事事件・少年事件の分野では豊富な実績を誇ります。
被害者との示談交渉や捜査機関に対する早期の身柄解放活動などの弁護活動は、刑事事件・少年事件に関する高度に専門的な知識と経験があってこそ奏功すると言えます。
刑事事件・少年事件に関する知識や経験豊富な弁護士が親身になってご相談者様・ご依頼者様のご不安やお悩みに寄り添い、解決を目指します。刑事事件・少年事件に関するご不安やお悩みをお抱えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
弊所の特徴④:安心明確な料金体系
法律事務所にご相談やご依頼を検討されている方の中で、それらを躊躇させるものの一つとして弁護士費用が挙げられます。弊所ではホームページに弁護士費用を掲載しており、明朗会計となっております。
費用については、ご相談時やご契約の前にご説明させていただきますが、詳細は以下をご確認ください。
【解決実績】示談が成立した暴行事件を紹介
ここでは実際に事務所が依頼を受けた暴行事件で、どのような弁護活動を行ったか紹介します。
事例①:駅構内で起きた暴行事件
飲食店で酒を飲んで泥酔状態となった後、帰宅するため電車に乗り、最寄り駅に到着した際に声をかけてきた駅員に暴行を加えて逮捕されたというケースです。
弊所のホームページをご覧になったご家族からお問い合わせをいただき、初回接見サービスを利用後すぐにご契約となりました。逮捕直後のご相談だったため、担当弁護士は早期の身柄解放と示談成立に向けた弁護活動を開始しました。
早急に被害者の方に連絡をとり示談交渉を進め、加害者に対する厳罰を望まない旨の宥恕条項付の示談が成立しました。その後、捜査機関に対して示談が成立していることの主張などの弁護活動を行い、結果として早期釈放と不起訴処分の獲得に成功しています。
事例②:飲食店内で起きた暴行事件
飲食店内で居合わせた別の客とトラブルになり、相手の胸ぐらを掴んで顔を平手打ちする暴行を加えたというケースです。暴行を受けた相手から警察を呼ばれ、駆け付けた警察官によって現行犯逮捕されました。
逮捕されたことを知ったご家族から弊所にお問い合わせいただき、初回接見サービスをご利用後、ご契約となりました。担当弁護士はすぐに被害者の方との示談交渉を開始し、反省・謝罪の意を示し示談金を支払うことで宥恕条項付きの示談を成立させることができました。
こちらの事件では、早期に示談を成立させることできたこともあり、勾留を阻止して早期の身柄解放とともに不起訴処分を獲得することに成功しています。
【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝の手紙
実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。
※解決実績とお客様の声は必ずしも同じ事件とは限りません。



暴行罪の示談金でよくある質問
暴行事件の示談交渉を進める中で、多くの方が疑問や不安を抱えます。ここでは、よくある質問とその回答をQ&A形式で解説しましょう。実際の事例に基づいた対処法を知ることで、適切な対応ができるはずです。
それぞれのケースに応じた柔軟な対応が求められます。
Q.被害者から示談を拒否された場合は?
A.被害者から示談を拒否された場合でも、諦める必要はありません。いくつかの対処法があります。
まず、謝罪の手紙を送る方法が考えられます。直接の交渉は拒否されても、書面での謝罪であれば受け取ってもらえる可能性があります。手紙では、事件に至った経緯、深い反省の気持ち、二度と同じ過ちを繰り返さない決意などを誠実に綴りましょう。
次に、時間を置いて再度交渉することも有効です。事件直後は被害者の怒りや恐怖が強く、示談に応じる気持ちになれないことがあります。しかし、時間の経過とともに感情が落ち着き、示談に応じてくれることもあるのです。
また、贖罪寄付を行うという選択肢もあります。被害者が示談を拒否しても、加害者が反省の意思を示すために、犯罪被害者支援団体などに寄付を行うのです。検察官や裁判官は、こうした贖罪の努力も評価してくれます。
さらに、弁護士が粘り強く交渉することで、被害者の気持ちが変わることもあります。専門家の適切な対応が、示談成立への道を開くこともあるでしょう。示談が成立しなくても、誠意ある対応を続けることが大切です。
Q.高額な示談金を請求された場合は?
A.被害者から相場を大きく超える高額な示談金を請求された場合、慎重な対応が必要です。
まず、弁護士に相談して適正な金額を確認しましょう。弁護士は過去の事例や裁判例から、事件内容に見合った適正な示談金額を算定できます。被害者の要求が不当に高額であれば、その旨を説明して減額交渉を行います。
次に、分割払いを提案する方法もあります。一括での支払いが難しくても、分割であれば支払える金額もあるでしょう。被害者にとっても、全く示談が成立しないよりは、分割払いでも示談が成立する方が望ましいケースがあります。
また、被害の実態を確認することも重要です。高額な請求の根拠が何なのか、治療費や休業損害の具体的な金額を資料で確認しましょう。客観的な根拠がない請求には、応じる必要はありません。
ただし、不当に低い金額を強引に押し付けることは避けてください。被害者の怒りを買い、示談が決裂するだけでなく、厳しい処罰感情を生む可能性があります。適正な金額での合意を目指し、誠実に交渉を続けることが肝心です。
Q.傷害罪になると示談金相場も変わる?
A.暴行罪から傷害罪になると示談金の相場は大きく変わります。
傷害罪は、暴行によって相手に怪我を負わせた場合に成立する犯罪です。刑法第204条では「人の身体を傷害した者は、15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する」と定められており、暴行罪よりも格段に重い刑罰が科されます。
示談金についても、傷害罪の場合は30万円から100万円程度、あるいはそれ以上になることが一般的です。怪我の程度が重ければ、数百万円に達することもあります。
傷害罪では、暴行罪よりも多くの費用が発生するからです。治療費が高額になりますし、入院が必要な場合もあります。仕事を長期間休まざるを得なくなれば、休業損害も膨らみます。後遺症が残った場合は、後遺障害慰謝料も加算されるでしょう。
さらに、被害者の精神的苦痛も暴行罪より大きいため、慰謝料も高額になります。顔に傷が残った、歯が折れたなど、外見に影響が出る怪我の場合は、特に慰謝料が高くなる傾向が多いです。
暴行罪の示談金相場は内容によって異なる
暴行罪の示談金について、相場や内訳、示談のメリット、そして弁護士に依頼する重要性について解説してきました。
示談金の相場は10万円から30万円程度が目安ですが、これはあくまで一般的な基準に過ぎません。実際の金額は、暴行の態様、被害の程度、被害者の被害感情など、個別の事情によって大きく変動します。
被害者と示談することで、事件化の阻止や前科の回避といった大きなメリットが得られます。しかし、当事者同士での示談交渉は、連絡先の入手が困難であることや、適切な金額・内容での合意が難しいことから、現実的ではありません。
だからこそ、弁護士に依頼することが不可欠なのです。弁護士であれば、捜査機関を通じて被害者の連絡先を入手し、代理人として適切な交渉を行い、法的に有効な示談書を作成できます。さらに、示談成立後も捜査機関に働きかけることで、より軽い処分を目指すことができます。
暴行事件を起こしてしまった方は、一刻も早く弁護士に相談してください。早期の対応が、あなたの未来を守る鍵となります。適切な示談交渉を通じて、事件を円満に解決し、人生の再スタートを切りましょう。