脅迫罪で逮捕された後の流れは?脅迫事件は逮捕されないこともある?

感情的になって「殺すぞ」と言ってしまった—。SNSやメールで相手を脅すような言葉を送ってしまった—。こうした行為は脅迫罪に該当し、逮捕される可能性があります。
では、実際に脅迫罪で逮捕されると、その後どのような流れで手続きが進むのでしょうか。どれくらい身体拘束されるのか、いつ釈放されるのか、不安を感じている方も多いでしょう。
この記事では、脅迫罪で逮捕された後の具体的な流れと、逮捕されることで生じる影響について解説します。現行犯逮捕と後日逮捕の違い、勾留や起訴の手続き、そして逮捕によって受ける社会的影響まで、順を追って説明していきます。
脅迫罪の刑罰や逮捕のリスクを正しく理解することで、今後の対応を考える参考にしてください。
脅迫罪で逮捕された場合の刑罰
脅迫罪は刑法第222条に規定されている犯罪です。条文では「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する」と定められています。
ここで注意したいのは、令和7年6月1日から刑法が改正され、懲役刑と禁錮刑が「拘禁刑」に一本化されている点です。この改正により、刑法改正以降に脅迫罪で有罪判決を受けた場合は「2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」という刑罰になります。
脅迫罪の刑罰は比較的軽いように見えるかもしれません。しかし、実際に逮捕されると長期間の身柄拘束を受ける可能性があり、生活に大きな影響を及ぼします。また、前科がつくことで将来的な就職や海外渡航に支障をきたすこともあるでしょう。
罰金刑で済むケースもあれば、悪質な場合は拘禁刑が科されるケースもあります。いずれにしても、脅迫罪は決して軽い犯罪ではないという事です。
脅迫罪は逮捕される?
結論から言えば、脅迫罪で逮捕される可能性は十分にあります。「言葉だけだから大丈夫」「実際に危害を加えていないから問題ない」と考えるのは大きな間違いです。
脅迫罪が成立するのは、相手に対し、一般通常人であれば恐怖心を起こすであろう程度の害悪を告知した時点です。相手がそれによって現に畏怖することは必要ありませんし、実際に危害を加える必要もありません。メールやSNS、電話、対面での発言など、その手段を問いません。
特に最近では、SNSでの誹謗中傷や脅迫が社会問題化しており、警察も厳しく取り締まっています。匿名だから大丈夫と思っていても、IPアドレスやアカウント情報から特定されるケースは少なくありません。
被害者が警察に被害届を提出すれば、警察は捜査を開始します。証拠が揃い、逮捕の必要性があると判断されれば、逮捕状が発付されて逮捕に至るのです。
脅迫罪は親告罪ではないため、被害者が被害届を取り下げても、警察の判断で捜査が進むこともあります。軽い気持ちで発した言葉が、逮捕という重大な結果を招くことを理解しておく必要があります。
脅迫罪で逮捕されるパターン
脅迫罪で逮捕される場合、大きく分けて現行犯逮捕と通常逮捕(後日逮捕)の2つのパターンが考えられるでしょう。どちらのパターンで逮捕されるかは、事件の状況や証拠の有無などによって変わってきます。
それぞれの逮捕方法には異なる特徴があり、逮捕後の流れにも若干の違いが生じます。ここでは、2つの逮捕パターンについて詳しく見ていきましょう。
現行犯逮捕
現行犯逮捕とは、犯罪が行われている最中や犯行直後に、その場で逮捕されることを指します。脅迫罪の場合、対面で脅迫的な発言をした直後に被害者が通報し、駆けつけた警察官にその場で逮捕されるケースが該当します。
現行犯逮捕の特徴は、逮捕状が不要である点です。刑事訴訟法では、現行犯人は何人でも逮捕できると定められています。つまり警察官だけでなく一般市民でも逮捕が可能です(ただし、一般市民が逮捕した場合は速やかに警察に引き渡す必要があります)。
街中での口論がエスカレートして脅迫に発展した場合や、ストーカー行為の現場で脅迫的な言動があった場合などが、現行犯逮捕の典型例です。犯行が目撃されているため、証拠が明確であることも現行犯逮捕の特徴といえます。
現行犯逮捕された場合でも、その後の手続きは通常逮捕と同じ流れで進みます。ただし、犯行が明白であるため、勾留が認められやすい傾向にあるといえるでしょう。
通常逮捕(後日逮捕)
通常逮捕は、事件発生から時間が経過した後に、捜査の結果として逮捕されるパターンです。後日逮捕とも呼ばれます。脅迫罪の場合、メールやSNSでの脅迫、電話での脅迫など、証拠を収集・分析してから逮捕に至るケースが多く見られます。
通常逮捕には裁判官が発付する逮捕状が必要です。警察は被害届や証拠を基に捜査を進め、被疑者が脅迫罪を犯したと判断した場合、裁判所に逮捕状の請求を行います。裁判官が逮捕の理由と必要性があると認めれば、逮捕状が発付されます。
通常逮捕では、自宅や職場に警察が訪れて逮捕されることが一般的です。早朝に自宅で逮捕されるケースも少なくありません。突然の逮捕によって、家族や職場に事件が発覚してしまう恐れがあります。
SNSやメールでの脅迫の場合、脅迫文の送信から数日後、場合によっては数週間後に逮捕されることもあります。「時間が経ったから大丈夫」と思っていても、警察は着実に証拠を集めているのです。
なお、逮捕状には有効期限があり、通常は発付から7日間です。逮捕状が発付されると有効期限内に逮捕が実行されることになります。
【事例紹介】実際に脅迫罪で逮捕されたケース
ここでは実際に事務所が依頼を受けた脅迫事件で、現行犯逮捕されたケースと通常逮捕されたケースを紹介します。
事例①:パチンコ店の店長に対する脅迫行為により現行犯逮捕
酒に酔った状態でパチンコ店で遊戯をしていた際に、一向に当たらないことに立腹して店長を出せと大声で叫び出したというケースです。
騒ぎを聞きつけた店長が落ち着かせようとなだめようとしたものの、店長に対して殺すぞ等の暴言を複数回繰り返したことにより、駆け付けた警察官によって現行犯逮捕されました。
事例②:彼女に対してラインで脅迫したことにより通常逮捕
交際していた彼女とラインで別れ話をしていた際、別れたら以前撮影していた性的画像や動画を拡散させる旨の文章を送信したというケースです。
彼女は送られてきた文章を見て恐怖を感じ、警察に被害届を提出したため、後日、通常逮捕されることになってしまいました。
脅迫罪で逮捕された後の流れ
脅迫罪で逮捕されると、刑事手続きが段階的に進んでいきます。逮捕から起訴・不起訴の判断まで、法律で定められた期限内に様々な手続きが行われます。
身柄拘束の期間は法律で上限が決まっていますが、起訴までの間に最長で23日間に及ぶこともあります。各段階でどのようなことが行われるのか、詳しく見ていきましょう。
逮捕による身柄拘束|48時間
逮捕されると、まず警察署に連行され、最長48時間の身柄拘束を受けます。この48時間は逮捕時点からカウントされます。
この間、警察官による取り調べが行われます。取り調べでは、脅迫行為の内容、動機、被害者との関係などについて詳しく聞かれます。供述調書が作成され、署名・押印を求められることもあるでしょう。
逮捕直後は家族への連絡も制限されることがあります。ただし、弁護士との接見は認められており、逮捕後すぐに弁護士を呼ぶことが可能です。弁護士は取り調べへのアドバイスや、今後の手続きについて説明してくれます。
警察は48時間以内に、被疑者を検察官に送致するか、釈放するかを判断します。多くの場合、証拠が揃っていれば検察官へ送致(送検)されます。この時点で釈放されることは少なく、次の段階へと進むケースが大半です。
逮捕から48時間という短い時間の中で、今後の方針を決める重要な判断が行われるのです。
検察官による勾留請求|24時間
警察から送致された後、検察官は24時間以内に勾留請求をするかどうかを判断します。この24時間は送致された時点から計算されます。
検察官は送致された書類や証拠を検討し、被疑者を取り調べた上で判断を下します。勾留の必要性があると判断すれば、裁判所に対して勾留請求を行います。一方、証拠不十分や勾留の必要性がないと判断すれば、ここで釈放となることもあります。
勾留請求の判断基準は、主に以下の3点です。第一に、被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があること。第二に、被疑者が逃亡するおそれがあること。第三に、証拠隠滅のおそれがあること。
脅迫罪の場合、被害者との示談が成立していない段階では、証拠隠滅や被害者への接触のおそれがあるとして勾留請求されることが多い傾向にあります。
検察官による取り調べでは、警察での供述との整合性も確認されます。矛盾した供述をすると不利に働く可能性があるため、弁護士と相談しながら慎重に対応することが大切です。
ここでの24時間の判断が、その後の身柄拘束期間を大きく左右します。
勾留決定による身柄拘束|最長20日間
検察官が勾留請求を行うと、裁判官が勾留するかどうかを判断します。裁判官が勾留の理由と必要性を認めれば、勾留決定がなされます。
勾留期間は原則として10日間です。ただし、検察官が請求し、裁判官が認めれば、さらに最長10日間延長されることがあります。つまり、勾留による身柄拘束は最長で20日間に及ぶ可能性があるのです。
勾留中は警察署内の留置場で過ごすことになります。自由に外出することはできず、面会も制限されます。家族との面会は認められることもありますが、弁護士以外との接見は制限されるケースも少なくありません。
この期間中も継続的に取り調べが行われます。検察官は起訴・不起訴の判断に必要な証拠を集め、被疑者の供述を詳しく聴取します。脅迫罪の場合、被害者の処罰感情や示談の可能性なども考慮されるでしょう。
勾留決定に対しては、弁護士を通じて準抗告という不服申立てをすることができます。勾留の必要性がないことを主張し、釈放を求める手続きです。ただし、認められるケースは限られています。
最長20日間という長期にわたる勾留は、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
検察官による終局処分(起訴・不起訴)
勾留期間が満了するまでに、検察官は起訴するか不起訴にするかを決定します。これを終局処分といいます。
起訴とは、検察官が裁判所に対して刑事裁判を求める手続きです。起訴されると、正式に刑事被告人となり、刑事裁判を受けることになります。一方、不起訴となれば、刑事手続きはそこで終了し、釈放されます。
検察官は様々な要素を総合的に考慮して判断を下します。犯行の動機や態様、被害の程度、被疑者の反省の様子、前科の有無などが重要な判断材料です。脅迫罪の場合、被害者との示談が成立しているかどうかも大きなポイントになります。
示談が成立し、被害者が被疑者の処罰を望まない意思を示していれば、不起訴になる可能性も高まります。逆に、被害者の処罰感情が強く、示談が成立していない場合は起訴される可能性が高くなるでしょう。
不起訴の種類には、嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予などがあります。証拠不十分の場合は嫌疑不十分、犯罪は成立するものの諸事情を考慮して起訴を見送る場合は起訴猶予となります。
起訴・不起訴の判断は、その後の人生を大きく左右する重要な分岐点です。
略式起訴(罰金)・刑事裁判
起訴には、略式起訴と正式起訴の2種類があります。
略式起訴は、比較的軽微な事件について、正式な刑事裁判を開かずに罰金刑を科す手続きです。100万円以下の罰金または科料に該当する事件が対象となります。脅迫罪の法定刑は30万円以下の罰金も含まれるため、略式起訴の対象になり得ます。
略式起訴を行うには被疑者の同意が必要です。検察官から略式起訴について説明を受け、同意すれば略式命令が出されます。罰金を納付すれば事件は終結しますが、前科はつきます。
一方、正式起訴されると刑事裁判が始まります。起訴後は被告人として裁判所に出廷し、公開の法廷で審理を受けることになります。
刑事裁判の流れは、まず起訴状が読み上げられ、被告人と弁護人が罪状認否を行います。その後、検察官による冒頭陳述、証拠調べ、証人尋問などが行われます。最後に検察官の論告求刑、弁護人の最終弁論があり、判決が言い渡されます。
初公判から判決まで、通常は数か月を要します。その間、勾留が続いている状況で保釈が認められなければ身柄拘束がさらに続きます。保釈が認められれば、保釈保証金を納付することで釈放され、裁判を待つことができます。
判決では、拘禁刑(令和7年6月1日以降)、罰金、または執行猶予付き判決などが言い渡されます。執行猶予がつけば、すぐに刑務所に行くことはありません。
脅迫罪で逮捕された場合の影響
脅迫罪で逮捕されると、刑罰そのもの以外にも様々な影響が生じます。身柄拘束による直接的な影響から、社会生活への長期的な影響まで、多岐にわたる問題が発生する可能性があります。
逮捕がもたらす影響を正しく理解することは、今後の対応を考える上で重要です。ここでは、主な影響について詳しく見ていきましょう。
長期的な身柄拘束
脅迫罪で逮捕されると、前述のとおり起訴前に最長23日間(逮捕後72時間+勾留20日間)の身柄拘束を受ける可能性があります。さらに起訴後も保釈が認められなければ、たとえ執行猶予の付された判決となっても判決まで身柄拘束が続きます。
長期間の身体拘束は精神的に大きな負担となります。自由を奪われた環境で過ごすことは、想像以上にストレスがかかります。留置場での生活は規則正しい反面、プライバシーがほとんどなく、精神的に追い詰められる人も少なくありません。
肉体的な負担も無視できません。狭い空間での生活、限られた運動時間、慣れない食事など、体調を崩すリスクもあります。持病がある場合は、適切な医療を受けられない可能性もあるでしょう。
また、取り調べによる心理的プレッシャーも大きな負担です。連日の取り調べで精神的に疲弊し、正確な判断ができなくなることもあります。このような場合でも弁護士に弁護活動の依頼をしておくことで相談しながら、冷静に取調べに対応することができるでしょう。
身柄拘束の長期化は、仕事や家庭生活にも深刻な影響を及ぼします。収入が途絶え、家族の生活が困窮するケースもあるのです。
会社・学校から処分を受ける可能性がある
長期間の身柄拘束によって、会社や学校を無断欠勤・欠席することになります。これにより、逮捕の事実が発覚してしまう可能性が高くなります。
会社員の場合、無断欠勤が続けば会社に連絡が入り、事情を説明せざるを得なくなるでしょう。逮捕の事実が明らかになれば、就業規則に基づいて懲戒処分を受ける可能性があります。懲戒解雇となれば、退職金も支給されず、再就職にも大きな支障をきたします。
公務員の場合はさらに厳しく、刑事事件で起訴されると休職処分となり、有罪判決が確定すれば失職する可能性が高くなります。教員や医師など、資格職の場合も同様のリスクがあります。
学生の場合も、長期欠席によって学校に事情が伝わってしまうこともあるでしょう。大学であれば退学処分、高校以下であれば停学や退学となる可能性があります。退学処分等は今後の進学や就職活動にも深刻な影響を及ぼすでしょう。
報道されるような事件の場合、実名が報道されることもあります。一度報道されてしまうとインターネット上に情報が残り続けることで、長期にわたって社会生活に影響が出る可能性もあるのです。
職場や学校での信用を失うことは、経済的な損失だけでなく、社会的な立場を失うことにもつながる恐れがあります。
前科が付く可能性がある
起訴されて有罪判決を受けると、前科が付きます。前科とは、過去に有罪判決を受けた経歴のことです。
前科がつくことによるデメリットは多岐にわたります。まず、就職活動において大きな障害となります。多くの企業は採用時に犯罪歴の有無を確認しており、前科があると採用されにくくなります。特に、金融機関や公務員、教育関係など、信用や倫理性が重視される職種では、ほぼ確実に不採用となるでしょう。
資格取得にも制限が生じます。弁護士、医師、教員、看護師など、多くの国家資格では欠格事由として前科が定められています。一定期間は資格を取得できなくなるのです。
海外渡航にも影響が出る可能性があります。国によっては入国時に犯罪歴を申告する必要があり、前科があると入国を拒否されることもあります。ビジネスや観光で海外に行く機会がある人には、大きな制約となるでしょう。
さらに、前科があると再犯時の量刑が重くなります。初犯であれば執行猶予がつく可能性が高い事件でも、前科があれば実刑判決が下されやすくなるのです。
ただし、罰金刑の場合は「前科」はつきますが、日常生活への影響は拘禁刑以上の刑で実刑判決を受けたときほど大きくありません。また、執行猶予付き判決の場合、執行猶予期間を無事に過ごせば刑の執行は免除されます。
前科は一生消えることはありませんが、一定期間経過後は法律上の制限がなくなるものもあります。しかし、社会的な信用を回復するには長い時間がかかることを覚悟しなければなりません。
脅迫罪は逮捕されないこともある?
脅迫罪を犯したからといって、必ずしも逮捕されるわけではありません。実際には、逮捕されずに捜査が進められるケースも少なくないのです。
逮捕するかどうかは、事件の内容や状況によって判断されます。被害の程度が比較的軽微であること、被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されること、被疑者の身元がはっきりしていることなどが考慮されます。
特に、被疑者が定職に就いており、家族と同居していて生活が安定している場合は、逃亡のおそれが低いと判断されやすくなります。また、被害者との示談交渉が進んでいる場合や、被疑者が犯行を認めて反省している場合も、逮捕の必要性が低いとされることがあるでしょう。
警察による捜査の初期段階で弁護士を通じて意見書を提出し、逮捕の必要性がないことを主張することも有効です。このような働きかけによって、在宅捜査で進められるケースもあります。
ただし、証拠隠滅のおそれがある場合、被害者への接触の可能性がある場合、再犯のおそれがある場合などは、逮捕される可能性が高くなります。脅迫罪であっても、悪質性が高いと判断されれば逮捕は免れないでしょう。
逮捕されるかどうかは、事件の初期段階でどのような対応をするかによって変わってくる可能性があるのです。
脅迫罪で逮捕されなかった場合の流れ
逮捕されずに捜査が進められる場合、在宅捜査という形式がとられます。身柄を拘束されることなく、日常生活を送りながら捜査に協力していく流れです。
在宅捜査の場合でも、最終的には検察官による起訴・不起訴の判断があり、起訴されれば刑事裁判を受けることになります。逮捕された場合と比べて時間的な制約は緩やかですが、手続きの流れは基本的に同じです。
在宅捜査|時間制限なし
在宅捜査とは、被疑者を逮捕・勾留せずに捜査を進める方法です。被疑者は自宅で普段通りの生活を送りながら、警察や検察の呼び出しに応じて取り調べを受けます。
警察から連絡があり、指定された日時に警察署へ出頭して取り調べを受けるのが一般的な流れです。取り調べは数時間で終わることもあれば、複数回にわたって行われることもあります。出頭回数や捜査期間に法律上の制限はないため、事件によっては数か月にわたって捜査が続くこともあるでしょう。
在宅捜査の最大のメリットは、身柄を拘束されないため、仕事や学校を続けられることです。会社や学校に事件のことが発覚してしまうリスクも低く抑えられるでしょう。家族と一緒に過ごせることも、精神的な支えになるはずです。
ただし、在宅捜査であっても捜査に非協力的な態度をとれば、逮捕される可能性があります。呼び出しを無視したり、虚偽の供述をしたりすることは避けるべきです。弁護士と相談しながら、誠実に捜査に協力する姿勢が大切です。
さらに弁護士に弁護活動を依頼することで、捜査の進展に応じて、被害者との示談交渉を並行して進めることができます。在宅捜査の期間を有効に使い、不起訴処分を目指した活動を行うことが可能なのです。
検察官による終局処分(起訴・不起訴)
在宅捜査が終了すると、警察は事件を検察官に送致します。その後、検察官が起訴するか不起訴にするかを判断します。
逮捕された場合と異なり、在宅捜査では時間的な制約がないため、検察官は慎重に判断を下すことができます。証拠の精査、被害者の意向の確認、被疑者の反省状況などを総合的に考慮します。
示談が成立していれば、不起訴処分となる可能性も高まります。脅迫罪のような比較的軽微な犯罪では、被害者の処罰感情が重要な判断材料となるためです。被害者が許しているのであれば、あえて起訴する必要性は低いと判断されやすいでしょう。
一方、示談が成立していない場合や、被害者の処罰感情が強い場合は起訴される可能性があります。前科がある場合や、同種事件を繰り返している場合など悪質だと判断されると起訴の可能性が高くなります。
不起訴処分にはいくつかの種類があり、起訴猶予の場合は「罪は成立するが、諸般の事情を考慮して起訴を見送る」という判断です。不起訴であれば前科はつかず、刑事裁判を受けることもありません。
略式起訴(罰金)・刑事裁判
起訴される場合、逮捕された場合と同様に略式起訴と正式起訴の2つの形式があります。
略式起訴の場合は、罰金の納付によって事件が終結します。公開の法廷に立つことはなく、比較的短期間で手続きが完了します。ただし、前科はつくため、その後の人生に一定の影響が残ることは避けられません。
正式起訴された場合は、刑事裁判を受けることになります。在宅起訴であれば、身柄を拘束されることなく裁判を受けられます。
在宅捜査で進められた事件は、比較的軽微なケースが多いため、略式起訴で終わることも少なくありません。正式起訴された場合でも、執行猶予付き判決を獲得できる可能性が高いといえます。
脅迫罪で逮捕された場合に弁護士に依頼するメリット
脅迫罪で逮捕された場合、または逮捕される可能性がある場合、弁護士に刑事弁護を依頼することで様々なメリットが得られます。
刑事事件では、初動の対応が極めて重要です。早期に弁護士が介入することで、今後の展開が大きく変わる可能性があります。ここでは、弁護士に依頼する具体的なメリットを見ていきましょう。
現在の状況や今後の事件の見通しがわかる
刑事事件に巻き込まれると、今後どうなるのか、何をすべきなのか、わからないことだらけで不安になります。弁護士に相談することで、現在の状況を客観的に分析してもらい、今後の見通しを立てることができます。
弁護士は過去の類似事件の経験から、事件がどのように進展するのか、どのような結果が予想されるのかを説明してくれます。逮捕される可能性はどの程度か、起訴される可能性はどうか、有罪になった場合の量刑はどの程度かなど、具体的な見通しを示してもらえるでしょう。
また、警察や検察がどのような証拠を集めているのか、取り調べで何を聞かれるのかなど、捜査の進め方についても解説してもらえます。刑事手続きの流れを理解することで、心の準備ができ、適切な対応が可能になります。
さらに、弁護士は法律的な観点から、どのような弁護方針が最適かを検討してくれます。示談を優先するべきか、否認するべきか、それとも情状酌量を求めるべきかなど、個別の事情に応じた戦略を立てられるのです。
不安な状況の中で、経験豊富な法律の専門家のアドバイスを受けられることは、大きな心理的支えとなります。
取調べ対応に対するアドバイスを受けられる
警察や検察の取り調べは、刑事事件の行方を左右する重要な場面です。しかし、取り調べの経験がない一般の方にとって、どのように対応すべきか判断するのは非常に難しいでしょう。
弁護士に依頼すれば、取り調べ前に具体的なアドバイスを受けることができます。どのような質問が予想されるか、どう答えるべきか、逆にどのような発言は避けるべきかなど、細かい指導を受けられます。
特に重要なのは、自分に不利な調書を作られないようにすることです。取り調べでは、警察官が作成した調書に署名・押印を求められます。しかし、この調書の内容が事実と異なっていたり、誤解を招く表現だったりすると、後で不利な証拠として使われてしまいます。
弁護士は、調書の内容をよく確認すること、納得できない部分は訂正を求めること、無理に署名しなくてもよいことなどをアドバイスしてくれます。黙秘権の行使についても、適切なタイミングを判断してくれるでしょう。
また、取り調べ後には、どのような質問をされたか、どう答えたかを弁護士に報告します。弁護士はその内容を分析し、次回の取り調べに向けた対策を立ててくれるのです。
適切な取り調べ対応によって、不利な状況に陥ることを防げる可能性があります。
代理人弁護士として被害者と示談交渉してもらえる
脅迫罪のような被害者がいる犯罪では、示談の成否が事件の処理結果に大きく影響します。示談が成立すれば、不起訴処分となり、前科を回避できる可能性が高まります。
しかし、被疑者本人や家族が直接被害者と交渉するのは困難です。被害者は加害者側と直接接触することを望まないケースが多く、連絡先すら教えてもらえないこともあります。また、感情的になってしまい、冷静な交渉ができないリスクもあるでしょう。
弁護士に依頼すれば、代理人として被害者との示談交渉を行ってもらえます。弁護士は第三者として、冷静かつ客観的に交渉を進められます。被害者側も、弁護士が窓口であれば応じてくれる可能性が高くなります。
示談交渉では、謝罪の意思を伝え、被害者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料を提示します。金額の妥当性、支払い方法、示談書の内容など、法律的な知識が必要な事項について、弁護士が適切に対応してくれるでしょう。
示談が成立すれば、被害者に処罰を望まない旨の意思表示をしてもらい、それを示談書に盛り込みます。この示談書を検察官に提出することで、不起訴処分を獲得できる可能性が大きく高まるのです。
示談交渉は、刑事弁護において最も重要な活動の一つといえます。
逮捕せずに在宅捜査で進めるように交渉してもらえる
事件が発覚した段階で弁護士に依頼すれば、警察に対して逮捕の必要性がないことの主張を行えます。弁護士は意見書を作成し、逮捕せずに在宅捜査で進めるよう交渉を行うことができるのです。
意見書では、被疑者に逃亡のおそれがないこと、証拠隠滅のおそれがないこと、定職に就いており社会的基盤が安定していることなどを具体的に示します。また、被害者との示談交渉を進めていることや、被疑者が深く反省していることなども記載するでしょう。
このような働きかけによって、警察が逮捕ではなく在宅捜査を選択してくれる可能性が高まります。在宅捜査になれば、職場に事件が発覚したり、仕事を失うリスクが大幅に減り、家族との生活も維持できます。精神的な負担も大きく軽減されるはずです。
ただし、事件の内容が悪質である場合や、過去に同種事件を起こしている場合などは、弁護士の交渉があっても逮捕される可能性があります。それでも、逮捕を回避するための最大限の努力をしてもらえることは、大きな意味があるでしょう。
早期に弁護士に相談し、逮捕前から対応することが重要です。
逮捕直後から早期釈放に向けた活動ができる
すでに逮捕されてしまった場合でも、弁護士に依頼すれば早期釈放に向けた活動を開始してもらえます。逮捕後72時間以内の対応が、その後の身柄拘束期間を左右する重要なポイントとなります。
弁護士は逮捕直後から接見することができ、取り調べへのアドバイスを行います。また、検察官に対して勾留請求をしないよう意見書を提出したり、裁判官に対して勾留決定をしないよう意見書を提出したりします。
勾留請求却下や勾留決定却下となれば、逮捕から最大72時間で釈放されます。長期間の身柄拘束を回避できれば、仕事や学校への影響を最小限に抑えられるでしょう。
仮に勾留されてしまった場合でも、弁護士は準抗告や勾留取消請求を行い、早期釈放を目指します。また、被害者との示談交渉を急ピッチで進め、示談成立を理由に釈放を求めることもできます。
起訴後であれば、保釈請求を行って身柄の釈放を目指します。保釈保証金は必要になりますが、裁判を自宅で待てるようになることは大きなメリットだと言えるでしょう。
逮捕されてしまったからといって諦めるのではなく、すぐに弁護士に連絡して早期釈放に向けた活動を開始してもらいましょう。
不起訴処分による前科回避を目指せる
不起訴処分とは、検察官が起訴しないと判断することです。不起訴になれば刑事裁判は開かれず、前科もつきません。刑事弁護において、不起訴処分の獲得は最も重要な目標の一つといえます。
弁護士は不起訴処分を目指して、様々な活動を行います。まず、被害者との示談交渉を進め、被害者が処罰を望まない旨の意思表示を得られるよう活動します。示談が成立すれば、不起訴処分の可能性が大きく高まるでしょう。
また、被疑者が深く反省していること、再犯のおそれがないこと、社会的制裁をすでに受けていることなどを主張します。これらの事情を記載した意見書を検察官に提出し、起訴猶予による不起訴処分を求めるのです。
さらに、事件の内容によっては、脅迫罪が成立しない可能性を法的に主張することもあります。証拠が不十分であることや、構成要件を満たしていないことを論証し、嫌疑不十分による不起訴処分を目指します。
不起訴処分を獲得できれば、前科がつかないため、就職や資格取得への影響がありません。社会生活を続けていく上で、前科の有無は極めて重要な違いとなります。
弁護士の活動によって、前科を回避できる可能性が大きく高まるのです。
【事務所紹介】刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件は一般の民事事件や行政事件とは内容や担当機関が大きく異なっているため、刑事事件・少年事件の専門知識と弁護活動が必要になります。
当事務所は刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を扱う実績豊富な弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、丁寧に対応致します。
弊所の特徴①:24時間無料の法律相談受付
刑事事件に関する初回無料の法律相談を行っています。
刑事事件での相談であれば全て無料。法律相談の受付は、電話で24時間(年中無休)対応しております。刑事事件についてお困りの方はフリーダイヤルまでお電話下さい。
弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応
お急ぎの方につきましては、お電話を頂いてから24時間以内に初回無料の法律相談を行うことが可能です。弁護士のスケジュールが空いていれば、当日の法律相談も可能となっております。
また、本人が逮捕されている事件では即時の接見が重要なポイント。逮捕等による緊急の場合は、まずは弁護士が逮捕されている本人のもとに接見に向かう有料の初回接見のサービスをご用意しています。
弊所の特徴③:脅迫事件に強い弁護士が多数在籍
弊所は、刑事事件・少年事件に精通した法律事務所です。
刑事弁護は初動活動で決まるといっても過言ではありません。刑事事件に強い弁護士が一から対応することができ、刑事事件に精通した法律事務所だからできる充実した刑事弁護活動を任せてみてはいかがでしょうか。
脅迫事件やその他の刑事事件について数多くの取り扱い実績があります。丁寧な説明はもちろんのこと、接見の報告、裁判の打合せなど活動報告及びコミュニケーションもしっかり行います。
弊所の特徴④:安心明確な料金体系
弊所の料金体系はシンプル明朗会計。弁護士費用の記載は全て税込表示となっています。
- 初回相談料 無料
- 2回目以降の相談 11,000円/1時間
- 着手金 簡易な事件 0円
通常の事件 66万円
複雑な事件 協議 - 初回接見料金 33,000円
(※目的地や使用言語等により交通費や追加費用がかかる場合があります。)
その他の料金詳細については弊所HPをご覧ください▼
【解決実績】実際に依頼を受けた脅迫事件
ここでは実際に事務所が依頼を受けた脅迫事件で、どのような弁護活動を行ったか紹介します。
事例①:被害者との示談成立+不起訴処分獲得
当時交際していた被害者様と別れ話となった際、ラインで今から殺しに行く旨の文章を送信したというケースです。被害者が恐怖を感じて警察に相談した結果、後日逮捕されることになりました。
依頼を受けた弁護士は、被害者様との示談交渉を行い、刑罰は求めない旨の宥恕条項を記載した示談書を締結させることができ、不起訴処分の獲得に成功しています。
事例②:早期釈放を実現
被害者に対して脅迫行為を行ったことで現行犯逮捕されてしまったというケースです。
依頼を受けた弁護士は早期釈放に向けて動き始めました。検察官が勾留請求を行い、裁判官は勾留決定を下しましたが、弁護士が勾留決定に対する準抗告を申し立て、勾留の必要がない旨を主張しました。その結果、準抗告を認めていただき、早期釈放を実現させることに成功しています。
脅迫罪で逮捕されたら弁護士へ相談を
脅迫罪で逮捕された、または逮捕される可能性がある場合、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。
刑事事件では、初動の対応によってその後の流れが大きく変わります。早期に弁護士が介入することで、逮捕の回避、早期釈放、不起訴処分の獲得など、より良い結果を得られる可能性が高まります。
特に、被害者との示談交渉は時間との勝負です。検察官が処分を決定する前に示談を成立させることで、不起訴処分の可能性が大きく向上します。自分だけで対応しようとせず、刑事事件に詳しい弁護士に依頼することが賢明でしょう。
また、逮捕後は家族との連絡も制限されますが、弁護士との接見は保障されています。逮捕されてしまった場合でも、すぐに弁護士を呼んで今後の対応を相談してください。
脅迫罪は比較的軽微な犯罪と思われがちですが、前科がつくことの影響は深刻です。適切な弁護活動によって前科を回避することは、将来にわたって大きなメリットとなります。
一人で悩まず、まずは弁護士に相談して、最善の解決方法を探りましょう。早期の相談が、より良い結果につながるのです。