傷害罪で逮捕された後の流れは?傷害事件は逮捕されないこともある?

ケンカやトラブルで相手に怪我をさせてしまった—。
警察から連絡が来たり、突然逮捕されたりするのではないかと不安を感じていませんか?傷害罪で逮捕されると、その後どのような流れで手続きが進むのか、どれくらい拘束されるのか、仕事や学校にはどう影響するのか。初めて直面する状況に、何をすればいいのかわからず混乱している方も多いでしょう。
傷害事件のすべてが即座に逮捕されるわけではありません。逮捕されるケースとされないケースがあり、逮捕後の流れも段階的に決まっています。この記事では、傷害罪の刑罰から逮捕のパターン、逮捕後の具体的な流れ、そして逮捕されることで生じる様々な影響まで、わかりやすく解説します。
傷害罪で逮捕された場合の刑罰
傷害罪の刑罰は刑法第204条に規定されており、「人の身体を傷害した者は、15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する」と定められています。つまり、他人に怪我を負わせた場合、最長15年の懲役刑または50万円以下の罰金が科される可能性があるということです。
令和7年(2025年)6月の刑法改正により、懲役刑と禁錮刑が統合され拘禁刑という新しい刑罰に変更されました。拘禁刑では受刑者の状況に応じて柔軟な処遇が可能となり、更生に向けた支援がより充実する仕組みです。
実際の量刑は、怪我の程度や犯行の悪質性、被害者との示談成立の有無などによって大きく変わります。軽微な怪我で示談が成立している場合は不起訴になることもあれば、重大な傷害を負わせた場合は実刑判決となることもあるのです。
傷害罪の刑罰は決して軽いものではありません。事件の内容次第では、人生を大きく左右する結果となる可能性があります。
傷害罪は逮捕される?
傷害罪を犯したからといって必ずしも逮捕されるとは限りません。しかし、逮捕される可能性は十分にあると考えておくべきでしょう。
警察が逮捕を判断する際には、主に「逃亡のおそれ」と「証拠隠滅のおそれ」という2つの要素を重視します。容疑者が逃げる可能性が高い場合や、被害者や目撃者に接触して証拠を隠滅する危険がある場合は、逮捕される可能性が高まるのです。
具体的には、住所不定である、過去に同様の事件を起こしている、被害者との関係が悪化している、被害の程度が重い、凶器を使用したなど。逆に、住所や職業が明確で、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断されれば、在宅事件として扱われることもあります。
在宅事件の場合、身柄を拘束されることはありません。通常の生活を送りながら捜査に協力する形になりますが、在宅事件であっても刑事手続きは進行しており、最終的に起訴されて刑罰を受ける可能性はあるので注意してください。
つまり、「逮捕されなかった=無罪」ではありません。傷害事件を起こした場合、逮捕の有無にかかわらず、適切な対応が求められます。
傷害罪で逮捕されるパターン
傷害罪で逮捕される場合、大きく分けて現行犯逮捕と通常逮捕(後日逮捕)の2つのパターンがあります。どちらのパターンで逮捕されるかによって、状況も変わってくるので、それぞれの逮捕の仕組みについて見ていきましょう。
現行犯逮捕
現行犯逮捕とは、犯罪を行っている最中、または犯罪直後の犯人をその場で逮捕すること。傷害事件の場合、暴行を加えている現場や、暴行直後に被害者が倒れている場面で警察官が駆けつければ、その場で逮捕されることになります。
現行犯逮捕の大きな特徴は令状が不要である点です。通常の逮捕には裁判所が発行する逮捕状が必要ですが、現行犯の場合は誰でも逮捕することができます。つまり、警察官だけでなく、一般市民でも現行犯人を取り押さえることが法律上認められているのです。
実際の傷害事件では、被害者が110番通報し、警察官が現場に到着した時点で加害者がまだその場にいれば現行犯逮捕となるケースが多く見られます。また、目撃者が多数いる場所での暴行事件や、防犯カメラに犯行が記録されている状況でも、犯人が特定されやすく現行犯逮捕につながります。
通常逮捕(後日逮捕)
通常逮捕とは、事件発生から時間が経過した後に裁判所が発行した逮捕状に基づいて行われる逮捕のこと。傷害事件では、その場から立ち去った後、数日から数週間、場合によっては数ヶ月後に逮捕されることもあります。
通常逮捕を行うためには、警察が証拠を収集し、検察官と協議した上で裁判所に逮捕状を請求する必要があります。裁判所は、事件の内容や証拠の状況、逃亡や証拠隠滅のおそれなどを総合的に判断して、逮捕状の発行を決定するのです。
逮捕のタイミングは予測できません。自宅にいる時、職場にいる時、外出中など、警察はいつでも逮捕状を執行できます。早朝に自宅を訪ねてくるケースも少なくありません。職場で逮捕されれば、同僚や上司に事件が知られる可能性が高まります。
通常逮捕では、事件から時間が経過しているため、「もう大丈夫だろう」と油断していた時期に突然逮捕されるケースが多いのです。時効が成立するまでは、いつ逮捕されてもおかしくないという緊張状態が続きます。
後日逮捕を避けるためには、事件後できるだけ早く弁護士に相談し、被害者との示談交渉を進めることが重要です。示談が成立すれば、逮捕される可能性は大きく下がります。
【事例紹介】実際に傷害罪で逮捕されたケース
ここでは実際に事務所が依頼を受けた傷害事件で、現行犯逮捕されたケースと通常逮捕されたケースを紹介します。
事例①:婚約者に暴行を加えて怪我を負わせて現行犯逮捕
婚約者に別れ話を切り出されたことで納得できず、婚約者に殴る蹴る等の暴行を加え、怪我をさせたというケースです。
その後、暴行を受けた婚約者は家族に事情を話したところ、心配した家族が警察に通報しました。そして自宅に警察官が駆け付け、そのまま傷害罪の容疑で現行犯逮捕されています。
事例②:従業員を殴って怪我を負わせて後日逮捕
新しく入った従業員に指導を行っていたところ、従業員の態度に腹を立て、相手の腹や頬を数度殴ったというケースです。
この件もあって従業員は退職しましたが、それからしばらくして職場に警察官がやってきました。暴行を受けた従業員がが被害届を出したとのことで、傷害罪の容疑で通常逮捕されています。
傷害罪で逮捕された後の流れ
逮捕されると、その後どのような手続きが待っているのでしょうか。刑事手続きは法律で厳格に定められており、段階ごとに時間制限が設けられています。
ここでは、逮捕から最終的な処分が決まるまでの流れを、時系列に沿って詳しく解説します。
逮捕による身柄拘束|48時間
逮捕されると、まず警察署の留置場に収容されます。警察は逮捕から48時間以内に事件について取り調べを行い、検察官に事件を送致するか、釈放するかを決定しなければなりません。
この48時間の間に、警察は容疑者から事情聴取を行い、供述調書を作成します。取り調べでは、事件の経緯や動機、被害者との関係などについて詳しく聞かれるでしょう。また、この時点で弁護士を呼ぶ権利(弁護人選任権)があることを告げられます。
逮捕直後は家族との面会も制限されることがあり、弁護士以外と会えないケースも少なくありません。
48時間という制限時間は非常に短く、警察は迅速に捜査を進める必要があります。逆に言えば、この段階で証拠不十分と判断されれば釈放される可能性もあるのです。ただし、傷害事件の場合、被害者の供述や診断書があれば、多くのケースで検察官に送致されます。
取り調べでは、自分に不利なことを話す必要はありません。黙秘権という権利が保障されています。ただし、黙秘を続けることで不利な印象を与える可能性もあるため、弁護士と相談しながら対応を決めることが賢明です。
検察官による勾留請求|24時間
警察から事件を受け取った検察官は、24時間以内に勾留請求をするか釈放するかを判断します。勾留請求とは、捜査のためにさらに身柄拘束を続ける必要があると裁判所に求めることです。
検察官は、警察が作成した書類や証拠を検討し、被疑者から直接事情を聴取します。この段階での取り調べも重要で、供述内容が今後の処分に大きく影響するのです。
検察官が勾留請求をする判断基準は、主に「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」の2点。また、「再犯のおそれ」も判断基準になることがあります。これらのリスクが高いと判断されれば勾留請求され、リスクが低いと判断されれば釈放されて在宅事件に切り替わります。
勾留請求された場合、裁判官が勾留を認めるかどうかを判断します。裁判官の前で簡単な審問(勾留質問)が行われ、本人の意見を聞く機会が与えられるのです。
この24時間も逮捕から起算した48時間に加算されるため、逮捕から合計72時間(3日間)が経過する時点が1つの大きな節目となります。ここで釈放されなければ、さらに長期の身柄拘束が続く可能性が高まります。
勾留決定による身柄拘束|最長20日間
裁判官が勾留を認めると、原則10日間の身柄拘束が決定します。さらに、検察官が請求し裁判官が認めれば、最長でさらに10日間延長され、合計20日間の勾留となる可能性があります。
勾留期間中は基本的に警察の留置場で過ごすことになり、外部との連絡は大きく制限されます。家族との面会は原則可能ですが、捜査への影響を考慮して制限されることも少なくありません。一方、弁護士とは立会人なしで自由に面会できます。
この期間中、検察官や警察は引き続き捜査を進め、被害者や目撃者からの聴取、証拠の収集などを行います。容疑者本人への取り調べも継続され、供述調書が何度も作成されることもあります。
勾留期間が延長されるかどうかは事件の複雑さや証拠の状況によります。傷害事件の場合、被害の程度が重大であったり、共犯者がいたりする場合は延長される可能性が高まるでしょう。
最長20日間という期間は決して短くありません。会社や学校を長期間休むことになり、職場や学校に事件が発覚する可能性も高まります。この段階で弁護士を通じて被害者との示談交渉を進めることが、早期釈放や不起訴処分を得るために極めて重要です。
検察官による終局処分(起訴・不起訴)
勾留期間の満了までに検察官は起訴するか不起訴にするかを決定します(終局処分)。この判断が、被疑者の将来を大きく左右する最も重要な分岐点です。
起訴とは検察官が裁判所に対して刑事裁判を開くよう求めること。起訴されると被告人となり、刑事裁判で有罪か無罪かが争われます。日本の刑事裁判では有罪率が非常に高く、起訴されれば高確率で有罪判決を受けると言われています。
一方、不起訴となれば刑事裁判は開かれません。不起訴になる理由は様々で、証拠不十分、犯罪の成立が認められない、被害者との示談成立、初犯で反省している、などの事情が考慮されます。不起訴になれば前科は付かず、身柄拘束されていた場合はただちに釈放されます。
検察官は起訴・不起訴を判断する際、事件の内容、証拠の程度、被害者の処罰感情、被疑者の反省の態度、示談の成否、前科の有無などを総合的に考慮します。特に被害者との示談が成立しているかどうかは、判断に大きな影響を与える要素です。
傷害事件の場合、被害の程度が軽く、被害者との示談が成立し、初犯であれば不起訴になる可能性があります。逆に、重大な傷害を負わせた場合や、過去に同様の事件を起こしている場合は起訴される可能性が高まるでしょう。
略式起訴(罰金)・刑事裁判
起訴には正式起訴(公判請求)と略式起訴の2種類があります。正式起訴は通常の刑事裁判を開く手続きで、略式起訴は簡易な手続きで罰金刑を科す方法です。
略式起訴は、比較的軽微な事件で本人が手続きに同意した場合に選択されます。書面審理のみで罰金刑が決定され、裁判所に出廷する必要はありません。罰金を納付すれば事件は終了しますが、前科が付くことに変わりはないので注意してください。
正式起訴された場合は刑事裁判が開かれます。第1回公判期日が指定され、被告人は裁判所に出廷して罪状認否を行います。その後、証拠調べや証人尋問などが行われ、最終的に裁判官が判決を言い渡します。
傷害事件の場合、初犯で被害が比較的軽微であれば、執行猶予付きの判決となることも少なくありません。執行猶予とは、一定期間罪を犯さなければ刑の執行を免除するという制度のこと。例えば「拘禁刑1年、執行猶予3年」という判決であれば、3年間何も問題を起こさなければ刑務所に行かずに済みます。
一方、被害が重大であったり、前科があったりする場合は実刑判決となり、刑務所に収容されることになります。判決に不服がある場合は、控訴することも可能です。
刑事裁判の期間は通常数ヶ月、場合によっては1年程度。その間、保釈が認められれば身柄を解放されることもありますが、保証金を納める必要があり、様々な条件が付されるのです。
傷害罪で逮捕された場合の影響
逮捕されることは、単に身柄を拘束されるだけでは終わりません。仕事、家庭、社会生活など、人生の様々な側面に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、傷害罪で逮捕された場合に起こり得る具体的な影響について見ていきましょう。
長期的な身柄拘束
逮捕されると最長で23日間(逮捕から起訴まで)もの間、身柄を拘束される可能性があります。この期間、外部との接触は大きく制限され、留置場という閉鎖的な環境で過ごさなければなりません。
身柄拘束による精神的な負担は想像以上に大きいもの。自由を奪われ、家族や友人と会えず、今後の見通しが立たない状況で過ごす日々は、強いストレスとなります。不安や焦燥感から不眠に悩まされる人も少なくありません。
肉体的にも慣れない環境での生活は負担が大きいでしょう。決められた時間に起床し、限られた空間で過ごし、プライバシーもほとんどない状態が続くため、健康状態が悪化するケースもあります。
身柄拘束の期間を少しでも短くするためには、早期に弁護士を選任し、被害者との示談交渉を進めることが最も効果的。示談が成立すれば、勾留の必要性が低下し、釈放される可能性が高まります。
会社・学校から処分を受ける可能性がある
長期間の欠勤や欠席は、必然的に会社や学校に発覚します。逮捕の事実が知られれば、懲戒解雇や退学処分を受けることになるかもしれません。
会社員の場合、就業規則に「刑事事件で起訴された場合は解雇」などの規定が設けられていることが多く見られます。逮捕されただけでは解雇事由にならないこともありますが、長期間出勤できなければ無断欠勤として扱われ、懲戒処分の対象となるでしょう。
特に公務員や教員、医療従事者など、信頼性が重視される職業では、逮捕されたことが報道されれば職を失う可能性が非常に高くなります。また、会社の名誉や信用を損なったとして、損害賠償を請求されるケースも少なくありません。
学生の場合も同様に、長期間の欠席や事件の内容によっては退学処分となる可能性があります。特に医学部や教育学部など、将来の職業に直結する学部では処分が厳しくなる傾向があります。
一度失った職や学業を取り戻すことは容易ではありません。再就職や復学には大きな困難が伴い、事件が経歴に残ることで選択肢が大きく狭まるのです。
家族への影響も深刻です。収入が途絶えれば家計に打撃を与え、子供がいる場合は教育や生活にも影響します。社会的な信用を失うことで、家族全体が孤立してしまうこともあるのです。
前科が付く可能性がある
起訴されて有罪判決を受ければ前科が付きます。前科とは過去に刑事罰を受けたという記録のことで、一生消えることはありません。前科が付くことの影響は広範囲に及びます。
まず、就職活動において大きな障害となるでしょう。多くの企業は採用時に「賞罰」の有無を確認し、前科がある場合は採用を見送ることが一般的。特に金融機関、教育機関、公務員などでは、前科があると採用されることがほぼ不可能になります。
資格取得にも影響します。医師、弁護士、教員、保育士など、多くの国家資格では欠格事由として前科が定められており、一定期間は資格を取得できません。既に資格を持っている場合でも、剥奪されることがあるのです。
海外渡航にも制限が生じる可能性があります。国によっては、入国審査で犯罪歴を申告する必要があり、前科があると入国を拒否されることもあります。ビジネスや観光で海外に行く機会がある人にとっては、大きな支障となるでしょう。
さらに、再犯をした場合は前科があることで刑が重くなります。執行猶予が付かずに実刑となる可能性も高まるのです。
前科を避けるためには不起訴処分を獲得することが唯一の方法。そのためには、被害者との示談を成立させ、深く反省していることを示し、再犯の可能性がないことを検察官に理解してもらう必要があります。弁護士のサポートを受けながら、適切に対応することが重要です。
傷害罪で逮捕されなかった場合の流れ
逮捕されずに在宅事件として扱われた場合、身柄を拘束されることなく、通常の生活を送りながら捜査に協力していくことになります。
しかし、だからといって油断は禁物。在宅事件であっても刑事手続きは着実に進行しており、適切な対応が求められます。ここでは、在宅事件における捜査の流れと、最終的な処分に至るまでのプロセスを見ていきましょう。
在宅捜査|時間制限なし
在宅捜査では身柄を拘束されていないため、時間制限が設けられていません。これは逮捕・勾留による捜査との大きな違いです。
警察は被疑者に対して、警察署への出頭を求めます。出頭要請には基本的に応じる義務がありますが、どうしても仕事などで都合がつかない場合は、日程の調整を申し出ることも可能です。ただし、正当な理由なく出頭を拒否し続けると、逃亡のおそれありと判断されて逮捕される可能性もあるので注意してください。
出頭すると、取調室で事件について詳しく聴取されます。取調べの内容は供述調書にまとめられ、後の手続きで重要な証拠となるのです。取調べは1回で終わることもあれば、複数回にわたることもあります。
在宅捜査では通常の生活を続けられるため、仕事や学校を休む必要がありません。周囲に事件のことを知られずに済む可能性も高くなります。精神的・経済的な負担も、身柄拘束される場合と比べて軽減されるでしょう。
しかし、時間制限がないということは捜査が長期化する可能性もあるということ。数ヶ月、場合によっては1年以上にわたって捜査が続くこともあり、その間はいつ処分が決まるのかわからない不安定な状態が続きます。
在宅事件であっても、被害者との示談交渉を早期に進めることが重要です。示談が成立すれば、不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。弁護士に依頼して、適切なタイミングで示談交渉を行いましょう。
検察官による終局処分(起訴・不起訴)
在宅捜査が終了すると、警察から検察庁に事件が送致されます。検察官は送られてきた書類や証拠を精査し、被疑者を呼び出して取調べを行った上で、起訴するか不起訴にするかを決定するのです。
在宅事件の場合、身柄拘束されている場合と比べて検察官による判断までの期間は長くなる傾向があります。数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。
検察官が考慮する要素は逮捕された場合と基本的に同じ。在宅事件として扱われている時点で、ある程度事情が軽いと見なされているため、適切に対応すれば不起訴処分を得られる可能性は十分にあります。
不起訴処分となれば刑事裁判は開かれず、前科も付きません。在宅事件で不起訴となるケースは決して少なくなく、特に初犯で被害者との示談が成立している場合は、不起訴率が高まります。
略式起訴(罰金)・刑事裁判
起訴される場合、在宅事件であっても基本的には逮捕された場合の事件と同様の流れで進みます。
ただ、在宅事件の場合は身柄拘束されていない状態で裁判に臨むことができます。つまり、普段通りの生活を送りながら裁判所に出廷できるということ。これは身柄拘束されている被告人と比べて大きなアドバンテージです。
在宅事件として処理された場合でも、起訴されて有罪判決を受ければ前科が付きます。この点は逮捕された場合と変わりません。だからこそ、在宅事件であっても油断せず、弁護士のサポートを受けながら不起訴処分を目指すことが重要なのです。
傷害罪で逮捕された場合に弁護士に依頼するメリット
傷害罪で逮捕された、または逮捕される可能性がある場合、弁護士に依頼することで得られるメリットは計り知れません。刑事事件の経験が豊富な弁護士は、法的知識と実務経験を活かして、あなたの権利を守り、最善の結果を目指して活動します。
ここでは、弁護士に依頼する具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。早期に専門家のサポートを受けることが、事件解決への近道です。
現在の状況や今後の事件の見通しがわかる
刑事事件の手続きは複雑で、一般の方には理解しにくい部分が多くあります。逮捕されたり、警察から呼び出しを受けたりした場合、自分が今どのような状況にあるのか、今後どうなるのか、不安で仕方ないでしょう。
弁護士に相談すれば、現在の状況を法的な観点から正確に把握できます。どの段階にあるのか、次に何が起こる可能性があるのか、最悪の場合と最善の場合のシナリオはどうなるのか。こうした見通しを知ることで、漠然とした不安が和らぎ、冷静に対応できるようになるのです。
また、事件の内容や証拠の状況を分析し、起訴される可能性がどの程度あるか、有罪になった場合の量刑はどの程度かといった予測も得られます。こうした情報は、今後の対応方針を決める上で非常に重要です。
弁護士は過去の類似事例や判例に基づいて、客観的な見立てを提供してくれます。希望的観測に頼るのではなく、現実的な見通しを持つことが、適切な判断につながるでしょう。
取調べ対応に対するアドバイスを受けられる
逮捕後や在宅事件での出頭時には、警察や検察から取調べを受けることになります。取調べでの供述は調書にまとめられ、後の手続きで重要な証拠として扱われるため、どう対応するかが事件の結果を左右します。
しかし、取調べの場では精神的に追い詰められ、冷静な判断ができなくなることも少なくありません。警察官や検察官から誘導的な質問をされたり、不利な内容の調書にサインを求められたりすることもあります。
弁護士に依頼していれば、取調べの前に具体的なアドバイスを受けられます。どのような質問が予想されるか、どう答えるべきか、どんな点に注意すべきか。事前に準備しておくことで、自分に不利な供述をしてしまうリスクを大幅に減らせるのです。
また、黙秘権をどう行使すべきかについても助言が得られます。黙秘権は憲法で保障された権利ですが、適切に使わなければ逆効果になることもあります。事件の内容や状況に応じて、弁護士が最適な対応方法を教えてくれるでしょう。
取調べ後に調書の内容を確認し、事実と異なる記載があれば訂正を求めることも重要です。自分に不利な調書を作られないことは、不起訴処分や執行猶予付き判決を得るために極めて重要なポイント。弁護士のサポートがあれば、こうした細かい点にも適切に対処できます。
弁護士として被害者と示談交渉してもらえる
傷害事件において、被害者との示談は事件解決の鍵を握っています。示談が成立すれば不起訴処分や執行猶予付き判決を得られる可能性が大きく高まるのです。
しかし、加害者本人やその家族が直接被害者と交渉することは容易ではありません。被害者は加害者に対して強い怒りや恐怖を感じており、まともに話し合いに応じてくれないことがほとんどでしょう。場合によっては、接触すること自体が新たなトラブルを引き起こす危険もあります。
弁護士に依頼すれば、被害者との交渉を任せられます。弁護士は第三者の立場から冷静に話を進めることができ、被害者も感情的にならずに対応しやすくなるのです。
示談交渉では、適切な示談金の額を提示し、謝罪の意思を伝え、被害者の納得を得られるよう丁寧に説明します。示談書の作成も弁護士が行うため、法的に有効な内容になり、後々のトラブルも防げるでしょう。
示談成立後は検察官や裁判所に対して示談書を提出し、処罰を軽減してもらうよう働きかけます。特に不起訴処分を目指す場合、示談の成否が決定的な要素となることは少なくありません。
被害者との示談交渉は、時間が経つほど難しくなります。できるだけ早期に弁護士に依頼し、交渉を開始することが成功の秘訣です。
逮捕直後から早期釈放に向けた活動ができる
逮捕されると、48時間以内に検察官に送致され、さらに24時間以内に勾留請求が行われるかどうかが決まります。つまり、逮捕後72時間が最初の重要な節目ということになります。
この72時間の間に適切な対応を取れるかどうかが、勾留されるか釈放されるかを左右するポイント。勾留されれば最長20日間の身柄拘束が続く可能性があるため、この初期段階での対応が極めて重要なのです。
弁護士に依頼すれば、逮捕直後から活動を開始できます。まず、本人と接見(面会)して状況を確認し、取調べ対応についてアドバイスします。立会人なしで接見ができるのは弁護士だけです。
次に、検察官や裁判官に対して意見書を提出し、勾留の必要性がないことを主張します。万が一勾留されてしまった場合でも、勾留決定に対する準抗告という手続きを通じて、勾留の取り消しを求めることも可能。また、勾留の延長を阻止するための活動も継続します。
早期釈放は、仕事や学校への影響を最小限に抑えて社会生活への復帰を容易にするために非常に重要です。逮捕されたら、できるだけ早く弁護士に連絡を取りましょう。
不起訴処分による前科回避を目指せる
刑事事件において最も望ましい結果は、不起訴処分を獲得して前科を回避することです。
弁護士は不起訴処分を目指して様々な活動を行います。まず、被害者との示談交渉を最優先で進めます。示談が成立し、被害者が加害者の処罰を望まない意思を示せば、不起訴処分の可能性が大きく高まるでしょう。
次に、本人の反省の態度を示すための活動を行います。反省文の作成、被害弁償の実施、再発防止策の提示などを通じて、検察官に対して処罰の必要性が低いことをアピールします。
また、事件の経緯や背景事情を詳しく説明する意見書を作成して検察官に提出することも重要な弁護活動の一つ。犯行に至った事情、本人の生活状況、家族の監督体制などを具体的に示すことで、情状酌量を求めます。
前科を回避できれば、事件後の社会復帰がスムーズになります。しかし、弁護士のサポートなしに不起訴処分を獲得することは容易ではありません。専門家の力を借りて、最善の結果を目指しましょう。
【事務所紹介】傷害事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
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当事務所は刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を扱う実績豊富な弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、丁寧に対応致します。
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【解決実績】実際に依頼を受けた傷害事件
ここでは実際に事務所が依頼を受けた傷害事件で、どのような弁護活動を行ったか紹介します。
事例①:従業員に対する傷害事件で示談成立+不起訴処分を獲得
バーで会計をする際に従業員と金額面で揉め、態度が気に入らなかったことを理由に従業員の脚を蹴ったり頭を殴ったりしたというケースです。店側が警察に通報して警察官が現場に駆け付け、傷害罪の容疑で現行犯逮捕されました。
逮捕後すぐにご家族から依頼を受け、被害者である従業員の方との示談交渉を進めました。治療費の支払いやバーを出入り禁止とする誓約を付けることで、無事に示談を成立することに成功しています。
その後、示談が成立した旨を検察官に報告し、結果として不起訴処分を獲得することができました。
事例②:勾留阻止による早期釈放を実現
同居していた相手と口喧嘩になり、エスカレートして相手の顔を殴ってしまったというケースです。警察に通報され、傷害罪の現行犯で逮捕されました。
逮捕されたことを知ったご家族から依頼を受けた後、早期釈放を目指し、逮捕が長引くと困る理由や家族が監督して逃亡も証拠隠滅もさせない内容で意見書を作成し、検察に提出しました。
結果、検察官は裁判所に勾留請求しないことを決めたため、勾留されることなく早期釈放を実現することに成功しています。
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傷害罪で逮捕された、または逮捕される可能性がある状況では、一刻も早く弁護士に相談することが何より重要です。
刑事事件は時間との戦い。逮捕後72時間以内の対応が早期釈放を左右し、被害者との示談交渉も早ければ早いほど成功率が高まります。「様子を見よう」「まだ大丈夫だろう」と先延ばしにすることは、選択肢を狭め、結果を悪化させるだけなのです。
弁護士に依頼すれば、法的な専門知識と豊富な経験に基づいて、あなたの権利を守り、最善の結果を目指して活動してくれます。現在の状況を正確に把握し、今後の見通しを示し、具体的な対応策を提案してくれるでしょう。
取調べへの対応、被害者との示談交渉、早期釈放に向けた活動、不起訴処分の獲得など、これらすべてにおいて弁護士の存在は不可欠です。一人で抱え込んでも解決しません。専門家の力を借りることが、あなた自身とあなたの家族を守ることにつながるのです。
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傷害事件は、適切に対応すれば不起訴処分を得られる可能性もあります。前科を回避し、通常の生活に戻るために、今すぐ行動を起こしましょう。弁護士への相談が、新しい一歩となるはずです。