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少年のカツアゲ事件で逮捕
少年のカツアゲ事件で逮捕
少年の起こしたカツアゲ事件で逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪市北区に住んでいる18歳のAさんは、友人らと一緒になって通行人にいちゃもんをつけては脅し、金品を巻き上げるといういわゆるカツアゲを行い、被害者から金品を巻き上げていました。
カツアゲの被害を訴える被害者が多くいたことから、大阪府大淀警察署は捜査を開始し、その結果、Aさんらが恐喝罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの家族は、身内が警察に逮捕されるなど初めてのことであったため、何をしてよいのかわからず困ってしまいました。
そこでAさんの家族は、まずは何をすべきなのか、どういったことが必要なのか聞いてみようと、刑事事件や少年事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・カツアゲ行為は恐喝罪になる
いわゆるカツアゲは、人を脅して金品を巻き上げる行為を指します。
このカツアゲ行為は、多くの場合、Aさんの逮捕容疑でもある刑法の恐喝罪に該当します。
刑法第249条第1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
恐喝罪の条文では、「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」(1項)、「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする」(2項)とされており、1項に定められているものを財産恐喝罪、2項に定められているものを利益恐喝罪又は2項恐喝罪と呼んだりもします。
そして、恐喝罪のいう「人を恐喝して」とは、暴行や脅迫を用いて財物の交付を要求することを指します。
この際、用いられる暴行や脅迫は相手を畏怖させる程度のものであり、かつ、相手の反抗を押さえつけない程度のものであることが求められます。
もしも暴行や脅迫が相手の反抗を抑圧するほど強いものであった場合、成立する犯罪は恐喝罪ではなく強盗罪になる可能性が出てきます。
例えば、ナイフなどの刃物を突き付けて脅したような場合には、相手としては抵抗することができなくなるでしょう。
そうなると、暴行又は脅迫の程度が強く、相手の反抗を抑圧する程度であった=恐喝罪ではなく強盗罪であると判断される可能性があるのです。
上記の事例のAさんはカツアゲをしていますが、その方法としていちゃもんをつけて相手を脅すというものです。
事例からは詳細な内容は分かりませんが、先ほど例に挙げたような凶器を使って脅すなどの相手の抵抗を押さえつけるほどの強さには至らない暴行や脅迫を用いていたのであれば、Aさんのカツアゲは刑法第249条第1項の恐喝罪にあたると考えられます。
恐喝罪は、上記の法定刑からも分かるように、罰金刑のみの規定はありません。
そのため、恐喝罪で起訴され、執行猶予のつかない有罪判決が下れば、そのまま刑務所へ行くことになります。
カツアゲというと、いわゆる不良が悪さをしただけ、というようなイメージの方もいるかもしれませんが、これだけ重い犯罪なのです。
しかし、今回のAさんは未成年であるため、基本的に刑罰を受けることはありません。
少年事件の場合、原則として家庭裁判所で下される終局処分は保護処分と呼ばれ、少年の更生のための処分となります。
ですが、恐喝罪のような重い犯罪を起こしてしまっている場合、環境に何らかの深い問題があると判断され、少年院送致などの施設送致処分となったり、刑事処分が相当と判断され、いわゆる「逆送」がなされて刑事事件となることも考えられます。
社会内での更生を目指すためにも、早急に更生のための環境調整を行っていく必要があります。
少年事件では、この更生のための環境調整が非常に重要な活動です。
逮捕されてから家庭裁判所に送致されるまでの捜査段階から、家庭裁判所での調査・審判を見据えて環境調整の下準備をしていかなければなりません。
だからこそ、少年事件で逮捕されてしまったら、早い段階から少年事件に対応できる弁護士のサポートを受けることがおすすめされるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件も専門的に取り扱う弁護士が依頼者様をフルサポートいたします。
まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。
昏酔強盗事件で逮捕・強盗事件における弁護活動
昏酔強盗事件で逮捕・強盗事件における弁護活動
昏酔強盗事件で逮捕された事例を題材に、強盗事件の類型やその弁護活動などについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例
Aは、千葉市若葉区内で、Vと飲食を共にしていたが、Vを眠らせた隙にVの財布を盗もうと考え、Vの飲み物の中に睡眠薬を混入した。
Aが薬を混入した飲み物を飲んだ後、Vは昏睡状態に陥ったため、AはVの財布を盗みだした。
財布を盗まれたことに気づいたVから相談を受けた千葉県千葉東警察署が捜査を開始し、千葉県千葉東警察署の警察官は、Aを昏酔強盗罪の疑いで逮捕した。
Aの家族は、暴力事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実をもとにしたフィクションです)
~強盗罪のバリエーション~
本件でAは、Vの財布を盗んだことで昏酔強盗罪の容疑で逮捕されています。
昏酔強盗罪(刑法239条)とは、一般にはあまり耳慣れない犯罪かもしれません。
もっとも刑法典には、昏酔強盗罪以外にも強盗に関する様々なバリエーションの犯罪類型が規定されているのです。
そこで、本稿では、刑法236条以下に規定されている強盗罪の多様な犯罪類型について概観してみることにします。
まず、暴行や脅迫行為によって財物を強奪する典型的な強盗罪が、刑法236条1項に規定されています。
これは刑法235条の窃盗罪を、暴行又は脅迫を手段として犯した場合として理解できます。
もっとも、刑法236条は2項において、窃盗罪が処罰対象としていない「財産上の利益」についても処罰対象としています。
したがって、利益窃盗は不可罰とされているため処罰されませんが、これを暴行・脅迫行為を手段として犯した場合には刑法236条2項にある強盗(いわゆる2項強盗)として処罰の対象となりうるのです。
さらに、刑法238条では、やや変わった規定として事後強盗罪が定められています。
これは、基本類型である、いわゆる1項強盗における暴行・脅迫行為と財物奪取行為の時系列が逆になったものです。
つまり、窃盗罪を犯したあとに、物を取り返されるのを防いだり逮捕を逃れたりするためなどに暴行・脅迫行為をした場合にも、1項強盗と同視し強盗罪として処罰されることになります。
そして、本件で問題となっているのが、刑法239条が規定する昏酔強盗罪です。
昏酔強盗罪は、財物を盗む行為が暴行・脅迫行為を手段に行われなくても、「人を昏酔させる」ことによって物を盗んだ場合には、1項強盗と同様の可罰性があるとし強盗罪として処罰を可能とした規定です。
また、ここまで見てきた様々な強盗罪に伴って被害者等を死傷させた場合には、強盗致死傷罪として240条によって「無期又は6年以上の懲役」または「死刑又は無期懲役」と極めて重い罪が問われることになります。
なお、本件のような事例で注意すべきなのは、仮にVが睡眠薬によって眠らなかったとしても、昏酔強盗罪の実行の着手(刑法43条本文)が認められることです。
したがって、Vが眠らなかったためAがVの財布(やその他の財物)に触れることすらできなかったとしても、昏酔強盗未遂罪(刑法239条・243条)が成立することになるのです。
~強盗事件における弁護活動~
多くの場合は不起訴や略式罰金が見込まれる窃盗事件と異なり、強盗事件では重い刑事処分が問われることも覚悟しなければなりません。
もっとも初犯であり示談が成立している等の事情によっては、強盗事件でも不起訴になる可能性があります。
したがって、強盗事件においても起訴前の活動が極めて重要であることに変わりはなく、逮捕段階から先を見越した弁護活動を行っていくことが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強盗を含む暴力事件などの刑事事件を専門とする法律事務所です。
私選の弁護士であれば、逮捕直後の早い段階から弁護活動を行っていくことが可能です。
昏酔強盗事件で逮捕された方のご家族は、フリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。
少年の公務執行妨害事件で逮捕
少年の公務執行妨害事件で逮捕
少年の公務執行妨害事件で逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
埼玉県春日部市に住んでいるAさんは、近所の高校に通う17歳です。
ある日、Aさんは下校中に他校の生徒であるVさん(17歳)と口論になり、言い争った末に胸倉をつかむなどの激しい喧嘩になりました。
通行人がその様子を見て埼玉県春日部警察署に通報し、埼玉県春日部警察署の警察官が駆け付けたのですが、Aさんは喧嘩をとめようとする警察官らに対して突き飛ばしたり蹴りを入れたりといった暴行をふるって暴れました。
その結果、Aさんは公務執行妨害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、埼玉県春日部警察署から逮捕の連絡を聞き、すぐに少年事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・公務執行妨害罪と逮捕
皆さんがご存知の通り、公務員の職務中に暴行をすれば、公務執行妨害罪が成立します。
刑法第95条第1項
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
上記の事例で当てはめてみると、Aさんは、警察官(=公務員)に対して、突き飛ばしたり蹴ったりして=暴行を加えた)います。
そして、その警察官は通報を受けて駆け付けていることから、警察官としての職務中(=職務を執行するに当たり)であることがわかります。
こうしたことから、今回のAさんには公務執行妨害罪が成立すると考えられます。
今回のAさんのような警察官に対する公務執行妨害事件では、その場で現行犯逮捕されてしまうケースが多く見られます。
暴行や脅迫を受けた警察官が当事者として現場に臨場し、公務執行妨害罪の犯行を現認している状況であることが多いためです。
公務執行妨害事件で逮捕されてしまったら、後述のように早期の段階で弁護士に相談することが望ましいでしょう。
・少年の逮捕
警察官に対する公務執行妨害事件では現行犯逮捕が多いということに触れましたが、上記の事例でもAさんが現行犯逮捕されてしまっています。
少年事件で逮捕というと、「子どもなのに逮捕されるのか」と驚かれる方もいらっしゃいますが、たとえ少年であっても逮捕されることはあります。
そして、逮捕されれば少年であっても警察署の留置場で1人で過ごし、取調べに対応していくことになります。
未成年という多感な時期に慣れない場所で1人取調べ等に対応していくことは、少年にとって大きな負担になってしまうおそれがあります。
だからこそ、少年事件で逮捕されてしまったら、早期に弁護士に相談・依頼することがおすすめです。
まず、弁護士は逮捕された少年本人のもとへ接見(面会)に行くことになるでしょう。
弁護士であれば、接見の際に少年本人に現状やこれからの手続き、逮捕された被疑者が持っている権利を詳しく説明することができます。
げ尿や今後の見通し、自分の持っている権利を把握するだけでも不安の解消につながりますし、無理な自白や誘導のリスクを減らすことにも期待できます。
さらに、弁護士は家族からの伝言を伝えることもできます。
逮捕されてしまっては、当然自分で家族と連絡を取ることもできませんから、家族の意向や伝言を聞くことは逮捕されてしまった少年の大きな支えになります。
そして、弁護士の活動としては釈放を求める活動も主要な活動の1つとなってくるでしょう。
逮捕された被疑者は、逮捕から48時間以内に送検され、送検から24時間以内に勾留請求されるかどうかが決められます。
勾留とは、逮捕に引き続く身体拘束で、延長を含めて最大20日間続きます。
逮捕直後から弁護士に弁護活動を依頼することで、この勾留をせずに釈放してもらえるよう働きかけをすることができるのです。
もちろん、勾留が付いてしまった後でも、勾留に対する不服申し立てをしたり、勾留場所を留置所ではなく鑑別所に移してもらうよう求めたりすることもできますから、まずは弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件の逮捕にも公務執行妨害罪のご相談にも迅速に対応しています。
公務執行妨害事件で逮捕されてお困りの方、少年事件でお悩みの方は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
外国人観光客でも逮捕される?
外国人観光客でも逮捕される?
外国人観光客でも逮捕されてしまうのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
X国から横浜市泉区に観光にやってきていたAさんは、横浜市泉区内にある居酒屋で食事をしていました。
しばらく食事をしていたVさんでしたが、隣の席に座ったVさんとトラブルになり、ヒートアップしてVさんを殴ってしまいました。
幸いVさんはけがを負うようなことはなかったのですが、Aさんは、店内にいた客が通報したことによって駆け付けた神奈川県泉警察署の警察官に、暴行罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、日本の刑事事件の手続きが全く分からず、自分がどうして逮捕されてしまいこれからどういった処分を受けるのか不安です。
Aさんの友人のBさんは、Aさんが逮捕されてしまったことを知り、刑事事件に強い弁護士をAさんのもとに派遣することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・外国人観光客も逮捕される?
皆さんもご存知のように、犯罪をすればその態様など事件の事情によっては逮捕される可能性があります。
それは、日本に住んでいる日本人であろうと、Aさんのような外国人観光客であろうと変わりません。
「旅行に来ている外国人観光客だから逮捕されない」「日本に長期滞在するわけではないので大事にはならない」ということはありません。
Aさんのような暴行事件などの刑事事件を起こし、逮捕するべき事情があると判断されれば、たとえ外国人観光客であっても日本人同様逮捕されてしまうのです。
しかし、Aさんのような外国人観光客が逮捕されてしまった場合、本人やその周囲の負担は非常に大きくなることが予想されます。
見知らぬ国で留置場に1人でいなければならないですし、さらに日本の刑事事件の手続きや被疑者の権利、制度や見通しにも明るくないことが予想されます。
さらに、自分の家族や友人にも自由に連絡を取ることができない状況です。
日本語が分からずに心細い思いをすることもあるでしょう。
そんな中、取調べに対応することは被疑者本人にとって非常に負担になってしまうと考えられるのです。
そんな時こそ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士の初回接見サービスをご利用ください。
刑事事件を専門に取り扱う弊所では、外国人事件も取り扱っております。
刑事事件に対応した通訳人を手配するなどして、弁護士が分かりやすく日本の刑事事件の流れや被疑者の権利について説明します。
刑事事件の流れや被疑者の持つ権利を分かったうえで取調べなどに対応することができれば、右も左も分からずに刑事事件に対応していくよりも格段に安心感を持って刑事事件に臨んでいくことができるでしょう。
これは日本人であろうと外国人観光客であろうと同じことです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、不慣れな環境でのストレスや不安を少しでも軽減できるよう、弁護士が全力でサポートします。
外国人観光客の刑事事件、暴行事件の逮捕などにお困りの際は、遠慮なく弊所弁護士までご相談下さい。
お問い合わせはフリーダイヤル0120-631-881で24時間365日いつでも受け付けています。
複数人での強制性交等事件(旧集団強姦事件)
複数人での強制性交等事件(旧集団強姦事件)
複数人での強制性交等事件(旧集団強姦事件)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
東京都八王子市に住む男子大学生Aさんは、友人のBさんやCさん、同級生である女子大生Vさんと一緒に自宅で飲み会をしていました。
Aさんは、以前からVさんに好意を寄せていたこともあり、Vさんが席を立った際にBさんやCさんにそのことを相談しました。
すると、BさんやCさんが「今なら手を出せる」と言ってきたことから、AさんはBさんらと一緒になって嫌がるVさんを押さえつけ、無理矢理性交をしました。
Aさん宅を出たVさんがすぐに警視庁八王子警察署に通報したことから捜査が開始され、Aさんらは強制性交等事件の被疑者として逮捕されることとなりました。
Aさんが逮捕されたと聞いて驚いたAさんの両親は、すぐに接見対応を受け付けている弁護士事務所に相談し、弁護士を逮捕されているAさんの元へ派遣することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・複数人での強制性交等事件(旧集団強姦事件)
今回のAさんは、複数人でVさんに無理矢理性交するという強制性交等事件を起こして逮捕されています。
刑法改正前は、複数人で被害者に無理矢理性交した場合には「集団強姦罪」という犯罪が成立していました。
旧刑法第178条の2
2人以上の者が現場において共同して第177条又は前条第2項の罪を犯したときは、4年以上の有期懲役に処する。
旧刑法では、単独で無理矢理性交をした場合に成立する強姦罪が3年以上の懲役に科せられることになっていて、集団強姦罪ではそれよりも重く、刑罰の下限が引き上げられている形で刑罰が定められていました。
これは、集団で強姦するということが単独犯よりもより悪質であると考えられていたことによります。
対して、改正後の刑法では、集団強姦罪という犯罪は削除され、さらに強制性交等罪を集団で行うことによる「集団強制性交等罪」といった犯罪は存在しません。
では、集団で強制性交等をした場合には罰せられなかったり、集団という事情を考慮されなかったりするのかというと、そうではありません。
強制性交等罪の条文を確認してみましょう。
刑法第177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
刑法が改正されて新設された強制性交等罪は、旧強姦罪や旧集団強姦罪よりもさらに刑罰が重くなっており、最低でも5年の懲役に処せられることになっています。
つまり、単独で強制性交等をした場合であっても旧集団強姦罪よりも重い刑罰となることから、旧集団強姦罪の規定は不要となったということなのです。
前述のように「集団強制性交等罪」という特別の規定があるわけではありませんが、集団で強制性交等をした場合には、その事情が考慮されて5年以上の有期懲役という範囲の中で刑罰が決められるということになるのです。
複数人で強制性交等をするということは、先ほど旧集団強姦罪でも触れた通り、単独犯よりも悪質性が高いと判断されやすいと考えられます。
複数人での強制性交等事件でも、単独犯の強制性交等事件と同様、まずは被害者の方への謝罪や弁償を伴う示談交渉をしていくことが代表的な弁護活動の1つとして挙げられるでしょう。
しかし、今回のAさんのように本人が逮捕されている場合にはなかなか謝罪の取次ができないことが考えられますし、そうでなくても強制性交等事件の被害者としては、被疑者に対して怒りや恐怖を抱いていることが多いでしょう。
当事者同士での示談交渉はさらに溝を深めてしまうリスクもありますし、そもそも謝罪の場すら設けられないことも考えられます。
だからこそ、まずは弁護士に相談・依頼し、間に入ってもらうことで示談交渉を開始できる可能性を上げることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、複数人での強制性交等事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお気軽に、0120-631-881までお問い合わせください。
暴行罪で早期処分・早期釈放を求める
暴行罪で早期処分・早期釈放を求める
暴行罪で早期処分・早期釈放を求める弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、東京都千代田区の路上で通行人のVさんとすれ違った際、肩が当たったことからVさんに「何をするんだ!」「謝れよ!」などと言って、Vさんの胸ぐらをつかみ、顔面や腹部を殴る、蹴るの暴行を加えました。
Aさんは周囲の人から制止され、通報で駆け付けた警視庁麹町警察署の警察官に暴行罪の現行犯で逮捕、勾留されました。
Aさんは、自分に全面的に非があったことを認めており、Vさんに謝罪し被害弁償したいと考えています。
また、可能であれば示談を成立させ、早く釈放されることを望んでいます。
Aさんは接見に来た弁護士に自分の意向を伝えました。
弁護士は、Aさんが事実関係を認め、Aさんに前科前歴もなかったことから、刑事処分としては略式起訴となる可能性が高いを踏みました。
そこで、弁護士は、Aさんの早期釈放のため勾留の裁判に対する準抗告を申し立てましたが棄却されたため、検察官に早期処分(略式起訴)と早期釈放を求めました。
(フィクションです)
~暴行罪~
暴行罪の規定は以下のとおりです。
刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
暴行罪の「暴行」とは,人の身体に向けられた不法な有形力の行使をいうとされています。
もっとも典型なのが
殴る,蹴る,突く,押す,投げ飛ばすなど
直接人の身体に触れる行為が挙げられます。
もっとも,暴行罪の「暴行」は直接人の身体に触れる行為に限らず,
・着衣を強く引っ張る行為
・胸ぐらをつかむ行為
・人に向かって石やガラスコップを投げる行為,棒を振りかざす行為
・毛髪等を切断する行為
・室内で太鼓等を連打する行為
・耳元で拡声器を通じて大声で怒鳴りつける行為
・狭い室内で日本刀を振り回す行為
など、直接人の身体に触れない行為も「暴行」とされることがあります。
~早期処分が早期釈放に繋がる?~
勾留後の釈放手段としては、勾留裁判に対する準抗告の申し立てと勾留取消し請求があります。
前者は裁判官の勾留の裁判が誤っていたことを理由するもの、後者は勾留後に勾留を継続する理由、必要性がなくなったことを理由とするものです。
もちろん、これらの手段を駆使して早期釈放を目指すことも必要ですが、必ずしも申し立てや請求が認められるわけではありません。
そこで、これらの手段と同時並行して、刑事処分を決める検察官に早期処分を促すことも考えられます。
検察官に早期処分を促すことは、一見、Aさんにとって不利なようにもみえます。
しかし、Aさんは自分に非があったことを認めており、Aさんに前科前歴もない(初犯)であることから略式起訴が見込まれています。
略式起訴となれば、暴行罪では最高でも罰金30万円までしか科されませんし、裁判所から略式命令を受けた時点で釈放となります。
そこで、弁護士は、検察官に早期処分と早期釈放を関連付けて求めているのです。
どういった処分を求めていくべきなのか、どういった活動が適切なのかは、起こしてしまった事件の内容や被疑者やその家族の事情など、刑事事件それぞれによって異なります。
判断には刑事事件の専門知識や経験が必要不可欠ですから、まずは弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
ご家族が暴行罪などの刑事事件で逮捕されお困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。
土日・祝日を問わず、専門のスタッフが24時間、無料法律相談、初回接見のご予約を承っております。
過失致死事件で逮捕
過失致死事件で逮捕
過失致死事件で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
福岡市中央区に住んでいるAさんは、自転車を運転している最中、わき見運転をしてしまったことによって歩行者Vさんと衝突してしまいました。
Vさんは衝突した衝撃で転倒し、頭を強く打ってしまいました。
Aさんは急いで救急車を呼びましたが、Vさんはその頭の怪我が原因で、搬送先の病院で亡くなってしまいました。
Aさんは福岡県中央警察署で、過失致死事件の被疑者として逮捕され、取り調べられることになりました。
Aさんの家族は、まさか家族が刑事事件の当事者になるとは思っていなかったため、Aさんの逮捕に大きく動揺しています。
そこでAさんの家族は、逮捕にすぐに対応してくれる弁護士をインターネットで探すと、弁護士に接見を依頼することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・過失致死罪
今回のAさんは自転車事故を起こし、その結果Vさんを死なせてしまっています。
自動車での人身事故の場合には、通称「自動車運転処罰法」という法律に定められている、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪で処罰されることになります。
しかし、自転車事故の場合には「自動車」に対する法律では対応することができませんから、この「自動車運転処罰法」ではなく、態様によって今回のAさんの逮捕容疑でもある過失致死罪などに問われることになります。
刑法210条(過失致死罪)
過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。
過失致死罪は、簡単に言うと「過失」=不注意によって人を死なせてしまった場合に成立する犯罪です。
例えば、今回のAさんのような自転車事故を考えてみましょう。
Aさんは、わき見運転をしたことでVさんとの事故を起こしてしまっています。
自転車を運転する場合には、当然周囲に注意を配りながら運転することが求められていると考えられます。
ですから、わき見運転をするということはそのすべき注意をせずに運転してしまっていることであるといえます。
そのため、わき見運転はすべき注意をしなかった=「過失」であると考えられます。
Aさんの場合、このわき見運転という「過失」によって事故を起こしVさんを死なせてしまっていることから、「過失により人を死亡させた」といえ、過失致死罪に問われているのでしょう。
なお、過失がより重いと判断された場合には、過失致死罪よりさらに重い、重過失致死罪に問われることにも注意が必要です。
刑法第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
自転車事故の場合、スマホのながら運転などが重過失致死罪となった事例もあるようです。
今回のAさんにそういった事情がある場合、捜査中に容疑がかかった罪名が切り替わる可能性も視野に入れながら弁護活動を進めることになるでしょう。
・過失致死事件の弁護活動
過失で人に怪我をさせてしまった場合に成立する過失致傷罪は告訴がなければ起訴することのできない親告罪である(刑法第209条第1項・第2項)のに対して、過失致死罪は親告罪ではありません。
ですから、過失致死事件では告訴の有無にかかわらず刑事事件化し処罰を受ける可能性があるということになります。
そのため、親告罪のように起訴前に示談をすれば不起訴になると決まるわけではありませんが、当然、過失致死事件では被害者・遺族の方がいらっしゃいますから、謝罪や被害弁償をすることが中心的な弁護活動の1つとなるでしょう。
今回のAさんのように、被害者が知人というわけではない場合には、謝罪のために連絡を取ることも困難であることが多いです。
捜査機関もなかなか当事者同士で連絡を取ることに積極的ではないことが多いため、第三者であり専門家でもある弁護士が間に入ることによって、お互いが安心して交渉を行う手助けとなります。
弁護士が間に入って謝罪・被害弁償についての交渉や示談交渉を行うことで、両者にとって適切な示談を目指すことができます。
その他、再び同じことが起こらないよう、被疑者自身やその家族で具体的な対策を立て、それを証拠化していくことも重要な弁護活動となることが考えられます。
こうした弁護活動は迅速かつ丁寧に行わなければなりません。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕から迅速に活動を開始できるよう、24時間お問い合わせを受け付けています。
過失致死事件などの刑事事件の逮捕にお困りの際は、まずは遠慮なくお問い合わせください。
酒に酔っての暴行事件で逮捕
酒に酔っての暴行事件で逮捕
酒に酔っての暴行事件で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
神戸市東灘区の会社に勤務しているAさんは、終業後、飲食店で飲酒をして帰路につきました。
すると、通行人のVさんとすれ違った際に肩がぶつかってしまいました。
Aさんは酒に酔っていたことで気が大きくなっており、Vさんがわざと肩をぶつけてきたのだと因縁をつけ、Vさんの胸倉をつかんだり突き飛ばしたりしました。
それを見ていた別の通行人が兵庫県東灘警察署に通報したことから、兵庫県東灘警察署の警察官が現場に駆け付けましたが、Aさんは「何の用だ。俺は何も悪いことをしていないぞ」などと言って逃げようとしたことから、Aさんは暴行罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、酔いがさめてから事の重大さに気づき、今後自分がどのようになってしまうのか不安に襲われました。
そこでAさんは、逮捕の知らせを受けて家族が接見を依頼した弁護士に、今後の流れや見通し、対応の仕方について詳しく相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・暴行罪・傷害罪
人に暴力をふるってしまえば、刑法の暴行罪や傷害罪に問われることになります。
刑法第204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法第208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
条文にあるように、暴行罪と傷害罪は、人に暴力をふるって怪我をさせてしまえば傷害罪に、怪我をさせるに至らなければ暴行罪になるという関係にあります。
わざと暴力をふるった時点で暴行罪の故意(暴行罪を犯す意思や認識)があることは分かりやすいですが、その暴行で相手が怪我をしてしまえば、たとえ「相手に怪我をさせよう」という認識がなくとも傷害罪が成立することになります。
すなわち、傷害罪の成立には、暴行罪の故意があれば十分なのです。
こういった関係にある犯罪を「結果的加重犯」と呼び、今回の暴行罪・傷害罪でいえば、傷害罪は暴行罪の結果的加重犯であるということになります。
暴行事件で注意しなければいけないのは、逮捕されたり任意同行を受けたりした時点では被害者が怪我をしているかどうかが分かっていない場合があり、そうしたケースでは、後から容疑が暴行罪から傷害罪に切り替わる可能性もあるということです。
捜査が進んだことで診断書などが提出され、罪状が変わるということもあり得るのです。
・酒を飲んで刑事事件を起こし逮捕されてしまったら
酔っ払いのちょっとした喧嘩程度で大事にはならない、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、こうした暴行事件や傷害事件で逮捕されてしまう可能性は十分あります。
今回の事例のAさんのように、事件当時酒に酔って暴れていたり逃げようとしたり、受け答えがはっきりしなかったりといったことがあれば、逮捕されてしまう可能性が出てくるでしょう。
また、酒に酔った末に暴行事件を起こしたようなケースで酒に酔って記憶がない、記憶が曖昧であるという場合には、記憶がはっきりしないことから被疑事実を認めることができないため、容疑を否認している=逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕されてしまうことも考えられます。
こうした酒に酔って突発的に暴力事件を起こしてしまい逮捕されてしまったケースでは、勾留されずに釈放されることもそのまま勾留がついて身体拘束が続く場合もどちらも考えられます。
被疑者の酔いがさめてきちんと対応ができるようになったり、被害の程度が軽く悪質性が低いと判断されたりすれば、逮捕されていたとしてもすぐ釈放になることも考えられます。
対して、被疑者の記憶がはっきりしないなどの理由から被疑事実を否認し続けているケースや、被害の程度が重く悪質性が高いと判断されたケースでは、逮捕に引き続いて勾留されることも考えられるのです。
では、釈放される可能性もあるのだから放っておいてよいのかというとそうではありません。
たとえ釈放されたとしてもその事件自体が終了したわけではなく、当然事件の捜査は続いていくことになります。
起訴・不起訴の判断をされるときや起訴後にどういった刑罰が適切か判断されるときには、取調べで被疑者が話した内容が証拠として使われる可能性があります。
そのため、その後の刑事事件の流れを考えれば少しでも早く専門家である弁護士からアドバイスをもらって取調べ対応のアドバイスや手続き・流れの把握をしておくことが重要となるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、酒に酔って刑事事件を起こしてしまったケースや逮捕にお困りのケースでも刑事事件専門の弁護士が迅速に対応いたします。
0120-631-881では、ご相談者様の状況に合わせたサービスをご案内していますので、まずはお気軽にご連絡ください。
傷害事件で初回接見
傷害事件で初回接見
傷害事件で初回接見をするケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、大阪府堺市にある駅の構内で、肩がぶつかったVさんと激しい口論となり、かっとなってVさんを思い切り殴り、Vさんに大けがを負わせてしまいました。
通報を受けて現場に駆け付けた大阪府堺警察署の警察官は、Aさんを傷害罪の容疑で逮捕しました。
Aさんの逮捕の知らせを聞いたAさんの家族は、どうにかAさんに会えないかと大阪府堺警察署に行きました。
しかし、警察官から「逮捕後の48時間は面会できない」と聞き、困ったAさんの家族は、暴力事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・逮捕された直後の接見は重要?
今回の事例でAさんの家族が警察官から言われているとおり、逮捕されてしまったら、逮捕されてから48時間はたとえご家族であったとしても、被疑者本人に会うことはかないません。
一般の方の面会が許されるのは、原則として、逮捕から引き続く身体拘束である「勾留」が付いた場合で、さらに接見等が禁止されていない場合に限られます。
ですから、ご家族が逮捕の知らせを受けてもそこから被疑者本人の状態や事件の事情を把握できるまでには時間を要することになってしまうのです。
しかし、弁護士にはそのような制限なしに被疑者と接見できる権利(接見交通権)があります。
接見交通権は、被疑者・被告人の防御のために重要な権利であるとされており、例えば逮捕直後や夜間、土日祝日など、ご家族が被疑者本人と会えない時間であっても、弁護士であれば接見を行うことができます。
逮捕直後から迅速に初回接見を行うことには、とても大きな意味があります。
例えば、どうして被疑者として逮捕されてしまったのか、どのようなことをしてしまったのか、という事件に関する事情や被疑者の言い分を弁護士を通じて確認することもできます。
さらに、ご家族からの伝言を弁護士が被疑者本人へいち早く伝えることもできます。
そして、取調べが行われる前に弁護士との接見を行うことができれば、弁護士が直接取調べに対する助言をすることができます。
取調べに際して、やってもいないことをやったと言ってしまったり、被疑者自身が不本意な自白をしてしまったりすることのないよう、被疑者自身の主張を確認するとともに、手続きの流れや被疑者の権利について専門家の弁護士から説明を聞いておくことは、刑事事件で適切な処分を求めるにあたって有効であるといえるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕直後からでも弁護士と接見ができる初回接見サービスをご用意しています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスとは、弁護士が1回限りの接見=面会を行うサービスです。
先ほど触れたように、取調べ等への対応は弁護士のアドバイスを受けてから臨むことが望ましいですから、初回接見は逮捕から早期に行う方がメリットが大きくなるといえます。
ご家族が傷害事件などの暴力事件で逮捕されてしまってお困りの方は、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120-631-881で24時間受け付けていますので、遠慮なくお問い合わせください。
傷害致死事件で裁判員裁判
傷害致死事件で裁判員裁判
傷害致死事件で裁判員裁判となった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
Aさんは、大阪府茨木市で居酒屋に客として訪れていたのですが、そこへVさんを含む数名の大学生グループが客として訪れました。
Vさんらはひどく酔って店内で騒ぎ暴れる様子であったため、AさんはVさんらに「他の客の迷惑になるからやめなさい」と注意をしました。
するとVさんが「お前に関係ないだろ」などと言ってきたので、腹を立てたAさんはVさんの顔面を握り拳で殴りつけてしまいました。
Aさんはカッとなってつい殴ってしまっただけであったものの、Vさんは、酔っていたこともあり殴られた拍子に大きく態勢を崩し、近くにあった机の角に頭をぶつけてしまいました。
Vさんは頭から流血して動かなくなってしまい、Aさんは驚いてすぐに救急車を呼びましたが、搬送先の病院でVさんの死亡が確認されました。
救急隊と共に現場に駆け付けた大阪府茨木警察署の警察官により、Aさんは傷害致死罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの妻は、傷害致死罪が裁判員裁判になると知り、今後のことが不安になったため、弁護士に相談して詳しいことを聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・傷害致死罪
今回のAさんには殺意はなかったようですが、Vさんの顔面を殴っているため、少なくとも暴行の故意が認められます。
そしてその暴行によって生じた怪我によってVさんが死亡しているといえるため、Aさんには傷害致死罪が成立することになります。
刑法第205条
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。
・裁判員裁判
裁判員裁判になる事件かどうかは、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律、通称「裁判員法」により決められています。
裁判員法第2条第1項
地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条又は第3条の2の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第26条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
第1号 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
第2号 裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。)
傷害致死罪は、このうち裁判員法第2条第1項第2号に当てはまるため、裁判員裁判対象事件となります。
裁判員裁判とは、通常の刑事裁判とは異なり、刑事裁判の第1審に裁判官だけでなく、一般の市民も裁判員として審理や判決の内容を判断する手続きに参加する裁判です。
裁判員裁判は、裁判員として一般の方が参加するため、通常の裁判とは異なった手続きが多数設けられています。
その1つが、公判前整理手続という手続きが必ず行われることです。
公判前整理手続とは、第1回公判の前に検察官や弁護士と裁判官で事前に協議を行い、争点や証拠の整理を行う手続きです。
公判前整理手続はあくまで公判前の準備手続ですが、実際の公判では公判前整理手続で整理された争点と証拠に絞って裁判が進行し、公判前整理手続終了後に新たな証拠を提出することは原則としてできないことになっています。
つまり、裁判員裁判となった場合には、公判前整理手続でどのような争点が考えられ、どのような証拠が必要なのかをしっかりと検討しつくしておく必要があるのです。
・裁判員裁判での弁護活動
前述のように、裁判員裁判では裁判員として一般の方が参加します。
ですから、通常の裁判に比べて裁判員裁判ではわかりやすさが重視されると言えるでしょう。
被告人側の事情をどれだけ説得的にかつ裁判員の方々の胸に響くように裁判で明らかにできるかが、最終的な量刑判断に強く影響します。
また、今回の傷害致死事件のように被害者や遺族が存在するケースでは、被害者や遺族との示談交渉を行い、被害者・遺族の処罰感情が低いことなども併せて主張していくことも考えられます。
しかし、いずれの主張も、先に述べた公判前整理手続で適切に証拠を検討し、必要であれば弁護側からも証拠を提出しておく必要があります。
さらに、裁判員裁判の対象となる事件は重大犯罪に限られている為、逮捕から公判終了まで身体拘束が継続されてしまう可能性も高いです。
そこで、保釈等の身体解放に向けた活動も行っていく必要があります。
早期の身体解放や十分な公判準備のためには、刑事事件に精通した弁護士に依頼することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱っており、裁判員裁判を含めた刑事事件の解決事例もございます。
傷害致死事件などの裁判員裁判対象事件にお困りの際は、弊所弁護士までお気軽にご相談ください。