暴行罪は現行犯以外でも逮捕される?現行犯以外で逮捕されるケースとは

暴行事件を起こしてしまった—。その場では警察に捕まらなかったけれど、本当にこのまま何もないのだろうか?
暴行事件を起こして警察に逮捕される場合は、現行犯だけではありません。後日逮捕される可能性もあるのです。事件を起こした時に逮捕されなくても、後から被害者が警察に被害届を出すことによって、防犯カメラの映像から犯人が特定される等して、事件から数日後、場合によっては数週間後、数か月後に突然逮捕されるケースも少なくありません。
この記事では、暴行事件を起こして、現行犯以外で逮捕される具体的なケース等、逮捕されるまでの期間や、逮捕後の流れについて詳しく解説します。現行犯逮捕との違いを理解し、今後の対応を考える参考にしてください。
暴行罪で逮捕された場合の刑罰
暴行罪の刑罰は、刑法第208条に規定されています。
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
この条文が示すとおり、暴行罪の法定刑は2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、拘留、科料です。傷害に至らない暴行行為が対象となります。
そして実際にどのような刑事処分が下されるかは、犯行に至る経緯(動機)や、暴行の態様、被害の程度、前科の有無などによって異なります。初犯の場合は微罪処分で終わることもありますが、被害者の処罰感情が強い場合は、初犯でも罰金刑となることもありますし、犯行形態が悪質な場合は、公判請求されて、拘禁刑が科せられる可能性も0ではありません。
暴行罪は現行犯以外でも逮捕される?
「その場で捕まらなければ大丈夫」と考えていませんか? 冒頭に記載しているように、暴行罪は事件を起こしたその場で逮捕(現行犯逮捕)されなくても、後日逮捕される可能性があるので注意が必要です。
現行犯逮捕されなかった暴行事件の多くは、後に被害者が被害届を提出することによって警察が捜査を開始して、刑事手続きが進みます。事件直後に逮捕されなかったからといって、捜査が終わったわけではありません。被害届を受理した警察は証拠を集めて犯人を特定し、場合によっては逮捕状を取得してから逮捕することもあります。
このように、事件発生から時間が経過して逮捕されることを通常逮捕と呼びます。現行犯逮捕は逮捕状なしで行われますが、通常逮捕では裁判官が発付する逮捕状が必要になります。では、通常逮捕とは具体的にどのような仕組みなのでしょうか。
通常逮捕とは
通常逮捕は、裁判官が発付した逮捕状に基づいて行われる逮捕です。刑事訴訟法第199条に規定されており、事件発生からある程度の期間が経過した後に逮捕されることがほとんどです。
よくある通常逮捕が行われるまでの流れは次のとおりです。まず、警察が被害届を受理して事件を認知します。そして捜査を開始して、防犯カメラの映像確認や聞き込み捜査などで被疑者を特定し、証拠を収集します。その後、証拠資料をもって裁判官に逮捕状を請求し、裁判官が、逮捕の理由と必要性が認められると判断すれば逮捕状を発付します。そして最終的に、警察が逮捕状を持って被疑者の自宅や職場などに出向き、逮捕状を執行するという流れで逮捕が行われます。
現行犯逮捕と通常逮捕の大きな違いは、逮捕状の有無にあります。現行犯逮捕は犯行現場で誰でも逮捕できますが、通常逮捕は裁判官が発付した逮捕状が必要になります。
通常逮捕が認められるのは、以下の要件を満たす場合です。
- 罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること
- 逃亡のおそれまたは証拠隠滅のおそれがあること
裁判官が、これらの要件を満たすと判断すれば、逮捕状を発付し、警察官が逮捕状を執行し逮捕するのが一般的です。暴行罪の場合も、被害者の証言や防犯カメラ映像などの証拠があれば、通常逮捕される可能性があることを認識しておかなければいけません。
暴行罪が現行犯以外で逮捕されるケース
では、具体的にどのような状況で暴行罪の後日逮捕が行われるのでしょうか。主なケースを見ていきましょう。
後日被害者が被害届を提出
最も多いのが、被害者が後日警察に被害届を提出するケースです。
暴行を受けた直後は、被害者も混乱していたり、恐怖心から届け出をためらったりすることがあります。しかし、冷静になって考えた結果、数日後に警察へ相談するという流れは珍しくありません。
警察は被害届を受理すると、事件として捜査を開始します。被害者から詳しい事情聴取を行い、犯人の特徴や事件当時の状況を確認。もし被害者や目撃者が加害者を知っている場合は、比較的短期間で被疑者が特定されますが、そうでない場合、警察は、防犯カメラ映像を解析する等して犯人を特定するので、被疑者特定まで数週間、数か月の時間を要することも珍しくありません。
そして被疑者の身元が判明すれば、警察は被疑者の身辺捜査を行い、今後逮捕する必要があるかどうかを判断します。そして警察が被疑者を逮捕する必要があると判断すれば、裁判官に逮捕状を請求します。裁判官から逮捕状が発付されると、警察はその逮捕状を持って被疑者の自宅や職場で、被疑者を逮捕することになります。このようなプロセスを経ていることを考えると、事件を起こしてから数日〜数週間、場合によっては数か月後に突然逮捕されることが多いのにも納得ができるのではないでしょうか。
捜査により被疑者を特定
被害者や目撃者が犯人を知らなくても、警察の捜査によって被疑者が特定されることは珍しくありません。
現代社会では、街中や店舗、駅などに多数の防犯カメラが設置されています。暴行事件が発生した場所やその周辺の防犯カメラ映像を警察が確認することで、犯人の顔や服装、逃走経路などが判明し、被疑者が特定されることはよくあることです。
また、事件現場周辺での聞き込み調査も有効な捜査手段です。被害者や目撃者の証言から犯人の特徴が明らかになり、その情報を基に聞き込み捜査を行って被疑者に結び付くこともあります。さらに、犯人が使用した車両のナンバープレートや、事件直前に利用した店舗での防犯カメラ映像なども捜査の手がかりになるでしょう。
このように、被害者や目撃者が犯人を知らなくても、警察が捜査を進めて被疑者を特定し、後日逮捕に至る可能性は十分にあるので、暴行事件を起こした方は「被害者と面識がないから大丈夫」と安心するのは危険です。
暴行罪が現行犯以外で逮捕されるまでの期間は?
後日逮捕されるとしたら、いつ頃になるのか—。この疑問を抱く方は多いでしょう。
暴行罪で現行犯以外の逮捕が行われるまでの期間は、一般的に事件発生から数日後から数週間後が多いようですが、数か月後に逮捕されることも決して少なくありません。被害者がすぐに被害届を出し、防犯カメラ映像などの証拠が揃っている場合、早ければ事件を起こしてから3〜7日程度で逮捕されることもあります。
一方、被疑者の特定に時間がかかるケースでは、数週間から1ヶ月以上経過してから逮捕される場合もあるでしょう。目撃者が少なく、防犯カメラ映像も不鮮明な場合は、捜査に時間を要するからです。
逆にどれくらい事件を起こしてどれくらい経過すれば安心できるの?と疑問を抱いている方もいるかもしれません。それは、暴行罪の公訴時効が成立する3年後となるでしょう。暴行事件を起こしてから3年が経過すれば、検察官は起訴できなくなり、逮捕されることもなくなります。
とはいえ、公訴時効が成立するまで逃げ切るのは難しいかもしれません。現代の捜査技術では、何かしらの証拠があれば、警察は数ヶ月〜1年以内に被疑者を特定することがほとんどです。事件から時間が経っているからといって安心せず、むしろ早めに弁護士に相談して適切な対応を取ることが重要です。
【事例紹介】実際に逮捕(現行犯以外)された暴行事件
ここでは、実際に現行犯以外で逮捕された暴行事件の事例を紹介します。
事例①:電車内でのトラブル|複数人から被害届が提出されて逮捕
電車内で他の乗客とトラブルになったAさんは、降車した駅のホームでこの乗客と口論となり、その際に被害者(乗客)の髪の毛を掴む等の暴行を加えました。そしてその後、制止に入った駅員2名に対しても腕を殴ったり、胸倉を掴んだりする暴行を加えました。
犯行後Aさんは、その場から立ち去り帰宅しましたが、被害乗客と駅員2名が警察に被害届を提出したことから警察が捜査を開始し、駅構内の防犯カメラ映像や、改札を通過した際に使用したICカードの記録からAさんの犯行であることが特定され、犯行から1か月以上経過してAさんは被害者3名に対する暴行罪で通常逮捕されてしまいました。
事例②:交際女性に対する暴行|後日被害届が提出されて逮捕
Aさんは、1年ほど前から年下の女性と交際し同棲していますが、数か月前から口げんかが絶えず、そのたびに彼女に対して髪を引っ張ったり、突き倒す等の暴行を加えていました。
事件を起こした日も、彼女と口論となり、その際に彼女を突き倒し、頬を平手で殴ってしまいました。彼女が110番通報して駆け付けた警察官が喧嘩の仲裁に入り、その際にAさんが実家に帰ることを条件に彼女は被害届を提出しませんでした。
しかし後日、彼女が警察に被害届を提出したことから、犯行から数週間後にAさんは暴行罪で通常逮捕されてしまいました。
暴行罪で逮捕(現行犯以外)された後の流れ
通常逮捕された後は、どのような手続きが待っているのでしょうか? 身体拘束の期間や今後の流れを知っておくことが大切です。
逮捕による身体拘束|48時間
逮捕されると、まず48時間以内に警察の留置施設で身体を拘束されます。この間、警察官による取り調べが行われ、事件の詳細について供述を求められます。
取り調べでは、事件当時の状況や動機、被害者との関係などが聴取されます。供述内容は調書にまとめられ、後の刑事手続きで重要な証拠となるため、慎重に対応する必要があります。自分の意に反した内容の供述や不利な供述を避けるためにも、早い段階で弁護士に接見してもらい、アドバイスを受けることが望ましいでしょう。
この48時間の間に、警察は事件を検察官に送致するかどうかを判断します。証拠が不十分な場合や、勾留の必要性がないと判断された場合は、釈放されることもあります。しかし、暴行罪で逮捕された場合、多くのケースで検察官への送致(送検)が行われます。
検察官による勾留請求まで|24時間
警察から事件を送致された検察官は、24時間以内に被疑者を勾留請求するかどうかを判断します。
勾留とは、起訴前に被疑者の身体をさらに拘束し続ける手続きです。検察官が「逃亡のおそれがある」「証拠隠滅のおそれがある」と判断した場合、裁判所に勾留請求を行います。
検察官は被疑者の取調べを行い、犯行の動機や暴行の態様、示談の可能性、前科の有無などを総合的に考慮して、勾留が必要かどうかを判断します。勾留が不要と判断されれば、この段階で釈放される可能性もありますが、勾留の必要があると判断すれば裁判官に勾留請求します。
勾留請求が行われると、裁判官が勾留の可否を審査します。裁判官は被疑者と面談し、勾留の理由と必要性があるかを判断します。この審査を「勾留質問」と呼び、裁判手続の一つです。
勾留決定による身体拘束|最長20日間
裁判所が勾留を認めると、被疑者は最長20日間にわたって身体を拘束されます。
具体的には、まず10日間の勾留が決定されます。この期間中、検察官はさらに詳しい捜査を進め、起訴するかどうかを検討します。10日間で捜査が終わらない場合、検察官は裁判所に勾留延長を請求でき、認められればさらに最長10日間まで延長されます。
合計で逮捕から起訴・不起訴の判断までの間に最長23日間(逮捕48時間+送検24時間+勾留20日間)、身体を拘束される可能性があります。この間、仕事や学校に行けず、社会生活に大きな影響が出るでしょう。
勾留中も弁護士との接見は可能です。むしろ、この段階で弁護士に依頼し、被害者との示談交渉を進めることが重要。示談が成立すれば、不起訴処分や早期釈放の可能性が高まります。
検察官による終局処分(起訴・不起訴)
勾留期間が終了するまでに、検察官は起訴するか不起訴にするかを決定します。これを終局処分と呼びます。
不起訴処分になれば、刑事裁判は開かれず、前科もつきません。釈放されて通常の生活に戻ることができます。不起訴の理由には、嫌疑なし、嫌疑不十分(証拠不十分)、起訴猶予(情状により起訴しない)などがあります。
暴行罪の場合、初犯で、かつ被害者と示談が成立していれば、不起訴処分になる可能性は非常に高いでしょう。そのため、早期に弁護士を通じて示談交渉を開始することが極めて重要です。
一方、起訴処分となった場合は、「公判請求(正式裁判)」と「略式起訴(罰金刑)」の2種類があり、公判請求された場合は正式な裁判で処分が言い渡されることになりますが、略式起訴の場合は、罰金を納付すれば裁判が開かれることはありません。
略式起訴(罰金)・刑事裁判
検察官が略式起訴を選択した場合、正式な刑事裁判を開かずに罰金刑が科される手続きが行われます。
略式起訴は、被疑者が罪を認めており、100万円以下の罰金または科料に処することが相当とされる事件に利用されます。簡易裁判所が書面審理のみで罰金額を決定し、被疑者が罰金を納付すれば事件は終了。裁判所に出廷する必要もなく、比較的早期に解決します。
ただし、略式起訴でも前科はつきます。また、被疑者が略式手続に同意しない場合や、罰金額に納得できない場合は、正式裁判を求めることもできます。
犯行を認めている一般的な暴行罪の刑事裁判では、検察官が暴行の事実を立証し、弁護人が被告人の情状を主張します。裁判は通常、数回の期日を経て判決に至ります。情状酌量の余地があれば執行猶予がつくこともありますが、前科がある場合や暴行が悪質な場合は実刑判決が下される可能性もあるでしょう。
裁判が結審するまでに被害者と示談を成立させておけば、執行猶予がつきやすくなります。量刑を軽くするためにも、弁護士に早めに相談することが何よりも大切です。
暴行罪で逮捕(現行犯以外)された場合の影響
暴行罪で逮捕されてしまうと、刑罰そのものだけでなく、日常生活にも深刻な影響が及びます。逮捕による身体拘束は数週間に及ぶこともあり、その間に仕事や学業、家庭生活が大きく乱れてしまいます。
さらに、逮捕の事実が会社や学校に知られれば、解雇や退学といった重い処分を受ける可能性もあるでしょう。そして、起訴されて有罪判決を受ければ前科がつき、その後の人生に長期的な影響を与える可能性も出てきます。
ここでは、暴行罪で逮捕された場合に起こり得る具体的な影響について詳しく見ていきます。逮捕がもたらすリスクを正しく理解し、早期の対応を検討することが重要です。
長期的な身体拘束
逮捕されると、起訴・不起訴が判断されるまでの間に最長で23日間にわたって身体を拘束されます。
前述のとおり、逮捕から48時間、送検後24時間、そして勾留が決定されれば最長20日間—合計23日間、留置施設での生活を余儀なくされるのです。この間、自由に外出することはできず、家族や友人との面会も制限があります。
留置施設での生活は、想像以上に厳しいものです。狭い場所での共同生活を強いられ、決められた時間に食事や入浴を行い、外部との連絡も制限されます。取り調べが連日続くこともあり、精神的・肉体的な負担は非常に大きいでしょう。
特に、働いている方や学生の場合、3週間以上も職場や学校を欠勤・欠席することになります。この期間の説明がつかなければ、周囲に不審に思われ、最終的には逮捕の事実が発覚してしまう可能性が高くなります。
身体拘束の長期化を避けるためには、早期に弁護士を選任し、勾留を阻止する活動や、示談締結による早期釈放を目指すことが不可欠です。
会社・学校から処分を受ける可能性がある
逮捕による長期の身体拘束は、会社や学校に事件が発覚する大きな原因となります。
数日間の欠勤や欠席であれば体調不良などで説明できるかもしれません。しかし、1週間、2週間と続けば、職場や学校から連絡が入り、家族が事情を説明せざるを得なくなるケースが多いでしょう。また、警察が職場に連絡を取ったり、マスコミ報道で実名が出たりすることもあります。
会社員の場合、懲戒解雇や諭旨解雇を命じられる可能性があります。多くの企業の就業規則には「刑事事件で起訴された場合」や「会社の名誉を著しく傷つけた場合」といった懲戒事由が定められており、暴行罪での逮捕はこれに該当することが少なくありません。特に、公務員や教員、医療従事者など社会的信用が求められる職業では、処分される可能性が非常に高いでしょう。
学生の場合も、退学処分や停学処分を受けるリスクがあります。大学や専門学校の学則には、刑事事件を起こした学生への処分規定が設けられているのが一般的です。将来のキャリアに大きな影響を与えることになります。
こうした社会的制裁を避けるためにも、逮捕される前に適切な対応を取ることが極めて重要です。
前科が付く可能性がある
起訴されて有罪判決を受けると、前科がつきます。
前科とは、刑事裁判で有罪判決を受けた経歴のことです。罰金刑でも懲役刑(拘禁刑)でも、有罪判決が確定すれば前科として記録されます。一方、不起訴処分や無罪判決であれば前科はつきません。
前科がつくことによる具体的なデメリットは以下のとおりです。
- 就職・転職が困難になる: 多くの企業では採用時に賞罰欄のある履歴書の提出を求めます。前科を隠して入社しても、後で発覚すれば経歴詐称として解雇される可能性があります
- 資格制限を受ける: 弁護士、医師、教員、公務員など、一定の職業では欠格事由となり、資格を取得できなくなったり、既に取得している資格を失ったりすることがあります
- 海外渡航に制限がかかる: 国によっては、前科がある人の入国を拒否したり、ビザ取得が困難になったりします
- 再犯時の量刑が重くなる: 前科があると、再び犯罪を犯した際の量刑が重くなります。執行猶予がつきにくくなり、実刑判決を受ける可能性が高まるでしょう
前科は一生消えることがありません。そのため、前科をつけないことが何より重要です。不起訴処分を獲得できれば前科はつかないため、早期に弁護士に依頼し、被害者との示談交渉などを進めることが必要になります。
暴行罪での逮捕(現行犯以外)を回避するためのポイント
暴行事件を起こしてしまった後、後日逮捕を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。
逮捕は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断された場合に行われます。逆に言えば、適切な対応を取ることで逮捕の必要性を下げることができるのです。
ここでは、暴行罪での逮捕を回避するための具体的なポイントを解説します。特に重要なのが、被害者との示談交渉と警察への出頭、自首です。どちらも早期に実行することで、逮捕される可能性を大幅に下げることができます。
被害者と示談をする
被害者と示談を成立させることが、逮捕回避の最も有効な手段です。
示談とは、被害者と加害者(またはその代理人)が話し合い、一定の金銭を支払うことで事件を解決する合意のことです。示談が成立すると、被害者は「被害届を取り下げる」「加害者の処罰を望まない」という意思を警察や検察に伝えることができます。
示談が逮捕回避に有効な理由は、以下のとおりです。
- 被害者が被害届を取り下げれば、警察は捜査を進める理由が弱くなる
- 被害者が加害者の処罰を望まない意向を示せば、検察官は起訴する必要性が低いと判断する
- 示談成立は、加害者の謝罪や反省の意思があると判断される
- 示談金の支払いにより、被害回復がなされたことが評価される
暴行罪のような被害者がいる事件では、示談の有無が逮捕されるかどうかを大きく左右します。実際、事件発覚前に示談が成立していれば、警察は逮捕状を請求しないでしょう。
ただし、加害者本人が直接被害者に接触するのは危険です。被害者が恐怖を感じたり、脅迫と受け取られたりすれば、かえって逮捕の可能性が高まります。示談交渉は必ず弁護士を通じて行うべきでしょう。
警察に出頭、自首する
事件を起こしてしまったら、自ら警察に出頭したり自首することで逮捕を回避できる可能性があります。
自首とは、捜査機関に犯罪が発覚する前、または犯人が誰かが判明する前に、自ら警察署に出頭して犯行を申告することです。刑法第42条により、自首した場合は刑が減軽される可能性があります。
自首が逮捕回避に有効な理由は次のとおりです。
- 逃亡の意思がないことを明確に示せる
- 捜査に協力する姿勢を示すことができる
- 反省していることが伝わり、情状面で有利になる
ただし、出頭や自首によって必ず逮捕を免れるわけではありません。事件の悪質性や被害の程度、前科の有無などによっては、出頭や自首後にそのまま逮捕されることもあります。そのため、出頭や自首をする際は弁護士に同行してもらうことが重要です。
弁護士が同行すれば、警察に対して「逮捕の必要性がない」ことを説明し、在宅捜査での取り調べを要請できます。また、出頭や自首のタイミングや、取調べにおける供述内容についてもアドバイスを受けられるため、より効果的な出頭や自首が可能になるでしょう。
暴行罪で示談や自首を検討している場合は弁護士に相談
暴行事件を起こしてしまい、逮捕されるのではないかと不安を抱えていませんか? 示談や自首を考えているけれど、どうすればいいのか分からず悩んでいる方も多いでしょう。
そのような場合は、すぐに刑事事件に詳しい弁護士に相談することが最善の選択です。弁護士に依頼することで、逮捕回避や不起訴処分の獲得に向けた適切な対応を取ることができます。
ここでは、暴行罪で弁護士に相談するメリットを具体的に見ていきます。早期に弁護士のサポートを受けることが、あなたの人生を守ることにつながるでしょう。
代理人弁護士として被害者と示談交渉してもらえる
弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人として被害者と示談交渉を行ってくれます。
被害者との示談交渉は、加害者本人や家族が直接行うべきではありません。被害者は加害者と直接会うことに恐怖や不安を感じるため、交渉がうまくいかないばかりか、接触したこと自体が新たな問題を引き起こす可能性があります。最悪の場合、脅迫罪や強要罪に問われることもあるでしょう。
弁護士が代理人となれば、以下のようなメリットがあります。
- 被害者の連絡先を警察や検察から取得できる: 個人では被害者の連絡先を知ることは困難ですが、弁護士であれば警察や検察を通じて連絡先を教えてもらえることがあります
- 適切な示談金額を提示できる: 暴行の程度や被害状況に応じた妥当な示談金額を算定し、被害者に提示できます
- 法的な示談書を作成できる: 後のトラブルを防ぐため、「宥恕条項(処罰を望まない旨)」や「清算条項(これ以上の請求をしない旨)」等を盛り込んだ法的に有効な示談書を作成します
- 被害者の心情に配慮した交渉ができる: 弁護士は第三者として冷静に交渉を進められるため、被害者も安心して話し合いに応じやすくなります
示談が成立すれば、被害者から被害届の取り下げや処罰を望まない旨の意見書を警察・検察に提出してもらえます。これにより、逮捕回避や不起訴処分の可能性が大幅に高まるでしょう。
自首同行や逮捕回避の交渉をしてもらえる
弁護士に依頼すれば、警察への出頭や自首に同行し、逮捕を回避するための交渉を行ってもらえます。
出頭や自首は、タイミングや方法を誤ると、かえって不利な状況を招いたり、効果がないこがあります。また、出頭や自首した際の取調べにおける供述内容によっては、後の取り調べで不利な証拠として使われる可能性もあります。そのため、出頭や、自首する際は必ず弁護士に相談し、必要に応じて弁護士を同行するようにしましょう。
弁護士が自首に同行することで、以下のような対応が可能になります。
- 警察に対する交渉ができる: 「被疑者には逃亡のおそれも証拠隠滅のおそれもない」「在宅捜査で十分である」といった内容を警察に伝え、逮捕の必要性がないことを法的に主張する等して警察と交渉することができます。
- 適切な供述内容をアドバイス: 出頭や自首の際の取調べで、どのような供述をすべきか、どのような点に注意すべきかをアドバイスします。警察に対して、不利な供述を避け、事実を正確に伝えることができるでしょう
- 在宅捜査への切り替えを要請: 警察に対して、逮捕ではなく任意の取り調べで捜査を進めるよう要請します。在宅捜査であれば、仕事や学校を続けながら捜査に協力できます
- 取り調べに対する助言: 取り調べの内容について助言を受けられるため、不当な取り調べから身を守ることができます
実際、弁護士が同行して適切な対応を取ったことで、自首後も逮捕されずに在宅捜査で進んだケースは多数あります。早期に弁護士に相談し、計画的に自首することが重要です。
不起訴処分による前科回避を目指せる
弁護士に依頼する最大のメリットは、不起訴処分を獲得して前科をつけずに事件を終結させられる可能性があることです。
不起訴処分とは、検察官が被疑者を起訴しないと判断することです。不起訴になれば刑事裁判は開かれず、有罪判決を受けることもないため、前科はつきません。捜査機関の記録には残りますが、一般の人が知ることはできず、履歴書の賞罰欄にも記載する必要がありません。
不起訴処分には、大きく分類すると以下の種類があります。
- 嫌疑なし: 犯罪の証拠がない場合
- 嫌疑不十分: 犯罪を立証できるだけの証拠が不十分な場合
- 起訴猶予: 犯罪は認められるが、情状により起訴を見送る場合
暴行罪で多いのは起訴猶予です。被害者との示談が成立している、初犯である、反省している、といった事情があれば、起訴猶予による不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。
弁護士は、不起訴処分を目指して以下のような活動を行います。
- 被害者との示談交渉: 示談を成立させ、被害者から宥恕(処罰を望まない)の意思表示をもらいます
- 検察官への意見書提出: 被疑者の反省の態度、被害回復の状況、社会的制裁を受けていることなどを記載した意見書を検察官に提出し、不起訴を求めます
- 被疑者の環境調整: 家族の監督体制を整えるなど、再犯防止の環境を構築します
- 証拠収集: 被疑者に有利な証拠を収集し、検察官に提出します
不起訴処分を獲得できれば、前科がつかないため、就職や資格取得への影響を避けられます。通常の社会生活を続けることができ、人生に与える影響を最小限に抑えられるでしょう。
【事務所紹介】暴行事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所
弁護士法人あいち刑事事件総合法律所は、刑事事件に特化した専門性の高い法律事務所になっています。
ここからは、弊所の特徴についてご紹介していきます。
弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付
弊所では初回の法律相談を無料で承っています。
法律相談のご予約はフリーダイヤルにて受付中。フリーダイヤルについては、日中は仕事をしているので夜や早朝しか電話する時間がないといった方でもご安心してご利用いただけるよう24時間、年中無休で対応していますので、何時でもお気軽にお電話ください。
弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応
北は北海道の札幌、南は九州の福岡まで、全国の主要都市12か所に事務所を設けており、日本全国に対応していることも弊所の強みです。
法律相談についてはお客様のご希望の日時でご予約が可能、また弁護士を派遣する初回接見サービスについては24時間以内に弁護士を派遣することができます。
今すぐ相談したい、今すぐ活動を開始して欲しいという方のご希望に応えることができる体制を整えておりますのでご安心してご相談ください。
弊所の特徴③:刑事事件に強い弁護士が多数在籍
弊所では、開設して10年以上、主に刑事事件を取り扱っている法律事務所です。
暴行事件のような被害者の存在する事件においては、被害者と示談することができるかどうかが、その後の刑事処分に絶大な影響を及ぼしますが、弊所では、刑事事件における示談経験豊富な弁護士による活動をお約束することができます。
刑事事件の弁護活動を熟知した弁護士による、弁護活動を受けることで、きっとご安心していただくことができるでしょう。
弊所の特徴④:安心明確な料金体系
弊所では、ご契約前に、着手金、報酬金、実費日当等の弁護士費用について明確にし、お客様に納得していただけるまで丁寧に説明させていただいております。
また、弁護士費用についてお客様が不安を感じないように、契約書に弁護士費用一覧表を添付させていただいております。
弊所の弁護士費用について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
暴行罪で逮捕されないか不安な方は弁護士へ相談を
暴行事件を起こしてしまい、いつ逮捕されるのか不安な日々を過ごしていませんか? 「このまま何もしなければ、いずれ警察が来るのではないか」と恐怖を感じている方も多いでしょう。
暴行罪は現行犯以外でも後日逮捕される可能性があります。被害者が被害届を提出したり、防犯カメラの映像から犯人が特定されたりすれば、数日後、数週間後に突然逮捕されることも珍しくありません。
しかし、適切な対応を取ることで、逮捕を回避したり、逮捕されても早期に釈放されたり、不起訴処分を獲得したりすることは可能です。そのためには、できるだけ早く刑事事件に強い弁護士に相談することが何よりも重要です。
弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉、警察への出頭や自首同行、逮捕回避のための意見書提出、不起訴処分を目指した活動など、あらゆる面でサポートを受けられます。一人で悩んでいても状況は改善しません。今すぐ弁護士に相談し、あなたの未来を守るための行動を始めましょう。