暴行事件における不起訴率は?示談で不起訴になる?初犯は不起訴?

公開日:2026-09-11

暴行事件を起こしてしまった——。

暴行事件を起こしてしまった方やご家族の方は「このまま起訴されてしまうのか」「前科がついたらどうしよう」と不安を抱えていませんか?また、逮捕後の手続きや今後の流れがわからず、焦りを感じている方も多いのではないでしょうか

暴行事件を起こしたからといって、必ず起訴されるわけではありませんその後の弁護活動次第で「不起訴」になる可能性も十分にあります。不起訴を獲得するためには、いくつかの重要なポイントがあります。

この記事では、暴行事件における起訴・不起訴の基準をわかりやすく解説します。不起訴を目指すために、どういった弁護活動が必要となるかも具体的に説明しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

暴行事件を起こすと必ず起訴される?

結論から言うと、暴行事件を起こしても必ずしも起訴されるわけではありません。

検察官は捜査の結果をもとに、被疑者を起訴するかどうかを判断します。日本の刑事司法では「起訴便宜主義」が採用されており、検察官は証拠が十分であっても、諸般の事情を考慮して不起訴にする裁量を持っています。

では、実際のところ暴行事件ではどのくらいの割合で起訴されているのでしょうか。

暴行事件の起訴・不起訴率

法務省の犯罪白書や検察統計によれば、暴行罪の事件は不起訴となるケースが一定数あります。以下の表は、暴行事件における処分の種類を示したものです。

処分の種類

内容

傾向

起訴(公判請求)

刑事裁判を受ける

再犯・悪質・重篤なケースに多い

起訴(略式起訴)

書面審理で罰金処分

比較的軽微なケースに多い

不起訴(起訴猶予)

証拠十分でも起訴しない

示談成立・初犯などに多い

不起訴(嫌疑不十分)

証拠が不十分な場合

証拠が弱いケース

そして2024年の検察統計白書によると、暴行事件の起訴率は27.6%と発表されており、交通事件をのぞく刑事事件の起訴率が約31%(2024年の検察統計白書による)であるのと比べると、暴行事件の起訴率はやや低いことは分かります。

重要なのは、「起訴されるかどうか」は事件の内容や当事者の状況、そしてどういった弁護活動をしているかによって大きく変わるという点です。適切な対応を取ることで、不起訴を目指せる可能性が高くなることを認識しておかなければなりません。

暴行事件で起訴されるとどうなる?

暴行事件で起訴されると、前科がついたり刑事裁判を受けたりと様々な不利益が生じます。

起訴には大きく分けて「公判請求」と「略式起訴」の2種類があります。どちらの形で起訴されるかによって、その後の手続きは異なります。いずれにせよ、起訴された段階では深刻な事態になると認識しておくことが大切です。

前科がつく

「公判請求」と「略式起訴」どちらにしても、起訴されて有罪判決が確定すると前科がつきます。

前科とは過去に刑事裁判で有罪の確定判決を受けた事実のこと。前科がつくと、具体的には以下のようなデメリットが生じます。

前科は一生残る記録です。「たいした事件じゃないから大丈夫」と軽く考えていると、思いがけない事態に陥る可能性があるので注意しなければなりません。

刑事裁判を受ける可能性がある

起訴の中でも「公判請求」となった場合、正式な刑事裁判を受けることになります。

公判請求とは検察官が被告人を法廷で裁くよう裁判所に求めること。公判が開かれると、以下のような流れで手続きが進みます。

  1. 起訴状の送達・勾留されている場合は勾留の継続(起訴後勾留)
  2. 公判期日の指定
  3. 法廷での審理(証拠調べ・証人尋問など)
  4. 論告・弁論
  5. 判決の言い渡し

刑事裁判は精神的・時間的な負担が大きいだけでなく、有罪となれば拘禁刑(実刑または執行猶予)が科される可能性もあります。また、裁判は基本的に公開されるため、社会的なダメージも見逃せません。

罰金を支払う可能性がある

公判請求ではなく「略式起訴」となった場合、書面審理によって罰金刑が科されます。

略式起訴とは、比較的軽微な事件について刑事裁判を開かずに書面だけで審理・判決を行う手続きです。被疑者が同意した場合に適用されます。

暴行罪(刑法208条)の法定刑は「2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」です。略式起訴の場合、実際に科される罰金額は事件の内容によって異なります。

ただし、罰金を支払って事件が終了した場合でも、有罪であることに変わりはなく、前科がつきます。「罰金で済んだから軽い」とは言い切れない点に注意が必要です。

暴行事件における起訴・不起訴の基準

起訴するかどうかは最終的に検察官が判断しますが、いくつかの重要な考慮要素があります。

明確な数値基準があるわけではありません。しかし、実務上は以下のような要素が判断に影響を与えるとされています。これらを理解しておくことで、自分の事件がどのように評価される可能性があるかを把握できます。

被害者と示談が成立しているか

示談の成立は不起訴を判断する上で最も重要なポイントの一つです。

示談とは、被害者と加害者が話し合いにより合意し、一定の賠償金(示談金)の支払いと引き換えに被害者が被害届の取り下げや宥恕(許すこと)を行う合意のことです。

示談が成立していると、検察官は「被害者の処罰感情が低い」「被害の回復がなされている」と評価します。その結果、不起訴となる可能性が非常に高まります。逆に、示談が成立せずに被害者が強く処罰を望んでいる場合は、起訴される可能性が高くなります

示談交渉は感情的になりやすく、当事者同士では難航することも多いものです。弁護士を通じた早期の交渉が有効です。

事件内容の悪質性

被害の程度や暴行の手段・態様が悪質であるほど、起訴される可能性は高くなります。

検察官は以下のような点を総合的に考慮します。

「ちょっと手が出ただけ」と思っていても、検察官が悪質性が高いと判断して起訴される可能性もあるので、事前に刑事事件専門の弁護士に相談することをお勧めします。

初犯か同種の前科があるか

過去に暴行事件などで前科がある場合は、初犯と比べて起訴される可能性が高まります。

検察官は被疑者の前科・前歴も重要な考慮要素として見ます。初犯であれば、不起訴とされる内容の事件であっても、再犯の場合は、起訴されてしまうこともあるので注意が必要です。

同種の犯罪(暴行・傷害など)で前科がある場合は「再犯の可能性が高い」「反省が見られない」と判断され、起訴される可能性が高まるのです。

また、前科がなくても「前歴」(過去に逮捕・捜査された記録)があると、捜査機関に記録されており、不起訴の判断に影響することがあります。

暴行事件で不起訴を獲得するためのポイント

不起訴を目指すなら、何よりも早期に弁護士に相談し、被害者との示談交渉を進めることが重要なポイントです。

ここからは、暴行事件で不起訴を獲得するために効果的とされる弁護活動を解説します。

早期の弁護士への相談・依頼

逮捕・捜査が始まった段階で、できるだけ早く刑事事件に強い弁護士に依頼しましょう。弁護士が早く活動を始めれば、弁護活動の幅が広がり、その分、不起訴に向けた対応が取りやすくなります。

被害者との示談を成立させる

前述のとおり、示談の成立は不起訴獲得において最も重要な要素の一つです。誠意ある謝罪と適切な示談金の提示を通じて、被害者の処罰感情を和らげることを目指します。

ただし、直接の接触は逆効果になる場合があるため、必ず弁護士を通じて行いましょう。

深い反省と再発防止の姿勢を示す

検察官に対して、事件を真摯に反省していることや二度と同じことをしないための具体的な行動(カウンセリング受講、環境の変化など)を示すことも効果的です。弁護士と連携して、反省文の作成や情状証拠の収集に取り組みましょう。

当事者間の示談交渉は難しい?

被害者との示談交渉であれば弁護士でなくてもできるのでは?と思われている方もいるかもしれませんが、当事者同士が示談交渉をするのは、現実的にかなり難しいと言えるでしょう。

示談は不起訴を目指す上で有効な手段ですが、「自分で被害者に連絡を取ればいい」と考えるのは危険です。暴行事件では、被害者が加害者に対して強い怒りや恐怖を抱いていることが多く、話し合いのテーブルにすら着いてもらえないケースが珍しくありません。

また話し合いがまとまったとしても、刑事手続きにおいて効果的な示談書を作成しておかなければ、その後の処分に反映されないこともあります。こういった示談書の作成には刑事事件に精通した弁護士のサポートが必要不可欠です。

では、当事者間の交渉が難しい理由を具体的に見ていきましょう。

被害者の連絡先を教えてもらえない

示談交渉を進めるには、まず被害者と連絡を取る必要があります。しかし、被害者が加害者に連絡先を知らせることを拒否するケースは非常に多いのが実情です。

暴行事件の被害者は、加害者に対して恐怖や怒りを感じていることがほとんどです。「また接触されるのではないか」「脅されるかもしれない」という不安から、警察に対しても「加害者には連絡先を教えないでほしい」と申し出ることがあります。

警察や検察は被害者の意向を尊重するため、加害者側に被害者の連絡先を開示することは原則としてありません。つまり、加害者が自力で被害者の連絡先を調べようとしても、合法的な手段ではほとんど不可能な状況になります。

連絡先を無理に調べて接触しようとすれば、その行為がまた別の犯罪に抵触し暴行罪とは別の刑事責任を追及されたり、想定よりも厳しい刑事罰が科せられてしまう可能性も出てきます。

適正な示談金で示談ができない

仮に被害者と連絡が取れたとしても、示談金の金額をめぐってトラブルになるケースがあります

被害者が強い処罰感情を持っている場合、感情的になって相場をはるかに超えた高額な示談金を要求することがあります。加害者側は「一刻も早く解決したい」という焦りから、不当に高い金額を受け入れてしまうこともあります。

逆に、加害者が「それほど大した事件ではない」と軽く見て低すぎる金額を提示した場合、被害者の怒りを余計にあおり、交渉が完全に決裂してしまうこともあります。

適正な示談金の相場は事件の内容・怪我の程度・被害者の状況などによって異なり、専門的な判断が必要です。当事者同士では、この金額の落とし所を見つけることが非常に難しいのが現実です。

暴行事件で弁護士に依頼するメリット

暴行事件で不起訴を目指すなら、早期に刑事事件を扱う弁護士に依頼することが最も有効な手段です。

弁護士に依頼することで、当事者間では難しかった示談交渉がスムーズに進む可能性が高まります。それだけでなく、捜査段階から起訴後まで、一貫したサポートを受けられる点も大きな強みです。

具体的なメリットを見ていきましょう。

代理人弁護士として被害者と示談交渉ができる

弁護士が代理人として入ることで、被害者から連絡先を開示してもらいやすくなり、示談交渉を適切に進められます

弁護士が窓口になることで、被害者は「直接加害者と話さなくて済む」という安心感を持てます。そのため、加害者本人が接触しようとしても断られていたケースでも、弁護士を介することによって、交渉のテーブルにいてもらえることがあります。

また、示談金の金額についても、弁護士は過去の事例や相場を踏まえた交渉ができます。被害者の要求が相場を大幅に超えている場合には適切に対応し、双方が納得できる金額での合意を目指します。感情的になりがちな当事者同士の交渉とは異なり、冷静かつ専門的な交渉が可能です。

捜査機関に対して意見を主張できる

弁護士は、被疑者の代理人として警察・検察などの捜査機関に対して積極的な弁護活動を行います

具体的には、以下のような対応が考えられます。

検察官への働きかけは、不起訴処分を得るための重要な活動です。弁護士なしでは、こうした手続きを被疑者本人が行うのは現実的ではありません。

起訴された場合でもサポートできる

万が一起訴されてしまった場合でも、弁護士は有利な判決を目指した弁護活動を続けます

たとえば、初めての刑事事件で被告人が深く反省していること、示談が成立していること、再犯防止のための環境が整っていることなどを法廷で主張することで、執行猶予付き判決の獲得を目指すことができます。執行猶予がつけば、実刑(刑務所への収容)を避けられます。

また、量刑の軽減に向けた証拠収集・証人の確保・情状弁護など、専門的な対応が必要な場面でも弁護士が力を発揮します。起訴=終わりではありません。弁護士と連携することで、最善の結果を追求できます。

【事務所紹介】暴行事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に取り扱う法律事務所です。

刑事事件・少年事件は一般の民事事件や行政事件とは内容や担当機関が大きく異なっているため、刑事事件・少年事件の専門知識と弁護活動が必要になります。

当事務所は刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を扱う実績豊富な弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、丁寧に対応致します。

弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付

弊所では初回の法律相談を無料で承っています。

法律相談のご予約はフリーダイヤルにて受付中。なおフリーダイヤルについては、24時間、年中無休で対応していますので、何時でもお気軽にお電話ください。

弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応

北は北海道の札幌、南は九州の福岡まで、全国の主要都市12か所に事務所を設けており、日本全国に対応している点も弊所の強みです。

法律相談についてはお客様のご希望の日時でご予約が可能、また弁護士を派遣する初回接見サービスについてはご予約いただいて、最短当日に弁護士を派遣することができます。

今すぐ相談したい、今すぐ活動を開始して欲しいという方のご希望に応えることができる体制を整えておりますのでご安心してご相談ください。

弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍

弊所は開設して10年以上、刑事事件を主に扱っている法律事務所です。

傷害事件のような被害者の存在する事件においては、被害者と示談することができるかどうかが、その後の刑事処分に絶大な影響を及ぼしますが、弊所では、刑事事件における示談の経験が豊富な弁護士による活動をお約束することができます。

刑事事件の弁護活動を熟知した弁護士による、弁護活動を受けることで、きっとご安心していただくことができるでしょう。

弊所の特徴④:安心明確な料金体系

ご契約前に、着手金、報酬金、実費日当等の弁護士費用について明確にし、お客様に納得していただけるまで丁寧に説明させていただいております。

また、弁護士費用についてお客様が不安を感じないように、契約書に弁護士費用一覧表を添付させていただいております。

料金詳細については弊所HPをご覧ください▼

料金表 

【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝のお手紙

実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。
※解決実績とお客様の声は必ずしも同じ事件とは限りません。

暴行事件における不起訴についてよくある質問

暴行事件の不起訴に関して、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。

「初犯なら大丈夫?」「逮捕されたらもう終わり?」といった疑問を持っている方は、ぜひ以下を参考にしてください。

Q. 暴行事件で初犯の場合は必ず不起訴になる?

A.初犯だからといって必ず不起訴になるわけではありません。

初犯であることは、検察官が不起訴を判断する上でプラスの要素になります。しかし、それだけで自動的に不起訴が決まるものではありません。

動機面で同情の余地がなく悪質な場合や、暴行の程度がひどい場合などは、初犯であっても起訴される可能性があります。また、被害者が強く処罰を求めており示談が成立していない場合も、起訴のリスクは高まります。

「初犯だから不起訴だろう」という考えは非常に危険です。後悔しないためにも刑事事件専門の弁護士に相談し、適切な処分の見通しを立てた上で、不起訴を獲得するために効果的な弁護活動を行うことをお勧めします。

Q. 暴行事件の不起訴率は?

A.暴行罪における不起訴率は比較的高い水準にあるとされています。

法務省が公表する検察統計によると、暴行罪は他の刑事事件と比較して不起訴(起訴猶予)となる割合が少しだけ高い傾向があります。これは、示談成立や初犯・軽微な事案が多いことが背景にあると思われます。

ただし、不起訴率はあくまで統計上の傾向であり、個別の事件が不起訴になるかどうかは別問題です。事件ごとの事情によって結果は大きく異なることを理解しておく必要があります。

Q. 暴行事件で不起訴になっても民事上の責任がある?

A.不起訴になっても民事上の損害賠償責任がなくなるわけではありません。

不起訴はあくまでも「刑事事件として裁判にかけない」という検察官の判断です。民事上の責任(損害賠償など)とは別の話になります。

つまり、刑事事件で不起訴になったとしても、被害者から民事訴訟を起こされて損害賠償を請求される可能性は残ります。この点への対処として有効なのが、示談の際に「民事上の責任も追及しない」旨の条項を盛り込むことです。

示談書に「民事上の一切の請求を行わない」「損害賠償請求権を放棄する」といった条項を入れることで、後から民事上の責任を追及されるリスクを消滅させることができます。

このように被害者との示談は、示談書の内容が刑事手続きだけでなく、その後の民事手続きにも大きく影響することを考えると、被害者との示談は、弁護士に任せることをお勧めします。

Q. 暴行事件で逮捕されても不起訴は目指せる?

A.逮捕された場合でも不起訴を目指すことは十分に可能です。

逮捕はあくまで身柄を拘束する刑事手続きであり、起訴されることが確定したわけではありません。逮捕後、検察官が起訴・不起訴を判断するまでには一定の時間があります。

この期間に弁護士が迅速に動き、示談交渉や検察官への働きかけを行うことで、不起訴処分を獲得できる可能性があります。逮捕されたからといって諦める必要はありません。大切なのは、逮捕直後にできるだけ早く弁護士に連絡することです。

暴行事件で不起訴を獲得するためには弁護士へ相談

ここまで解説してきたとおり、暴行事件で不起訴を目指すためには、早期の弁護士相談と被害者との示談交渉が最も重要なポイントです

当事者同士での示談交渉は、連絡先が開示されない・示談金額でトラブルになるなど、現実的に多くの壁があります。弁護士が代理人として動くことで、交渉がスムーズに進みやすくなるだけでなく、捜査機関への意見主張や起訴後の弁護活動まで一貫したサポートを受けられます。

「初犯だから大丈夫」「逮捕されたからもう終わり」と思い込まず、まずは刑事事件に強い弁護士に相談することが、最善の結果への第一歩です。

早ければ早いほど、取れる選択肢は広がります。一人で悩まず、専門家の力を借りましょう。