恐喝事件における不起訴率は?逮捕されても不起訴を目指すことはできる?

公開日:2026-09-11

恐喝をしてしまった、あるいは家族が恐喝の疑いで逮捕された——。そんな状況に直面していませんか?

「このまま起訴されてしまうのか」「前科がつくのか」と不安を感じている方も多いでしょう。逮捕=起訴・というイメージがあるため、絶望的な気持ちになるのも無理はありません。

実は、恐喝事件を起こしても必ずしも起訴されるわけではありません。不起訴を獲得するための手段も存在します。

この記事では、恐喝事件における起訴・不起訴の基準や不起訴を目指すためのポイント、弁護士に依頼するメリットまでを、わかりやすく解説します。

目次

恐喝罪とは

恐喝罪は、刑法第249条に定められた犯罪です。他人を脅して財物を交付させたり、財産上の利益を得たりする行為が該当します。

たとえば「金を払わなければ暴力を振るう」などと脅して相手からお金を奪う行為が典型例です。恐喝罪が成立した場合、10年以下の拘禁刑が科されます。

なお、従来は「懲役・禁錮刑」という区別がありましたが、令和7年(2025年)6月からは「拘禁刑」に一本化されました。この改正により、受刑者の処遇において作業と指導が柔軟に組み合わせられるようになっています。

脅迫罪との違い

恐喝罪と混同しやすい犯罪に脅迫罪(刑法第222条)があります。両者の違いは「財物の交付を要求したかどうか」にあります。

罪名

内容

刑罰

恐喝罪

脅して財物・財産的利益を得る行為

10年以下の拘禁刑

脅迫罪

害悪を告知して相手を脅す行為

2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

単に「殴るぞ」と脅すだけであれば脅迫罪ですが、そこに「金を払え」という要求が加わると恐喝罪になります。恐喝罪のほうが刑罰が重いのは、財産的被害まで伴う悪質性が高いためです。

恐喝事件を起こすと必ず起訴される?

結論から言えば、恐喝事件を起こしても必ず起訴されるわけではありません。

日本の刑事手続きでは、検察官が起訴・不起訴を判断します。この制度を「起訴便宜主義」と呼び、証拠が十分であっても、諸般の事情を考慮して不起訴にすることができます。

不起訴になる理由はさまざまで、「嫌疑不十分」「起訴猶予」などが代表的です。特に初犯で示談が成立しているケースでは、起訴猶予として不起訴になる可能性が高まります。

恐喝事件で起訴されるとどうなる?

恐喝事件で起訴された場合、その後の生活や社会的立場に大きな影響が出ます。具体的に何が起きるのかを把握しておきましょう。

前科がつく

前科とは有罪判決が確定した事実のことです。不起訴や無罪判決の場合は前科にはなりません。

前科がつくと、次のようなデメリットが生じます。

一度ついた前科は消えません。将来の生活を守るためにも不起訴を目指すことには大きな意味があります。

刑事裁判を受ける可能性がある

起訴には大きく分けて2種類あります。

公判請求された場合、法廷で裁判が行われます。裁判では検察側と弁護側が証拠を提出し、判決が下されます。

刑事裁判を受けるデメリットとして、以下が挙げられます。

公判請求は、事件の悪質性が高い場合や被害者との和解が得られていない場合に選択されやすい傾向があります。

恐喝事件における起訴・不起訴の基準

検察官が起訴・不起訴を決める際に、明確な数値基準があるわけではありません。事案の内容・被疑者の属性・被害者との関係など、複数の要素を総合的に判断します。

代表的な判断要素を以下で解説します。

被害者と示談が成立しているか

示談とは、被害者と加害者が民事上の紛争を話し合いで解決する合意のことです。示談書を作成し、加害者が謝罪・賠償を行い、被害者がこれを受け入れます。

示談が成立しているかどうかは、起訴・不起訴の判断において非常に重要なポイントになります。被害者が「処罰を望まない」という意思を示すことで、検察官が起訴猶予として不起訴を選択しやすくなります。

恐喝事件では被害者の感情的なダメージも大きいため、真摯な謝罪と適切な示談金の支払いが和解への鍵となります。

事件内容の悪質性

事件の態様が悪質であればあるほど、起訴される可能性は高まります。

たとえば以下のようなケースは悪質性が高いと判断されやすい傾向があります。

怪我の程度が重いほど、起訴される可能性は高くなります。また、恐喝に至るまでの経緯や手段が計画的・悪質であった場合も、同様の判断がなされやすいです。

初犯か同種の前科があるか

過去に恐喝や類似の犯罪で有罪となった経歴がある場合、再犯として厳しく判断される傾向があります。

ただし、初犯であれば必ず不起訴になるわけではありません。事件の内容や悪質性によっては、初犯でも起訴されるケースがあります。

恐喝事件で逮捕されても不起訴は目指せる?

逮捕されたからといって必ず起訴されるわけではありません。逮捕はあくまで身柄を拘束するための手続きであり、その後の捜査・判断によって不起訴になる可能性は十分あります。

逮捕後、警察は48時間以内に検察へ送致し、検察は24時間以内に勾留請求するかどうかを決めます。勾留が決まった後、その延長も含めて、最大で20日間の勾留期間が設けられ、その間に検察官が起訴・不起訴を判断することが多いです。

この期間中に被害者との示談を成立させたり、反省の態度を示したりすることが、不起訴の実現につながります。時間的な制約が非常に厳しいため、逮捕直後から弁護士のサポートを受けることが大切です。

恐喝事件で不起訴を獲得するためのポイント

事件の内容にもよりますが、恐喝事件で不起訴を目指す上で最も重要なのは被害者との示談を成立させることです。

示談交渉を通じて被害者から「処罰を望まない」という意思を引き出すことができれば、検察官が起訴猶予として不起訴を選択する可能性が高まります。

示談以外にも、以下のような対応が不起訴に向けた有効な取り組みとなります。

不起訴を目指す取り組みは、時間との戦いでもあります。逮捕直後から弁護士に相談し、迅速に行動に移すことが不可欠です。

当事者間の示談交渉は難しい?

示談交渉の重要性は理解できても、当事者だけで進めるのは非常に困難です。その理由を具体的に見ていきましょう。

被害者の連絡先を教えてもらえない

恐喝の被害者は、加害者に対して強い恐怖や怒りの感情を抱いていることがほとんどです。そのため、警察を通じても被害者が連絡先の開示を拒否するケースが非常に多いです。

加害者本人が直接接触しようとすれば、被害者にさらなる恐怖を与えることになりかねません。最悪の場合、接触行為自体が新たな犯罪(ストーキング・脅迫など)と見なされるリスクもあります。

弁護士が介在することで、第三者として信頼性が高まり、被害者側が連絡先を開示してくれるケースが増えます。

適正な示談金で示談ができない

示談交渉においては、示談金の金額をめぐってトラブルになることも珍しくありません。

被害者が高額な示談金を要求してくるケースもあれば、逆に加害者側が低すぎる金額を提示してしまい交渉が決裂するケースもあります。適正な示談金の相場を把握していなければ、交渉は難航します。

また、感情的なやり取りになりやすく、冷静な交渉が難しいのも当事者間の特徴です。示談書の内容が不十分であると、後に民事上のトラブルに発展することもあります。

恐喝事件で弁護士に依頼するメリット

恐喝事件では、早期に弁護士に刑事弁護を依頼することで、不起訴の可能性を大きく高められます。

代理人弁護士として被害者と示談交渉ができる

弁護士が代理人として介入することで、被害者が連絡先を開示してくれる可能性が高まります。弁護士は第三者として中立的な立場から交渉を進めるため、被害者の感情的な反発を和らげる効果があります。

また、恐喝事件における示談金の相場を熟知した上で、適正な金額での交渉を進めることができます。示談書の内容についても、民事上の責任を明確に処理できるよう適切に作成します。

捜査機関に対して意見を主張できる

弁護士は検察官や警察に対して、不起訴を求める意見書の提出や、被疑者に有利な証拠の提示を行うことができます。

「被疑者が反省している」「被害者と示談が成立した」「再犯のおそれがない」といった事情を、法的な観点から的確に伝えることが可能です。当事者本人が主張するよりも、専門家が正式な手続きで申し立てるほうが、捜査機関に与える影響は大きくなります。

起訴された場合でもサポートできる

万が一起訴された場合でも弁護士のサポートは続きます。

公判請求された場合は、執行猶予付き判決を目指した弁護活動を行います。執行猶予が認められれば、実際には拘禁刑を受けずに社会生活を継続できます。また、証拠開示請求など適切な対応を通じて被告人の権利を守ります。

【事務所紹介】刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件の弁護活動を中心に取り扱う法律事務所です。

刑事事件・少年事件は一般の民事事件や行政事件とは内容や担当機関が大きく異なっているため、刑事事件・少年事件の専門知識と弁護活動が必要になります。

当事務所は刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を扱う実績豊富な弁護士が、最初の相談から捜査・裁判終了による事件解決まで一貫して、丁寧に対応致します。

弊所の特徴①:24時間無料法律相談受付

弊所では初回の法律相談を無料で承っています。

法律相談のご予約はフリーダイヤルにて受付中。なおフリーダイヤルについては、24時間、年中無休で対応していますので、何時でもお気軽にお電話ください。

弊所の特徴②:安心の即日・迅速対応

北は北海道の札幌、南は九州の福岡まで、全国の主要都市12か所に事務所を設けており、日本全国に対応している点も弊所の強みです。

法律相談についてはお客様のご希望の日時でご予約が可能、また弁護士を派遣する初回接見サービスについてはご予約いただいて、最短当日に弁護士を派遣することができます。

今すぐ相談したい、今すぐ活動を開始して欲しいという方のご希望に応えることができる体制を整えておりますのでご安心してご相談ください。

弊所の特徴③:経験豊富な弁護士が多数在籍

弊所は開設して10年以上、刑事事件を主に扱っている法律事務所です。

傷害事件のような被害者の存在する事件においては、被害者と示談することができるかどうかが、その後の刑事処分に絶大な影響を及ぼしますが、弊所では、刑事事件における示談の経験が豊富な弁護士による活動をお約束することができます。

刑事事件の弁護活動を熟知した弁護士による、弁護活動を受けることで、きっとご安心していただくことができるでしょう。

弊所の特徴④:安心明確な料金体系

ご契約前に、着手金、報酬金、実費日当等の弁護士費用について明確にし、お客様に納得していただけるまで丁寧に説明させていただいております。

また、弁護士費用についてお客様が不安を感じないように、契約書に弁護士費用一覧表を添付させていただいております。

料金詳細については弊所HPをご覧ください▼

料金表 

【解決実績】実際に依頼を受けた恐喝事件

ここでは実際に事務所が依頼を受けた恐喝事件で、どのような弁護活動を行ったか紹介します。

事例①:盗撮犯への恐喝事件

商業施設内で盗撮を行っていた男性(被害者)を発見し、「警察に通報されたくなければお金を払え」と要求して、被害者から現金を受け取った、いわゆる「盗撮ハンター」の恐喝事件です。

被害者が警察に通報して、被疑者は恐喝罪の疑いで逮捕され、その後、身体拘束を継続する「勾留」が決定しました。逮捕された被疑者のご家族から弁護活動の依頼を受けて、弁護活動を開始しました。

担当弁護士は、捜査機関を通じて被害者の方への示談の希望を伝え、示談交渉を開始しました。電話での交渉を経て、被害者の方から「刑事責任を問わない」文言を含む示談の合意を取り付けることができました。

結果、検察官は被疑者を釈放し、不起訴処分となりました。

事例②:援助交際に偽装した恐喝事件

被疑者は、マッチングアプリを利用して未成年女子になりすまし、援助交際に応じようとした複数の利用者男性(被害者)に因縁をつけて金銭を要求したというケースです。被疑者は恐喝罪の疑いで逮捕され、その後、身体拘束を継続する「勾留」が決定しました。

担当弁護士は、捜査機関を通じて被害者の方への示談の希望を伝え、示談交渉を開始しました。一人の被害者の方からは通常の示談締結を取り付けることができ、もう一人の被害者の方からは「刑事責任を問わない」文言を含む示談の合意を取り付けることができました。

複数名に対して複数回の恐喝行為を繰り返した点から公訴提起(起訴)されることになりましたが、起訴後すみやかに保釈請求を行い、保釈決定を獲得することができ、被告人は無事釈放されることになりました。

また、公判(裁判)においては、被害者との示談の点や、被疑者の社会的制裁、事実に対する重大な反省等の情状面で主張を行いました。結果、執行猶予つきの懲役刑判決が下されました。

【お客様の声】ご依頼者様から頂いた感謝のお手紙

実際にご依頼者様から頂いた感謝の手紙をご紹介します。
※解決実績とお客様の声は必ずしも同じ事件とは限りません。

恐喝事件における不起訴についてよくある質問

最後に、よくある質問(Q&A)をまとめました。

Q.恐喝事件で初犯の場合は必ず不起訴になる?

A.初犯だからといって必ず不起訴になるわけではありません。

初犯であることは不起訴に向けた有利な事情のひとつにはなりますが、決定的な要素ではありません。被害の大きさ、事件の悪質性、示談の成否などを総合的に判断した上で、検察官が起訴するかどうかを決めます。

初犯であっても、被害者に重傷を負わせていたり、組織的・計画的な犯行であったりする場合は、起訴される可能性があります。

Q.恐喝事件で不起訴になっても民事上の責任がある?

A.不起訴になっても民事上の責任がなくなるわけではありません。

不起訴はあくまで「刑事上の処罰を行わない」という判断であり、被害者が損害賠償請求を行う権利は残ります。別途、民事訴訟を起こされるリスクがあります。

こうした事態を防ぐためには、示談書の中に「民事上の責任を追及しない(清算条項)」という条項を盛り込むことが有効です。弁護士を通じた示談交渉では、こうした条項を適切に組み込むことができます。

Q.恐喝事件で逮捕されても不起訴は目指せる?

A.逮捕された後でも不起訴を目指すことは可能です。

逮捕後から起訴・不起訴の判断が下されるまでの間に、示談交渉を成立させたり、反省の意思を示したりすることで、検察官が不起訴を選択する可能性が高まります。

ただし、勾留期間は最大23日間と限られています。この短期間に有効な対応を取るためには、逮捕直後に弁護士に相談し、迅速に動き出すことが何より大切です。

恐喝事件で不起訴を獲得するためには弁護士へ相談

恐喝事件で不起訴を目指すためには、被害者との示談成立が最大のポイントになります。しかし、当事者間での示談交渉は難しく、弁護士なしでは適切に進められないケースがほとんどです。

逮捕および勾留の決定、そして勾留の延長も含めて身体拘束は、最大23日間であり、示談交渉のための時間は限られています。「まだ大丈夫」と先送りにすることが、最大のリスクです。

弁護士に依頼することで、被害者との示談交渉をスムーズに進められるだけでなく、捜査機関への意見主張や、万が一起訴された場合の執行猶予獲得に向けた活動まで、一貫したサポートを受けることができます。

恐喝事件で逮捕された、あるいは逮捕される可能性がある場合は、できるだけ早く刑事事件に詳しい弁護士へ相談しましょう。