事例紹介
【事例解説】大音量でテレビを流して隣人を睡眠障害に(後編)
深夜早朝にかけて大音量でテレビを流して隣人を睡眠障害等にかからせた事例について、前編と後編の2回に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・事件概要
京都府北警察署は、傷害罪の疑いで看護師の男(43)を逮捕した。
警察署によると、男は、昨年から1年間にわたって週に3回ほど、自分が病院の夜間勤務で家を空けている日の深夜から自宅に帰る早朝にかけて、大音量でテレビを流しっぱなしにして隣人に精神的ストレスを与えたとされている。
被害にあった隣人は、精神科の医師から睡眠障害と診断され、慢性頭痛症と円形脱毛症となり警察署に被害届を提出した。
取調べに対し、男は、「自分が夜勤明けで眠たい昼間に隣人がうるさくて腹がたっていた」「静かにするよう言っても一向に改善されないので、同じ目に合わせてやろうと思ってやった」と述べている
(フィクションです)
・傷害結果はあったと言えるか?
上述の通り、本件の男の行為は、慢性的な頭痛や睡眠障害という症状を生じさせる現実的危険性がある行為と言えそうです。
もっとも、このような身体的棄損が外観上明らかでない精神的なストレス症状が、常に傷害罪のいう「傷害」にあたるといってよいのでしょうか?
この点、精神的なストレス症状は、脳の機能の傷害に基づくものである以上、通常の身体的機能の傷害と本質的に変わらないとも言えそうです。
しかし、精神的なストレス症状は主観的なものと言わざるを得ず客観性を欠いている上、行為との因果関係も明確でない場合もありますから、精神的ストレス症状の全てを「傷害」にあたるとすることには問題がありそうです。
裁判例を見ると、被害者が医師から精神障害として診断されていることを重視し、それに加え身体的症状が発生しているか、入院等をしているかを考慮しているようです。(井田良「講義刑法学各論<第2版>52頁以下」)
本件では、被害者の男性は、医師から睡眠障害と診断され、慢性頭痛症と円形脱毛症にかかっているようです。
したがって、傷害結果ありとして、傷害罪が成立する可能性があります。
・できるだけ早く弁護士に相談を
傷害罪(出典/e-GOV法令検索)は被害者のいる犯罪です。
被害者のいる犯罪では、被害者との間で示談を成立させることが非常に重要です。
早期に示談が成立していれば不起訴となる可能性がありますし、起訴後に示談が成立した場合でも、罪の減軽や執行猶予付判決が得られる可能性があるからです。
もっとも加害者が自分の力で示談交渉をすることは通常困難です。
本件のように、逮捕された場合、身動きが取れませんから被害者が交渉に応じてくれたとしてもスムーズにやり取りをすることが難しくなります。
逮捕されていない場合、加害者が被害者に接触することは不可能ではありません。
しかし、本件の被害者は、長期間にわたって日常生活を送ることを難しくさせ、睡眠障害や頭痛、円形脱毛症に苦しんでいるわけですから、強い処罰感情を持っていることが予想され、示談交渉に応じてくれない可能性があります。
そこで、示談交渉は交渉のプロである弁護士に一任することをおすすめします。
直接加害者とやり取りすることに抵抗を感じる被害者でも、弁護士が相手であれば、示談交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害罪の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得のほか、量刑を軽くしたり執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。
【事例解説】大音量でテレビを流して隣人を睡眠障害に(前編)
深夜早朝にかけて大音量でテレビを流して隣人を睡眠障害等にかからせた事例について、前編と後編の2回に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・事件概要
京都府北警察署は、傷害罪の疑いで看護師の男(43)を逮捕した。
警察署によると、男は、昨年から1年間にわたって週に3回ほど、自分が病院の夜間勤務で家を空けている日の深夜から自宅に帰る早朝にかけて、大音量でテレビを流しっぱなしにして隣人に精神的ストレスを与えたとされている。
被害にあった隣人は、精神科の医師から睡眠障害と診断され、慢性頭痛症と円形脱毛症となり警察署に被害届を提出した。
取調べに対し、男は、「自分が夜勤明けで眠たい昼間に隣人がうるさくて腹がたっていた」「静かにするよう言っても一向に改善されないので、同じ目に合わせてやろうと思ってやった」と述べている
(フィクションです)
・傷害罪とは
刑法204条(出典/e-GOV法令検索)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
傷害罪は、何らかの方法により人の身体を「傷害」する犯罪です。
判例によれば、傷害とは人の生理的機能に障害を加えることです(大判明治45年6月20日)
傷害という結果を生じさせる行為は、典型的には、人を殴って出血させる行為などがこれにあたります。
もっとも、傷害の罪に問われる行為は、このような殴る蹴る突き飛ばすといった目にみえる形での行為に限定されてはいません。
傷害という結果を招く危険性のある行為であれば、それが目に見えないような行為であっても傷害罪の行為に該当する可能性があります。
最高裁は、類似の事案で、およそ1年半にわたって隣人に対して朝から夜ないし翌未明まで、ラジオの音声や目覚まし時計のアラームを大音量で鳴らすことで被害者に精神的ストレスを与え、結果、被害者に全治不詳の慢性頭痛症、睡眠障害、耳鳴り症の傷害を負わせた事件において、当該行為は傷害罪の実行行為にあたるとしました(最高裁決定平成17年3月29日)。
事例に当てはめてみると
加害者の男は、隣人に対し、約1年間にわたって週に3回ほど、自分が病院の夜間勤務で家を空けている日の深夜から自宅に帰る早朝にかけて、大音量でテレビを流しっぱなしにして隣人を睡眠障害と慢性頭痛症にかからせたとされています。
1年間にわたって、週の半分の頻度で深夜早朝に大音量のテレビを流された場合、十分な睡眠がとることができず疲労が蓄積していまうでしょう。
その結果、日中の行動にも支障が生じてさらに疲労が溜まってしまうものの、深夜早朝の騒音により心身の状態は改善されず、精神的に疲弊し、慢性的な頭痛や睡眠障害などにかかってしまう可能性があります。
したがって、男のした行為は、慢性的な頭痛や睡眠障害という症状を生じさせる現実的危険性がある行為と言えそうですから傷害罪が成立する可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害罪の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得のほか、量刑を軽くしたり執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。
【事例解説】傷害罪で高校教師の男が現行犯逮捕
傷害の容疑で高校教師の男が現行犯逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例
高校教師のAさんは、繁華街でお酒を飲んだ帰りに道を歩いていた若者Vと口論になりました。ついカッとなってしまったAさんは、若者Vの胸元を手でつよく押してしまいました。。
Aさんに強く押されたはずみで、若者Vは転倒し、腰の骨を折るなどの重傷を負ってしまいました。
Aさんと若者Vのトラブルを目撃していた人が警察に通報し、臨場した警察官にAさんは傷害罪の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんを逮捕したと連絡を受けた、Aさんの妻は詳しい状況を知るために、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。
(フィクションです。)
傷害罪について
傷害罪は、刑法204条(出典/e-GOV法令検索)に規定されています。
「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」
「傷害」とは人の生理機能を侵害することであるとされています。
具体例としては、頭を叩いてたんこぶや内出血を負わせること、刃物で切り傷を負わせることなどが上げられます。
事例のAさんは、被害者の胸元を押して転倒させた上、腰の骨を折るなどの傷害を負っているため、人の生理機能を侵害したとして「傷害罪」が成立する可能性が高いです。
教員免許を持つ者に前科が付いてしまうと
教員免許についてを定める教育職員免許法第10条1項および第5条1項3号は、「禁錮以上の刑に処せられた者」は、教員免許が失効し、また再度の教員免許取得ができなくなる旨を定めています。そのため、仮に教師が傷害罪で起訴されて禁錮以上の前科が付いてしまうと、教師として働き続けることが困難になると考えられます。
そのため、教員免許を持つ者が、警察に逮捕されたり捜査を受けている場合は、なんとしてでも禁固以上の刑にならないようにすることが重要です。
弁護士に相談するメリット
傷害罪は被害者のいる犯罪ですから、被害者との間で示談を成立させることが重要となります。
仮に、早期に示談を成立させることができれば、不起訴処分となる可能性があります。
不起訴処分となれば、前科がつくこともありません。
仮に、起訴されたとしても、示談が成立していることは被告人にとって有利な事情となります。
刑事事件の被害者は通常、加害者に対して強い処罰感情を有しています。
そのため、加害者が被害者と直接連絡をとろうとしても拒絶される可能性があります。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者と直接連絡をとることに強い抵抗感をもつ被害者であっても弁護士相手であれば、示談交渉に応じてくれる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は傷害事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
傷害事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】口論から傷害事件に発展した事例
口論から殴り合いの喧嘩になり、相手をケガさせて傷害事件となった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・事例
Aさんは、会社への通勤中に、反対方向から歩いてきた男性Bの肩がぶつかり口論になりました。
相手が一向に謝罪しないため、AさんはBさんを殴って道路上で転倒させた結果、顔面を強く打ったBさんを出血させてしまいました。
周囲の人たちの通報により、駆け付けた警察は2人を署まで連れて行き、取調べを行ったあと、後日また呼び出すということで2人を解放しました。
不安に思ったAさんは、弁護士に相談してみることにしました。
・傷害罪
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
傷害罪は、人の身体を「傷害」する犯罪です。
判例によれば、傷害とは人の生理的機能に障害を加えることです(大判明治45年6月20日)。
例えば、人をバットで殴って出血させた場合がこれにあたります。
本件では、AさんはBさんを殴って、道路上で転倒させた結果、Bさんは出血したようです。
したがって、本件では、傷害罪が成立する可能性があります。
・弁護士に相談を
傷害罪は被害者のいる犯罪ですから、被害者との間で示談を成立させることが重要となります。
仮に、早期に示談を成立させることができれば、不起訴処分となる可能性があります。
不起訴処分となれば、前科がつくこともありません。
仮に、起訴されたとしても、示談が成立していれば、刑の減軽や執行猶予付き判決が得られる可能性があります。
刑事事件の被害者は通常、加害者に対して強い処罰感情を有しています。
そのため、加害者が被害者と直接連絡をとろうとしても拒絶される可能性があります。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者と直接連絡をとることに強い抵抗感をもつ被害者であっても弁護士相手であれば、示談交渉に応じてくれる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は傷害事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
傷害事件を起こしてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】軽微な暴行事件における弁護活動と微罪処分
人に故意に水をかけた架空の暴行事件を参考に、軽微な暴行事件における弁護活動と微罪処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事件
福岡市在住の会社員男性Aは、知人の女性Vと、市内の飲食店で食事中に口論となり、故意にVの身体にグラスの水をかけました。なお、Vに怪我はありません。
Vが福岡県博多警察署に被害届を提出したことで捜査が開始され、Aは、暴行の容疑で警察の取調べを受けることとなりました。
(事例はフィクションです。)
※前回の記事で解説したように、人に故意に飲料をかけただけでも、人の身体に対して不法な有形力の行使として、暴行罪(刑法第208条)が成立する可能性があります。
軽微な事件における微罪処分とは
警察が犯罪を認知して捜査をした場合、その書類や証拠物とともに事件を検察官に送致(報道等では「送検」と呼ばれることもあります。)しなければならないとされています(刑事訴訟法第246条本文)。送致された後、検察官が事件を引き継いで捜査の上、起訴するかを最終的に決定します。
しかし、この例外として、捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる、とされています(同条但書、犯罪捜査規範第198条)。
このように、軽微な犯罪の場合に、事件を検察官に送致せず終了させる措置のことを「微罪処分」と呼びます。
微罪処分の場合、被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒める、などの処置をとるものとされています(犯罪捜査規範第200条)。
なお、微罪処分となった事件は、被疑者の氏名や犯罪事実の要旨などが、1月ごとに一括して検察官に報告されるのみであり、起訴され刑罰を科されたり、それによって前科が付くことはないと考えられます。
暴行事件における微罪処分の要件
微罪処分の対象となる「検察官が指定した事件」については、犯罪の内容、被害者の処罰感情や犯人の前科前歴の有無などを考慮して、各地方検察庁において、具体的な基準を定めているとされます。
基準は非公開ですが、暴行事件については、概ね、以下のような基準が定められていると考えられます。
・犯行態様が軽微(共犯事件でない、武器を使用していないなど)であること
・被害者と示談が成立しており、被害者が処罰を望んでいないこと
・素行不良者でない者(粗暴犯の前科、前歴がないなど)の偶発的犯行であって再犯のおそれのないもの
軽微な暴行事件における弁護活動
暴行事件を起こした場合、被害者との示談を成立させ、示談書の中に宥恕条項(加害者の処罰を求めない旨の条項)を入れてもらうことが、微罪処分を受けるためにも重要となりますが、当事者同士では、被害者の被害感情などから示談交渉がうまくいかず、かえって示談の成立が困難になってしまうおそれがあります。
また、微罪処分を得るためには、事件が検察官へ送致される前までに示談を成立させ、その結果を警察へ報告する必要があるため、警察の捜査状況も確認しながら、示談交渉の経過を適時報告しつつ、迅速に示談交渉を進めていく必要があります。
そのため、被害者と知人関係にあるからといって、安易に自ら示談交渉を行おうとすることは避け、刑事事件に強く、示談交渉の経験豊富な弁護士に相談の上、対応を検討することをお勧めします。
まずは弁護士にご相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、暴行事件において、検察官不送致(微罪処分)を獲得した実績があります。
自身やご家族が暴行事件を起こしてしまい、今後のことでご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
【事例解説】刑務官による特別公務員暴行陵虐事件
刑務官による特別公務員暴行陵虐事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
刑務官であるAさんは、詐欺罪の懲役刑で服役中であるVさんの刑務作業中の態度が悪かったことに腹を立てて、Vさんのお腹を手拳で1回殴りました。
この様子を見ていた他の刑務官が、上司に報告したことから、Aさんは内部で調査を受けることになりました。
後日、Aさんは、上司から、「今回の件は刑事事件になる」という話を聞きました。
(この事例はフィクションです)
刑務官が受刑者に暴力を振るうとどのような罪に問われる?
普通の会社員の方が、路上で通行人とトラブルになって、通行人のお腹を1回殴った場合は、刑法208条の暴行罪が成立すると考えられます。
事例のAさんも、Vさんのお腹を1回殴るという上記の暴行と同じ暴行を加えていますが、Aさんは会社員ではなく刑務官という立場で、仕事中に受刑者を殴っています。
このような場合には、暴行罪ではなく、暴行罪よりも重い特別公務員暴行陵虐罪が成立する可能性があります。
特別公務員暴行陵虐罪とは
特別公務員暴行陵虐罪は刑法195条に規定されている犯罪で、一定の立場にある公務員が、仕事をするにあたって、およそ職権の行使とは言えない違法行為を行った場合を処罰の対象にしています。
職務の行使とは言えない違法行為として、刑法195条では、事例のAさんのような「暴行」と「陵辱若しくは加虐」の2つを規定しています。
ここでの「暴行」は暴行罪の暴行と同じ意味で、人を殴る蹴るといった身体に対する不法な有形力の行使のことです。
そして、「陵辱若しくは加虐」(陵虐)とは、暴行以外の方法で、精神的・肉体的に苦痛を与える行為を意味しています。
また、どのような公務員が誰に対して暴行・陵虐行為をした場合に罪に問われるかというと、まず、刑法195条1項では、裁判、検察若しくは警察の職務を行う者や、これらの職務を補助する者が、被告人や被疑者、証人や鑑定人などのその他の者に対して暴行・陵虐行為を行った場合を規定しています。
次に、刑法195条2項では、法令により拘禁された者を看守し又は護送する者が、その拘禁された者に対して暴行・陵虐行為を行った場合を規定しています。
取り上げた冒頭の事例では、Vさんは詐欺罪の懲役刑で服役していますので195条2項にいう法令により拘禁された者に当たり、Aさんはそのような法令により拘禁された者である受刑者を看守する刑務官という立場になります。
そのため、刑務官であるAさんが、受刑者のVさんを仕事中に殴ったという冒頭の事例では、Aさんに刑法195条2項による特別公務員暴行陵虐罪が成立すると考えられます。
特別公務員暴行陵虐罪の法定刑は、7年以下の懲役又は禁錮となっています。
暴行罪の法定刑が、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっていることと比較すると分かるように、特別公務員暴行陵虐罪の法定刑は、暴行罪の法定刑よりも重くなっています。
特別公務員暴行陵虐事件で捜査を受けられている方は
このように特別公務員暴行陵虐罪は単なる暴行罪と比較して非情に刑が重い犯罪であると言えますので、特別公務員暴行陵虐罪として逮捕、起訴される可能性があるという方は、いち早く弁護士に相談して、事件の見通しや今後の対応等についてアドバイスを貰われることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
特別公務員暴行陵虐事件で内部の調査を受けて逮捕、起訴される可能性があるという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】包丁を突きつけて脅迫 暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕
包丁を突きつけながら脅迫行為をしたことで、暴力行為等処罰法違反の疑いで警察に逮捕された事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、自宅で、同居している父親のⅤさんと些細なことから口論になりました。
Aさんは怒りの余り、Ⅴさんに対して包丁を突きつけながら「殺すぞ」と言い放ちました。
この様子を見たAさんの母親が、警察に通報したところ、Aさんは、駆け付けた警察官に暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
包丁を突きつけながら「殺すぞ」と言うとどのような罪に問われる?
事例のAさんは、Vさんに対し包丁を突きつけながら「殺すぞ」と言っています。
「殺すぞ」という発言は人の生命に害を加える旨を告知していることになりますので、刑法222条が規定する脅迫罪に当たることになります。
ところが、Aさんは脅迫罪ではなく暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕されています。
暴力行為等処罰法(正式には「暴力行為等処罰に関する法律」といいます)の1条では、一定の場合に行われた脅迫行為を刑法よりも重く処罰しています。
どのような場合に行われた脅迫行為が暴力行為等処罰法1条によって処罰の対象になるかというと、実際に団体や多衆で威力を示して脅迫行為を行った場合や、団体や多衆であるかのうように仮装して威力を示して脅迫行為を行った場合、凶器を示して脅迫行為を行った場合、数人で共同して脅迫行為を行った場合です。
事例のAさんは、包丁という凶器を示しながら「殺すぞ」という脅迫行為を行ったため、暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕されたと考えられます。
暴力行為等処罰法1条の法定刑は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金となっています。
これは、刑法222条が脅迫罪の法定刑を2年以下の懲役又は30万円以下の罰金としていることと比較すると、暴力行為等処罰法1条の法定刑の方が刑法222条の脅迫罪の法定刑よりも重いことが分かると思います。
なお、暴力行為等処罰法1条は、脅迫罪以外にも、傷害罪(刑法204条)、暴行罪(刑法208条)、器物損壊罪(刑法261条)といった犯罪も適用の対象にしていますので、団体や多衆で威力を示して暴行行為をした場合や、数人で共同して器物損壊をした場合などにも暴力行為等処罰法1条によって罰せられる可能性があります。
暴力行為等処罰法違反の疑いで警察の捜査を受けられている方は
先ほど簡単に説明した暴力行為等処罰法1条で規定されている場合以外では、たとえば、銃砲や刀剣類を用いて人の身体を傷害した場合には暴力行為等処罰法1条の2第1項によって1年以上15年以下の懲役が科される可能性がありますし、また、常習的に傷害罪、暴行罪、脅迫罪、器物損壊罪を行った場合には、暴力行為等処罰法1条の3第1項によって3月以上5年以下の懲役が科される可能性もあります。
この他にも、暴力行為等処罰法では刑罰の対象にしている行為を規定していますので、暴力行為等処罰法違反の疑いで警察の捜査を受けられている方は、いち早く弁護士に相談して、自身がどのような罪に問われる可能性があるのか、弁護活動としてどのような対応をとることができるのかといったことについてアドバイスを貰われることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は暴力行為等処罰法違反事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
暴力行為等処罰法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【報道解説】老人ホーム職員の入所者に対する傷害事件で逮捕
【報道解説】老人ホーム職員の入所者に対する傷害事件で逮捕
老人ホーム施設職員が入所者に暴行して怪我をさせた傷害罪の刑事事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事件概要】
福岡県久留米市の特別養護老人ホームの介護職員男性A(32歳)が、入所者女性V(86歳)の腕を殴り骨折の怪我を負わせたとして、傷害罪の容疑で逮捕されました。
福岡県警久留米警察署の調べでは、Aは、食事介護中にVが何度も皿を落としたことに腹が立ち、腕を殴ったことは認めていますが、怪我をさせるつもりはなかったと供述しています。
(令和5年3月8日の「共同通信」の記事をもとに、一部事実を変更したフィクションです。)
【傷害罪とは】
傷害罪については、刑法第204条で以下のように定められています。
「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」
傷害とは、「人の生理的機能に障害を生じさせること」を意味しており、骨折や創傷等の外傷は勿論のこと、眩暈や腹痛などの疾患を引き起こすことも含まれます。
通常、暴行によって傷害を生じさせる場合が多いですが、傷害を生じさせる意図(故意)により、暴行以外の手段で傷害を生じさせる場合も傷害罪が成立します。例えば、執拗な嫌がらせ電話により相手をノイローゼにさせた例が挙げられます。
【傷害の故意がない暴行による場合の傷害罪の成立】
暴行以外の手段であれば傷害の故意が必要であると述べましたが、故意の暴行により傷害が発生した場合では、例え傷害の故意がなかったとしても、傷害罪が成立します(結果的加重犯)。
つまり、故意に殴ったことは認める場合は、怪我をさせるつもりはなかったと主張しても、傷害罪は成立します。
【傷害罪の刑事弁護】
被害者感情が重要視される昨今、傷害事件においても、被害者の方と示談することは、重要な弁護活動です。
示談が成立することで、逮捕・勾留による身体の拘束から解放されたり、検察官が起訴することなく事件を終わらせたりする可能性が高まるなど、示談締結のメリットは大きいです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害罪の示談交渉等を数多く経験し、示談成立による身柄解放や不起訴を獲得している実績があります。
老人ホームの職員による入所者への傷害事件で不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
【事件解説】人に水をかけて暴行罪
【事件解説】人に水をかけて暴行罪
人に故意に水をかけるという行為だけで暴行罪(刑法第208条)が成立するかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【刑事事件例】
福岡市在住の会社員男性Aは、友人の会社員女性Vと、博多区のショッピングセンターの飲食店で食事中に口論となり、故意にVの身体にグラスの水をかけました。
Aからの謝罪もなく怒りの収まらないVが警察に被害届を提出したことで捜査が始まり、暴行罪の容疑でAへの任意の取調べが行われました。
福岡県警博多警察署の調べでは、Aは容疑を認めています。なお、Vに怪我はありません。
(事例はフィクションで、登場人物はすべて成人です。)
【暴行罪とは】
暴行罪については、刑法第208条で以下のように定められています。
「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」
【直接触らない「暴行」】
暴行罪で定める「暴行」が、具体的にどのような行為を指すかは明文で示されていません。
「暴行」という言葉からは、直接殴ったり蹴ったりする行為をイメージする方が多いと思いますが、最高裁判所の判例では、「暴行」とは、「人の身体に対する不法な有形力の行使」と示されており、直接的な身体の接触までは求められていないため、人の身体に向けた攻撃であれは、一般的なイメージよりも幅広い行為が「暴行」に該当し得ると言えます。
例えば、衣服を掴み引っ張る行為、携帯用拡声器を用いて耳元で大声を発する行為、人の顔や胸に塩を数回かける行為も、判例上は「暴行」に該当するとされています。
今回の事件例でAがVに水をかけた行為は、直接的な身体の接触は伴っていませんが、人の身体に向けた攻撃と言えるため「暴行」に該当し、暴行罪が認定される可能性が高いです。
【暴行罪の刑事弁護】
傷害罪や暴行罪といった暴力犯罪は、早い段階で被害者との示談が成立することで、逮捕・勾留による身体の拘束を防ぐことができたり、検察官が起訴することなく事件を終わらせたりする可能性が高まるなど、示談締結のメリットは大きいです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、暴行罪の示談交渉等を数多く経験し、身柄拘束の回避や不起訴を獲得している実績があります。
暴行罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
【事例解説】酒に酔って店の看板を損壊、他人に暴力
【事例解説】酒に酔って店の看板を損壊、他人に暴力
忘年会の帰りに酒に酔って物や他人に対して暴力をふるった刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例紹介】
「Aさんは、昨年末、地元に帰省した際に、高校時代の同級生と、居酒屋で忘年会をしました。
数件の飲食店で酒を飲み、べろべろの状態になったAさんは、自宅に帰る途中で、お店の看板を蹴り飛ばして壊しました。
看板が壊されたことに気が付いた店主のVさんが、様子を見に外に出てきたところ、Aさんは『何見てんだ』と因縁をつけて、Vさんの顔面を拳で一発殴って、その場から離れました。
Aさんは、帰宅し、通常通りの生活を送っていたところ、年明けのある日、警察からお店の看板を壊して人の顔を殴ったことについて話を聞きたいと連絡がありました。」
(この事例はフィクションです)
【酒に酔って起こしたトラブルで刑事事件に】
昨年の暮れに行われた忘年会や、年末年始で地元に帰省した際に親族や学生時代の友人たちとの飲み会、年明けに行われる新年会など、ここ最近でお酒を飲む機会がたくさんあった方がいらっしゃるかと思います。
その場の雰囲気が楽しくて、ついついお酒を飲みすぎてしまうこともあるかと思いますが、飲みすぎてトラブルを起こしてしまうと、警察が介入して刑事事件へと発展することがあります。
事例のAさんについていうと、酒に酔った状態でお店の看板を壊した行為は刑法261条の器物損壊罪に当たり、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料が科される可能性があります。
また、Vさんの顔面を拳で一発殴った行為は刑法208条の暴行罪に当たるでしょうし、顔面を殴ったことでVさんが怪我をしたのであれば、刑法204条の傷害罪に当たることになります。
暴行罪の法定刑は、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっていますが、傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっており、暴行罪の法定刑よりも重くなっています。
【器物損壊、暴行や傷害の疑いで警察から連絡がきたという方は】
年末年始にお酒を飲んだ際に起こした器物損壊、暴行、傷害事件について警察から呼び出しの連絡が来たという方は、弁護士に相談して今後についてアドバイスを貰われることをお勧めします。
また、事件を起こしたことを認める場合は、弁護士を通して被害者の方と示談を締結することが重要になります。
もちろん、被害者の方がどこのだれかとういうこよが分かっている場合は、ご自身で直接被害者の方に謝罪して示談金を支払うということもできますが、被害者の方からしてみれば、事件を起こした人に会うことを怖がって直接会うことをためらったり、逆に被害を受けたことの怒りからまともに交渉を受け付けてもらえないということがあります。
このような場合でも、弁護士であれば「話だけは聞いてみるか」と交渉を開始することが可能になったり、粘り強く交渉をしていく中で、最初は怒りに震えていた被害者の方も考えを改めてくれて示談を受け入れてもらえるということも十分可能な場合があります。
そのため、被害者の方との示談をお望みの方は、弁護士に依頼されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
警察の捜査を受けてお困りの方や、被害者の方との示談を考えている方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。