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【事例解説】飼い犬への虐待によって動物愛護法違反の疑いで書類送検

2023-08-11

 自宅で飼っていた犬を虐待していたとして動物愛護法違反の疑いで書類送検されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

 Aさんは、自宅で飼っていた犬が自分の言うことをきかないため、犬を蹴ったり、叩きつけたりといった虐待を加えていました。
 日常的な虐待によって、Aさんの犬はケガを負っています。
 ある日、Aさんが散歩中に犬に対して虐待をしているところを周りにいた目撃者の方に警察に通報されました。
 その後、警察からAさんの元に連絡が届き、Aさんは警察に呼び出されました。
 何度か警察に呼び出された後、Aさんは警察から『書類を検察に送るから』と言われました。
(この事例はフィクションです)

飼い犬に対して虐待を加えるとどのような罪に問われるか?

 Aさんは、動物愛護法違反の疑いで書類送検されています。
 「動物愛護法」とは、正式には「動物の愛護及び管理に関する法律」という法律名で、「動物愛護法」「動物愛護管理法」といった略称であらわされることが多いです。

 この動物愛護法44条1項では、「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処する。」と規定しています。

 事例のAさんは、自身が飼っている犬に対して蹴ったり、叩きつけたりという虐待を加えて、犬にけがを負わせていますが、犬は「愛護動物」に当たりますので、Aさんは動物愛護法44条1項によって5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科される可能性があるということになります。

 また、愛護動物を殺傷していなくても、愛護動物の身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加えたり、愛護動物に餌や水を与えずに衰弱させたり、愛護動物が病気になってもそのまま放置したり、愛護動物を排せつ物が堆積した場所で飼育していたりといった愛護動物に対する虐待を行っていた場合には、動物愛護法44条2項によって処罰の対象になる可能性が高いです。
 動物愛護法44条2項の法定刑は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっています。

愛護動物にはどのような動物が当たるか

 このように、「愛護動物」に対して虐待を加えると罪に問われる可能性がありますが、「愛護動物」には、犬以外にも、牛、馬、豚、めん羊、山羊、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひるが該当します(動物愛護法44条4項1号参照)。
 また、上記以外の動物で、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものも「愛護動物」に当たることになりますので(動物愛護法44条4項2号参照)、例えば、ペットで飼われているハムスターやインコといった動物も「愛護動物」に当たることになります。

書類送検とは

 事例のAさんは、数回警察に呼ばれた後に、警察から「書類を検察に送るから」と言われていますが、これは、報道でよく使われる「書類送検」をするということです。
 書類送検の後にどうなったかが報じられる機会が少ないことからか、書類送検されるとそれで事件が終わったと思われる方が少なくありませんが、そうではありません。
 書類送検とは、警察で作成した調書といった捜査書類や証拠となる物を警察から検察に送致することを意味していますので、書類送検がなされると、送致されてきた捜査書類等を踏まえて、検察官が被疑者を起訴するかどうかの判断を行うことになります。

動物愛護法違反の前科を付けたくないとお考えの方

 動物愛護法違反の疑いで書類送検された方で、前科を付けたくないとお考えの方は弁護士に相談して、今後の対応等についてアドバイスを受けることをお勧めします。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
 動物愛護法違反の疑いで警察の捜査を受けている方や、動物愛護法違反の疑いで書類送検された方、動物愛護法違反前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】土下座を強制させて強要罪で逮捕

2023-08-04

 相手に土下座を強制させたとして強要罪の疑いで警察に逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

 Aさんは、Bさんと交際関係にありますが、ある日、Bさんが別の男性Vさんとデートしている様子を見かけました。
 AさんがBさんを問い詰めると、Bさんは『Vさんに無理やり迫られたので仕方なく応じた』と答えました。
 これを聞いたAさんは、『人の彼女に手を出したのだから土下座をしろ』等と言いながらVさんに対して殴る蹴るなどの暴行を加えて、Vさんに土下座を強制的にさせました
 その後、Vさんは警察に被害届を出したところ、Aさんは強要罪の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

強要罪とは?

 Aさんは強要罪の疑いで逮捕されています。
 強要罪は刑法223条に規定されている犯罪になります。
 強要罪「脅迫」又は「暴行」を用いることによって、「人に義務のないことを行わせ」たか、又は「権利の行使を妨害した」場合に成立します。
 たとえば、事例のAさんのように、相手に殴る蹴るなどの暴力を用いて土下座をさせたという場合は、「暴行」によって「義務のないことを行わせ」たとして、強要罪が成立することになると考えられます。
 その他にも、刑事告訴の準備をしていた相手に「お前殺すぞ」といって刑事告訴をやめさせたという場合では、「脅迫」によって「権利の行使を妨害した」として、こちらも強要罪が成立することになると考えられます。

 強要罪の法定刑は3年以下の懲役刑となっていますので、仮に強要罪起訴されて有罪となった場合は、この範囲で刑が科されることになります。

ご家族の中に強要罪で警察に逮捕された方がいてお困りの方は

 突然、ご家族の中に強要罪の疑いで警察に逮捕された方がいて、何をどうしたらよいか分からずにお困りの方は、弁護士に初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
 逮捕直後は、たとえご家族様であっても、逮捕された方と面会することは出来ませんが、弁護士であれば、そのような制限なくいつでも自由に逮捕された方と接見(面会)して、逮捕された方とお話をすることができます。
 この初回接見で弁護士が逮捕された方から事件について話を伺うことで、事件の見通しや今後の流れといったことについて知ることができます。

 また、強要罪のような被害者の方がいる犯罪について前科がつくことを回避したいとお考えの場合、被害者の方に謝罪をして示談を締結することが非常に重要になります。
 初回接見をきっかけに弁護士に被害者の方との示談交渉を依頼して、検察官が起訴の決定をする前に、被害者の方と示談を締結することができれば、強要罪前科を回避できる可能性を高めることになるでしょう。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
 ご家族の中に強要罪で警察に逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】隣の家の外壁を破壊した建造物等損壊事件

2023-07-28

 ご近所トラブルから隣の家の外壁に穴をあけたことによる建造物損壊事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

 Aさんは、隣の家に住むVさんとウマが合わず、常日頃からトラブルになっていました。
 ある日、些細なことからVさんと言い争いになったAさんは、怒りのあまり、Vさんの自宅の外壁に大きな穴を開けました。
 Vさんは、Aさんが外壁に穴を開けたところを目撃していましたので、Aさんに対して、警察に被害届を出す意向があるという話をしました。
(この事例はフィクションです)

建造物損壊罪とは?

 事例のAさんは、Vさんが所有する家の外壁に大きな穴を開けています。
 このように、誰かの物を壊したときは器物損壊罪になると思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、破壊した物が他人の所有する建造物であった場合は器物損壊罪ではなく建造物損壊罪が成立する可能性があります。
 建造物損壊罪は刑法260条で「他人の建造物…を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。」と規定されています。
 この条文を見ての通り、建造物損壊罪が成立するためには、他人が所有する「建造物」「損壊」することが必要になります。

「建造物」とは?

 それぞれの言葉の意味について簡単に説明します。
 まず、「建造物」とは、家屋その他これに類似する建築物のことをいい、屋根があって壁または柱で支えられており、土地に定着して、少なくともその内部に人が出入りできるものを意味しています。
 そのため、事例のAさんが大きな穴を開けた外壁は、「建造物」に当たると考えられます。
 「建造物」に該当するそのほかの例としては、天井板や敷居、屋根瓦、住居の玄関扉といったものがあります。

「損壊」とは?

 また、「損壊」とは、物理的にその全部または一部を破壊する行為に加えて、物理的な破壊がなくても建造物の効用を害する行為までも意味しています。
 事例のAさんが壁に大きな穴をあけるという行為は、建造物を物理的に破壊する行為と言えますので、「損壊」に当たると言えるでしょう。
 それ以外にも、例えば、他人が住む家の外壁にラッカースプレーで大きな落書きをしたというような場合は、外壁を物理的に破壊したというわけではありませんが、落書きによって建物の外観ないし美観じゃ著しく汚損されて、原状回復に相当の困難を生じさせるようなものであるといえますので、建造物の効用を害する行為として「損壊」に当たると考えられます。

建造物損壊罪で前科を付けたくないとお考えの方は

 建造物損壊罪の法定刑は5年以下の懲役となっています。
 これは、刑法261条の器物損壊罪の法定刑が3年以下の懲役または30万円以下の罰金若しくは科料となっていることと比較すると明らかなように、建造物損壊罪の法定刑は器物損壊罪の法定刑よりも重く定められています。
 さらに、建造物損壊罪の法定刑には罰金刑が定められていませんので、不起訴とならなければ、必ず公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。

まずは弁護士に相談を

 このような建造物損壊罪について前科を付けたくないとお考えの方は、いちはやく弁護士に今後の対応について相談されることをお勧めします。
 弁護士に依頼して、建造物損壊罪の被害者の方と示談をすることができれば、不起訴となって建造物損壊罪前科がつくことを回避する可能性を高めることができるでしょう。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
 建造物損壊罪前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】万引き現場から離れた場所での暴行による事後強盗致傷事件

2023-07-21

 万引き犯が、万引き現場から離れた場所で、追いかけてきた店主を殴って怪我を負わせた事後強盗致傷事件を参考に、事後強盗致傷罪とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件

 大阪市在住の自営業男性Aが、同市内の酒店で缶ビール1本を万引き後、酒店から約100m付近の路上で、Aを追いかけてきて捕まえようとした店主男性Vの腕を殴り、Vに全治2週間の打撲を負わせたとして、事後強盗致傷の容疑で逮捕されました。
 警察の調べによると、Aは「怪我を負わせるつもりはなかった」と事後強盗致傷の容疑を一部否認しているとのことです。
(事例はフィクションです。)

事後強盗罪における「窃盗の機会」とは

 窃盗犯が、財物を取り返されるのを防ぐこと、逮捕を免れること、罪跡を隠滅すること、のいずれかの目的をもって「暴行」を加えた場合、強盗罪が成立する、と定められています(刑法第238条)。
 
 これを事後強盗といいますが、「暴行」「窃盗の機会」に行われる必要があるとされ、「窃盗の機会」といえるためには、窃盗行為と暴行時間的・場所的接着性があり、暴行時において、被害者等から容易に発見されて、財物を取り返され、あるいは逮捕され得る状況が継続していたことが必要とされます。

 本件Aは窃盗犯であること、AがVの顔面を殴った行為は、Vから財物を取り返されるのを防ぐこと、又はVに現行犯逮捕されるのを免れる目的をもって加えた「暴行」に該当することは争いがないものと考えられます

 また、「暴行」は、万引きの現場である酒店から100m程度しか離れていない路上において、万引きを現認後、そのまま追跡してきた店主Vに対して行われた暴行であり、「窃盗の機会」が継続中に行われたものと認められる可能性が高いと考えられます。

 よって、Aに事後強盗の成立が認められるほか、Vの致傷について、Aは「怪我を負わせるつもりはなかった」と傷害の故意を否定していますが、故意の暴行により傷害が発生した場合では、例え傷害の故意がなかったとしても、傷害罪が成立することから、事後強盗致傷罪まで成立し得ると考えられます。

事後強盗致傷事件の刑事弁護

 事後強盗致傷罪の法定刑は、無期又は6年以上の懲役のため、事後強盗致傷罪で起訴された場合、情状酌量などによる刑の減軽がない限り、執行猶予が付くことはなく、懲役刑の実刑となる可能性が高いです。

 本件で、Vの怪我が全治2週間と比較的軽傷で済んでいることから、Vに対して真摯な謝罪と被害弁償を行った上、示談が成立することで、不起訴処分や刑の酌量減軽による執行猶予を得られる余地も生じるため、示談交渉は、刑事事件に強く、示談交渉の経験豊富な弁護士への依頼をお勧めします。

 また、事後強盗致傷罪は、法定刑に無期懲役を含むため、事後強盗致傷罪起訴された場合、裁判員裁判の対象となります。
 裁判員裁判では、審理の前に事件の争点や証拠を整理して審理の計画を立てる「公判前整理手続」が必ず開かれる点など、通常の刑事事件の裁判とは異なる点も多いため、起訴される見込みとなった場合は、裁判員裁判の経験豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

まずは弁護士に相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、事後強盗致傷事件において、示談成立による不起訴処分を獲得した実績があります。
 事後強盗致傷事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

【事件解説】万引き犯が店員を転倒させ逃走した事後強盗事件

2023-07-14

 ドラッグストアで万引き後、店員を転倒させ逃走したとして、事後強盗罪で逮捕された事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件概要

 静岡市在住の主婦Aが、同市内のドラッグストアで化粧品を万引きして店外に出た直後、呼び止めた店員女性Vの身体に接触し床に転倒させ、逃走したとして、事後強盗の容疑で逮捕されました。
 静岡中央警察署の調べに対し、Aは、「万引きしたことに間違いはないが、逃走の際に店員に接触し転倒させるつもりはなかった。」と供述しています。なお、Vに怪我はないとのことです。
(過去に報道された実際の事件に基づき、一部事実を変更したフィクションです。)

事後強盗罪における「暴行」

 万引きは、通常、窃盗(刑法第235条)にあたる行為ですが、本件のように、万引き犯が、万引きに気づいた店員や警備員らに捕まらないよう逃走する際に、店員らに「暴行」を加えたりすると、窃盗罪ではなく強盗罪が成立する場合があります。
 これを事後強盗といいますが、具体的には、窃盗犯が、財物を取り返されるのを防ぐこと逮捕を免れること罪跡を隠滅すること、のいずれかの目的をもって「暴行」を加えた場合に成立すると定められています(刑法第238条)。

 本件Aが、呼び止めた店員Vを転倒させ逃走したことは、Vに現行犯逮捕されるのを免れる目的をもった行為といえます。
 また、事後強盗罪における「暴行」とは、「人の反抗を抑圧する程度の有形力の行使」とされ、Aの接触により床に転倒したVは、すぐに立ち上がりAに抵抗することが困難な状態になったといえます。
 よって、窃盗犯であるAが、「逮捕を免れるために暴行」したとして、事後強盗罪が成立する可能性があると考えられます。

事後強盗事件の刑事弁護

 窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金ですが、事後強盗罪の法定刑は、強盗罪と同じく、5年以上の有期懲役と格段に重くなり、事後強盗罪起訴された場合、原則として執行猶予が付くことはなく、懲役刑の実刑となる可能性が高いです。

 本件で、Aは「店員に接触するつもりはなかった」と供述していることから、事後強盗故意(罪を犯す意思)を争うことも考えられますが、故意は、積極的に結果の発生を意図する場合だけでなく、結果が発生するかもしれない、又は発生してもかまわない、という認識がある程度でも認められるため、本件のような状況で、故意を争うのは容易ではないと思われます。

 他方で、暴行の態様が比較的軽微であり、Vに怪我もないことから、被害者であるVとドラッグストアに対する真摯な謝罪と被害弁償を行った上、示談が成立することで、不起訴処分や刑の酌量減軽による執行猶予を得られる可能性を高めることが期待できます。

 万引きは、常習性があることも多く、被害店舗の経営に大きな打撃を与える行為であることから、被害店舗によっては、被害弁償には応じるが示談交渉には応じない、加害者に厳罰を求める、という強い態度を示す場合も少なくないため、示談交渉は、刑事事件に強く、示談交渉の経験豊富な弁護士への依頼をお勧めします。

まずは弁護士に相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、事後強盗事件において、示談成立による不起訴処分を獲得した実績があります。
 事後強盗事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

【事件解説】いたずら動画のSNSへの投稿 威力業務妨害罪で送検

2023-07-07

 飲食店で撮影したいたずら動画をSNSに投稿し拡散させたことで、威力業務妨害罪の容疑で送検された事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件概要

 福岡県北九州市内の飲食店で撮影したいたずら動画をSNSに投稿し拡散させて店の業務を妨害したなどとして、同市内在住の20代の男女が威力業務妨害の容疑で書類送検されました。
 警察の調べによると、男は今年3月、同飲食店で、卓上に置いている漬物を共用トングで直接食べ、女はその様子を動画で撮影し、SNSに投稿しました。
 いたずら動画がSNS上で拡散され、それに気づいた店主が警察に被害届を提出したことにより捜査が開始され、男女の関与が明らかとなったものです。
(過去に報道された実際の事件に基づき、一部事実を変更したフィクションです。)

威力業務妨害罪とは

 威力を用いて人の業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する、と定められています(刑法第234条)。

 「威力を用い」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を示すこと、とされています。
 直接的な暴力行為や爆破予告等の脅迫行為が該当することは勿論、判例では、大声の怒号により式典を妨げる行為、食堂で蛇を撒き散らす行為による威力業務妨害罪の成立を認めています。

 「業務」とは、職業その他の社会生活上の地位に基づき反復継続して行われる事務・事業とされます。

 本件では、事態を収拾するために、店に全ての卓上の漬物の交換や共用トングの消毒作業等の対応を余儀なくさせたいたずら動画のSNS投稿「威力を用い」たものと捉え、威力業務妨害罪で送検したと考えられます。

いたずら動画のSNS投稿による威力業務妨害事件の弁護活動

 飲食店でのいたずら動画のSNS投稿による威力業務妨害罪の場合、被害者が警察に被害届を提出することで、刑事事件として警察の捜査が開始されることが多いです。

 弁護活動としては、被害弁償の見通しを立てた上で示談交渉を行うことが通常でありますが、被害弁償は、消毒作業等の実費の他、営業休止に伴う逸失利益や飲食店のイメージダウンに伴う損害賠償など、高額を請求される可能性があり、示談交渉が難航する恐れがあります。

 そのため、1つの方法として、真摯な謝罪を行った上、被害弁償は民事手続きで別途解決することを留保し、刑事処分については「寛大な処分を求める」旨の宥恕条項を入れた示談に一先ず合意してもらうことで、不起訴処分を得られる可能性を高めることが考えられます。

 飲食店を運営する企業等を相手に加害者個人で示談交渉を行うことは現実的でないため、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。

まずは弁護士にご相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、様々な刑事事件において、被害者との示談の成立により不起訴処分を獲得した実績が多数あります。
 自身やご家族が威力業務妨害罪で警察の捜査を受けるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例解説】隣人トラブルが発展し警察の介入 器物損壊容疑で取り調べ

2023-06-30

 隣人トラブルが警察の介入に発展した事件を参考に、器物損壊罪とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件概要

 大阪市内のアパートに居住する自営業男性A(25歳)は、隣部屋に居住する会社員女性V(23歳)から、夜間の騒音について強く苦情を言われた腹いせに、駐輪場に停めてあるVの自転車のサドルに生ごみを塗り付けました。
 Aの犯行に違いないと確信したVが警察に被害届を提出したことから捜査が始まり、器物損壊の容疑でAへの任意の取り調べが行われました。
(事例はフィクションです。)

器物損壊罪とは

 他人の物を損壊した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する、と定められています(刑法第261条)。

 選択刑に科料があることからも、刑法に規定される罪の中では比較的軽いものと言えますが、犯行態様が悪質な場合や被害額が高額な場合は、懲役刑の実刑判決が出ることもあり得ます。

 「損壊」とは、物理的に破壊するだけではなく、事実上その本来の用法に従い使用することができない状態にすることも含むとされ、判例上、営業用の食器に放尿することが器物損壊罪にあたるとされた例もあります。

 本件で、Aは自転車のサドルを物理的に破壊した訳ではありませんが、たとえ清掃・消毒したとしても、他人の排出した生ごみが付着したサドルに跨ることは通常心理的な抵抗があり、サドルを事実上使用不可能な状態にしたと言えるため、他人の物を「損壊」したとして、器物損壊罪が成立する可能性が高いと考えられます。

器物損壊事件の刑事弁護

 器物損壊罪は、被害者の告訴(犯人の処罰を求める意思表示)がなければ起訴されない親告罪であるため、被害届提出の段階であれば、謝罪と被害弁償を行った上、被害届の取り下げ及び告訴をしない内容を含む示談が成立すれば、起訴を回避し得ます。

 当事者同士では、冷静な示談交渉が期待できず新たな紛争を生むおそれがあるほか、示談の内容に不備があることで、一旦示談が成立したにも関わらず後日紛争が蒸し返されるおそれもあることから、被害者との示談交渉は、弁護士に依頼して行うことをお勧めします。

 示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼することで、被害届の取り下げ及び告訴をしない内容を含む、双方が十分に納得のいく示談が成立する可能性を高めることができます。

すぐに弁護士にご相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、器物損壊事件での示談成立による不起訴処分を獲得している実績があります。
 隣人トラブルでの器物損壊事件で自身やご家族が被害届を出されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

【事例解説】元恋人に脅迫メールを送り逮捕

2023-06-23

 元恋人のスマートフォンに、殺害を示唆する内容の脅迫メールを送り付けて逮捕された事件を参考に、脅迫罪とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件概要

 福岡県宗像市在住の会社員男性A(46歳)が、元恋人の女性V(35歳)のスマートフォンに、Vの殺害を示唆する内容の脅迫メールを送り付けたとして、脅迫罪の容疑で逮捕されました。
 警察の調べによると、Aは「VがXと交際したことに腹が立ち、VとXを殺害する内容の脅迫メールをVに送った」と供述し、脅迫罪の容疑を認めています。
(事例はフィクションです。)

脅迫罪とは

 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する、と定められています(刑法第222条)。

 「脅迫」とは、一般人に恐怖心を抱かせる程度の害悪の告知のことをいいます。「殺す」など、相手方の「生命」に具体的な危害を加える内容のものであれば、当然これに該当します。
 脅迫行為それ自体が犯罪となるため、脅迫の内容が被害者に到達して認識されさえすれば、真意のものではないなどと考えて被害者が恐怖心を抱かなかったとしても、脅迫罪の成立は妨げられません。
 また、告知の方法に制限はないため、口頭、文書やメールの他、SNSやブログへの投稿で脅迫罪に問われるケースもあります。

 よって、本件でAがVに対し、Vを殺害する内容のメールを送ったことは、Vの生命に対し害を加える旨を告知してVを脅迫したものとして、脅迫罪が成立し得ます。

 なお、同条第2項により、親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した場合も脅迫罪が成立するとされますが、恋人や内縁関係の配偶者は親族に当たらないため、本件の脅迫メールにおいてX殺害を示唆する内容の部分については、Vに対する脅迫罪は成立しないと考えられます。

脅迫罪の刑事弁護

 脅迫罪は、人の意思決定の自由を保護法益とする罪とされるため、被害者との示談が成立している場合には、不起訴処分刑の減軽を得られる可能性が高まります。

 当事者同士では、冷静な示談交渉が期待できず新たな紛争を生むおそれがあるほか、示談の内容に不備があることで、一旦示談が成立したにも関わらず後日紛争が蒸し返されるおそれもあることから、被害者との示談交渉は、弁護士に依頼して行うことをお勧めします。

 示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼することで、双方が十分に納得のいく示談が成立する可能性を高めることができます。

すぐに弁護士にご相談を

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、脅迫罪での示談締結による不起訴処分を獲得した実績があります。
 脅迫事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

【事例解説】酒に酔って器物損壊事件 自首を検討

2023-06-16

 酒に酔って駐車場の自動精算機を破壊した器物損壊事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

 Aさんは、飲み会後に自宅へと帰る途中、コインパーキングに設置してある自動精算機にぶつかりました。
 Aさんは、酒に酔っていたことも相まって、急にむしゃくしゃしてしまい、自動精算機を殴ったり蹴ったりして破壊して、その場から立ち去りました。
 後日、Aさんは、自身が自動精算機を破壊している様子が映った防犯カメラの映像がニュースで取り上げられていることを知り、警察へ自首することを考え始めました。
(この事例はフィクションです)

酒に酔って自動精算機を破壊するとどのような罪に問われる可能性がある?

 事例のAさんは、コインパーキングに設置されている自動精算機を破壊しています。
 このように自動精算機を物理的に破壊してしまった場合、刑法261条の器物損壊罪が成立する可能性があります。
 器物損壊罪の法定刑は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料となっています。

自首はどのような場合に成立する?

 事例のAさんは、ニュースで自分が自動精算機を破壊している様子が報道されたことを知ったことから、警察への自首を考えています。
 「警察が逮捕に来る前に警察へ出頭すれば刑が軽くなる」と考えている方がいらっしゃるかと思います。
 確かに、刑法42条1項は、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と規定していますので、「捜査機関に発覚する前」自首をした場合には、刑が軽くなる可能性があることになります。
 ただし、この「捜査機関に発覚する前」とは、警察などの捜査機関が、犯罪の事実と犯人が誰であるかについて発覚していない場合を意味しています。
 そのため、警察が犯罪の事実と犯人が誰であるかについては既に把握しているものの、単に犯人がどこにいるのかが分からないがために、まだ逮捕できていないという場合に警察に出頭したとしても「捜査機関に発覚する前」自首をしたとは言えないと考えられています。

 冒頭の事例の場合には、Aさんが自動精算機を破壊している防犯カメラの映像がニュースで取り上げられていますので、既に警察が器物損壊事件として捜査を開始している可能性があります。
 そのため、器物損壊事件の捜査の具体的な進捗状況次第では、Aさんが警察に出頭しても自首が成立しないという場合もあり得るということになります。

器物損壊事件で警察への出頭をお考えの方は

 Aさんのように、器物損壊事件に関して警察へ自首をすることをお考えの方は、いち早く弁護士に相談されることをお勧めします。
 弁護士に相談されることで、そもそも今回の器物損壊事件で自首が成立する可能性があるのかどうか、警察へ出頭した後はどのような流れで捜査が進んでいくのかといったことついてアドバイスをもらうことができるでしょう。
 また、仮に自首が成立する可能性が低い場合であっても、器物損壊事件のような被害者の方がいる事件の場合には、被害者の方と示談することができれば、前科をつくことを回避することができる可能性を高めることができますので、弁護士に弁護活動を依頼するメリットは大きいと考えられます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
 器物損壊事件で警察への出頭をしようかどうか悩まれている方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】強盗致傷罪で逮捕

2022-06-01

【報道解説】強盗致傷罪で逮捕

金銭を奪うために加えた暴行によって相手方を怪我をさせたことにより、強盗罪の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「女性になりすましてSNSで呼び出した高校生に暴行を加え、金を奪おうとした疑いで、21歳の男ら2人が逮捕された。
A容疑者(21)らは2022年3月、埼玉県川越市の路上で、男子高校生に『金を出せ』と脅して暴行を加え、けがをさせた疑いが持たれている。
A容疑者らは、SNSで若い女性になりすまし、高校生を呼び出していたという。」
(令和4年5月24日にFNNプライムオンラインにて配信された報道より引用)

【強盗致傷罪とは】

刑法240条は、強盗致傷罪について規定しています。
強盗致傷罪が成立するためには、「強盗が」、強盗の機会に、「人を負傷させた」という要件を充たす必要があります。
引用した報道では詳しい事実関係については明らかとなっていませんが、Aさんが高校生から金銭を奪うために加えた暴行が、高校生の反抗を抑圧する程度の暴行であれば、Aさんは「強盗」に当たることになるでしょう。
そして、そのような強盗の手段として用いられた暴行によって高校生が怪我をしていますので、Aさんは強盗の機会に「人を負傷させた」として強盗致傷罪の疑いで逮捕されたと考えられます。
なお、報道では「金を奪おうとした」との記載にとどまり、実際にAさんが金銭を高校生から奪ったかについては定かではありませんが、仮にAさんが金銭を奪っていなくとも、金銭を奪うために用いた暴行によって相手方を怪我をさせたのであれば、刑法243条が定める未遂罪は成立することはなく、強盗致傷罪の既遂が成立することになります。

強盗致傷罪の法定刑は、無期又は6年以上の懲役刑で、罰金刑が定められておらず、最も軽い刑で6年の懲役刑となっていますので、様々な犯罪について規定する刑法の中において、科される刑罰が大変重い犯罪です。

【強盗致傷罪で起訴された場合】

強盗致傷罪起訴されると次に示すように通常の公判手続とは異なる点があります。

まず、強盗致傷罪のように法定刑で無期懲役が定められている事件が起訴された場合、その事件は、裁判員裁判の対象になります。
裁判員裁判制度は、職業裁判官と一緒に、国民の中から抽選で選ばれた人が裁判員として裁判に参加して、有罪・無罪の判断、有罪の場合の量刑をどうするかを決める裁判制度です。
裁判員裁判制度においては、量刑を判断にあたっては国民感情が反映されることになりますので、職業裁判官のみによって行われる通常の裁判に比べて、量刑が重くなる傾向があると言われています。

また、裁判員裁判の対象となる事件については、公判が開かれる前に公判前整理手続と呼ばれる手続が行われることになります。
公判前整理手続は、第1回公判期日の前に、裁判所、検察官、弁護人が事件の争点を明確にして、証拠の整理を行い、これからどのように審理を進めていくかという審理計画を作成することを目的とする手続ですが、審理計画の作成に時間がかかってしまい、結果として公判が長引いてしまうおそれがあります。

【強盗致傷罪の弁護活動】

このように強盗致傷罪は法定刑が重く重大な犯罪ですが、被害者に対する示談の有無によって、刑事処罰の可能性を低くする可能性が残されています。

事件を起訴するか否かを決定する権限は検察官にあり、検察官が事件を起訴するか否かの判断をするにあたっては、被害に遭われてしまった方の処罰感情を重視する傾向にあります。

そのため、検察官が起訴・不起訴の判断を下すまでに、被害に遭われてしまった方に対して謝罪と被害の回復を行い、示談を締結することができれば、軽い処分となる可能性を高めることができます。

【軽い処分を目指したい方は】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱っている事務所です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、被害者の方との示談交渉により、示談を締結することができ、強盗致傷罪から窃盗罪傷害罪の2罪に分離させた結果、不起訴処分を獲得した経験のある弁護士が在籍しております。

強盗致傷罪を起こしてしまいお困りの方、強盗致傷罪について少しでも軽い処分を目指したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度御相談下さい。

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