無実・無罪を証明してほしい
1 冤罪とは
冤罪とは,犯人でないにもかかわらず,犯人として扱われ,無実の罪で身体拘束をされたり,刑罰を科せられたりすることをいいます。
冤罪事件という本人に身に覚えのない事実で刑事罰に処せられてしまう事件が起きる原因の多くは,虚偽の自白によるものです。
自白とは,自己の犯罪事実を認める供述のことをいいますが,捜査段階でこの自白が容疑者・被告人の意思に反して,真実とは異なるかたちでなされてしまうために,冤罪が起こるのです。
なぜ虚偽の自白は生まれるのでしょうか。自白は犯罪の遂行を証明する重要な証拠でした。そのため,捜査機関は容疑者・被告人の自白を獲得すべく,逮捕・勾留時の取調べで厳しい追及をおこなってきました。
現在では,法律上,被疑者・被告人の自白だけで有罪になることはありませんが,容疑者・被告人が犯罪を行ったことを証明する証拠として自白が重要な意義を持つことに変わりはありません。
したがって,警察などの捜査機関は,自白を得るために時には高圧的で強引な違法な取調べを行うことがあります。
もちろん,こうした取調べの態様は違法であるわけですが,取調べの違法性を証明することは容易ではなく,一度自白してしまうと,ほとんどの場合,被告人の有罪・量刑を決める重要な証拠として採用されてしまいます。
虚偽の自白は特に逮捕直後の弁護士がついていない時期における取調べでなされることが多いです。
この時期は捜査機関による連日の取調べなどで,逮捕された人が精神的に追い込まれやすく,取調官の違法・不当な取調べに屈してしまいやすいためです。
したがって,逮捕後すぐに弁護士を付け適切な弁護活動をおこなってもらうことが重要だといえます。
2 違法な取調べの具体例
- 朝から深夜までずっと取調べを行っている
- 接見要請を無視した取調べを行っている
- 暴力的,脅迫的な態度で取調べを行っている
- 共犯者が自白した,犯罪を証明する決定的な証拠が見つかっているなどと取調官が述べ自白を誘導してくる
- 自白すれば逮捕しない,不起訴になる,執行猶予になるなどと述べ自白を誘導してくる
以上のような取調べが行われても,自白はせず,すぐに弁護士を呼んでください。
3 無実・無罪を証明するための弁護活動
(1)取調べに対する適切なアドバイス
無実・無罪を証明するためには,まずは虚偽の自白をとられないようにすることが重要です。
虚偽の自白は,取調官からの高圧的な取調べや長期間にわたる身体拘束から解放されたいという気持ちから生まれてしまうことが多いです。
そのため,虚偽の自白がとられないようにするためには,弁護士による心理的・精神的なサポートが効果的です。
現在,弁護士が取調室に入ることは認められていませんが,取り調べにおいて虚偽の自白をとられないようにするために,弁護士が頻繁に接見等をすることで,適切なアドバイスや心理的・精神的支柱として,活動することができます。
(2)違法・不当な取調べの阻止
前に記載したように,警察などの捜査機関では,違法な取調べが行われていることがあります。
そこで,取調べの状況を詳しく弁護士に詳しく話していただいた上で,弁護士の方から警察などの捜査機関に違法・不当な取調べを止めるように抗議文を入れるなどの活動ができます。
(3)違法・不当な取調べが行われたことを裁判で主張する
違法・不当な取調べが行われた上で正式裁判になってしまった場合には,違法・不当な取調べが行われたことを裁判で主張することができます。
具体的には,違法・不当な取調べによって捜査機関が作成した供述調書を裁判の証拠として請求された場合に異議を述べていくという方法になります。
この場合には,取調べを行った取調官の証人尋問が行われることが多く,弁護士による対応が必要になります。
(4)有利な客観証拠を提出する
捜査機関側から提出された証拠に対して異議を述べていくのみならず,弁護人の方からも有利な証拠を提出していくことで,無実・無罪を証明していく方法も考えられます。
捜査機関とは異なる視点から事件を見ることのできる弁護士であるからこそ,行うことのできる活動であると言えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,暴力事件・粗暴犯で無実・無罪を証明するために刑事事件を中心に取り扱う弁護士が活動を行なっていきます。
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