少年の公務執行妨害事件で逮捕

2020-07-19

少年の公務執行妨害事件で逮捕

少年公務執行妨害事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

埼玉県春日部市に住んでいるAさんは、近所の高校に通う17歳です。
ある日、Aさんは下校中に他校の生徒であるVさん(17歳)と口論になり、言い争った末に胸倉をつかむなどの激しい喧嘩になりました。
通行人がその様子を見て埼玉県春日部警察署に通報し、埼玉県春日部警察署の警察官が駆け付けたのですが、Aさんは喧嘩をとめようとする警察官らに対して突き飛ばしたり蹴りを入れたりといった暴行をふるって暴れました。
その結果、Aさんは公務執行妨害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、埼玉県春日部警察署から逮捕の連絡を聞き、すぐに少年事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・公務執行妨害罪と逮捕

皆さんがご存知の通り、公務員の職務中に暴行をすれば、公務執行妨害罪が成立します。

刑法第95条第1項
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

上記の事例で当てはめてみると、Aさんは、警察官(=公務員)に対して、突き飛ばしたり蹴ったりして=暴行を加えた)います。
そして、その警察官は通報を受けて駆け付けていることから、警察官としての職務中(=職務を執行するに当たり)であることがわかります。
こうしたことから、今回のAさんには公務執行妨害罪が成立すると考えられます。

今回のAさんのような警察官に対する公務執行妨害事件では、その場で現行犯逮捕されてしまうケースが多く見られます。
暴行や脅迫を受けた警察官が当事者として現場に臨場し、公務執行妨害罪の犯行を現認している状況であることが多いためです。
公務執行妨害事件逮捕されてしまったら、後述のように早期の段階で弁護士に相談することが望ましいでしょう。

・少年の逮捕

警察官に対する公務執行妨害事件では現行犯逮捕が多いということに触れましたが、上記の事例でもAさんが現行犯逮捕されてしまっています。
少年事件逮捕というと、「子どもなのに逮捕されるのか」と驚かれる方もいらっしゃいますが、たとえ少年であっても逮捕されることはあります。
そして、逮捕されれば少年であっても警察署の留置場で1人で過ごし、取調べに対応していくことになります。
未成年という多感な時期に慣れない場所で1人取調べ等に対応していくことは、少年にとって大きな負担になってしまうおそれがあります。

だからこそ、少年事件逮捕されてしまったら、早期に弁護士に相談・依頼することがおすすめです。
まず、弁護士逮捕された少年本人のもとへ接見(面会)に行くことになるでしょう。
弁護士であれば、接見の際に少年本人に現状やこれからの手続き、逮捕された被疑者が持っている権利を詳しく説明することができます。
げ尿や今後の見通し、自分の持っている権利を把握するだけでも不安の解消につながりますし、無理な自白や誘導のリスクを減らすことにも期待できます。
さらに、弁護士は家族からの伝言を伝えることもできます。
逮捕されてしまっては、当然自分で家族と連絡を取ることもできませんから、家族の意向や伝言を聞くことは逮捕されてしまった少年の大きな支えになります。

そして、弁護士の活動としては釈放を求める活動も主要な活動の1つとなってくるでしょう。
逮捕された被疑者は、逮捕から48時間以内に送検され、送検から24時間以内に勾留請求されるかどうかが決められます。
勾留とは、逮捕に引き続く身体拘束で、延長を含めて最大20日間続きます。
逮捕直後から弁護士に弁護活動を依頼することで、この勾留をせずに釈放してもらえるよう働きかけをすることができるのです。
もちろん、勾留が付いてしまった後でも、勾留に対する不服申し立てをしたり、勾留場所を留置所ではなく鑑別所に移してもらうよう求めたりすることもできますから、まずは弁護士に相談してみましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件逮捕にも公務執行妨害罪のご相談にも迅速に対応しています。
公務執行妨害事件逮捕されてお困りの方、少年事件でお悩みの方は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。