京都府京田辺市のペットによる過失傷害事件

2019-04-07

京都府京田辺市のペットによる過失傷害事件

京都府京田辺市在住のAさんは自宅の庭で大型犬を放し飼いにしていた。
ある日,Vさんが愛犬の散歩中にAさん宅前を通りがかったところ,Aさんの大型犬がたまたま開いていた玄関から飛び出しVさんとVさんの飼い犬に噛みついた。
Vさんは全治1週間の怪我を負い,Vさんの飼い犬も怪我をしてしまった。
そして,Aさんはこの件で京都府田辺警察署に呼ばれて話を聞かれることになった。
Aさんは今後どのように対応すればよいか弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用した。
(フィクションです)

~ペットによる傷害事件~

最近では,主に犬や猫といったペットを飼われている方が多いと思われます。
Aさんのケースのように,自分のペットが突然他人に襲いかかって怪我をさせてしまったという事件も多くあります。
自身の飼われているペットが他人に怪我をさせてしまった場合,飼い主は刑事上,どのような責任を負うのでしょうか。

まず考えやすいところでいうと,他人に怪我をさせてしまっているので傷害罪(刑法204条)となってしまうのではないか,というイメージがあるかもしれません。
しかし,刑法は故意犯が原則ですので(刑法38条),ペットに指示して人を襲わせたというような場合でなければ傷害罪とはなりません。
ですが,刑法38条但し書きは,特別な規定がある場合には罰することができる,すなわち過失であっても処罰できると規定しています。
刑法には過失傷害罪(刑法209条1項)が規定されていますので,自分のペットが不注意によって他人に怪我を負わせてしまったようなケースでは,飼い主にはこちらが適用されることになります。
過失傷害罪の法定刑は30万円以下の罰金又は科料となっています。

では,今回のケースではVさんのペットにも怪我をさせてしまっていますが,動物に対する怪我は刑事上どのような扱いになるのでしょうか。
ペットのような他人が占有している動物の場合には,他人の所有物という扱いになり,器物損壊罪(刑法261条)が成立します。
しかし,器物損壊罪には過失処罰規定がありませんので,過失による器物損壊の場合には刑事上の責任は問われません。
ただし,民法718条1項に「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。」と規定されていますので民事上の賠償責任は発生してしまいます。

また,ペットが大型犬など力の強い動物であり,小さい子どもに対して襲い掛かってしまったような場合,相手の命を奪ってしまう可能性もあります。
その場合には過失致死罪(刑法210条)となり法定刑は50万円以下の罰金となります。
また,ペットが人に危害を加える性癖を持っているなどの事情を認識しつつ,その管理を怠り他人に怪我をさせてしまったり,命を奪ってしまったというような場合には重過失致死傷罪(刑法211条後段)に問われる可能性があります。
重過失致死傷罪の場合の法定刑は5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金となります。

~示談交渉~

過失致死罪や重過失致死傷罪は親告罪ではありませんが,過失傷害罪の場合は親告罪(刑法204条2項)となっていますので被害者の方の告訴がなければ検察官は公訴を提起することができません。
そのため,被害者の方と示談を成立させ,過失傷害罪で告訴されないようにしていくことが考えられます。
しかし,怪我をしてしまった被害者の方は,被害感情から加害者の方と会ってくれない,連絡を取れないというケースも多くあります。
そのような場合に,弁護士が間に入ることで被害者の方が示談に応じていただけたり,また,適正な示談金額の提示も可能となることも多いです。

また,今回のケースではAさんはペットにも怪我をさせてしまっているので民事上の責任も発生します。
弁護士が示談交渉をすることによって刑事上だけでなく民事上の示談も同時に成立させることも可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
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