器物損壊事件を起こし取調べ

2019-12-28

器物損壊事件を起こし取調べ

器物損壊事件を起こし取調べを受けるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~

Aさんは友人と兵庫県川西市にある居酒屋へ遊びに行っていた際、些細なことで口論となり、居酒屋の店長が仲裁に入りました。
すると、Aさんは店長に対しても怒りをあらわにし、店長にも因縁をつけるなどして暴れてしまいました。
そしてAさんはついカッとなり、テーブルの上にあった注文用の端末を床にたたきつけ、破壊してしまいました。
店長は兵庫県川西警察署に通報して警察官を呼び、Aさんは駆け付けた警察官により、器物損壊罪の容疑で話を聞かれるため、兵庫県川西警察署まで連れてこられてしまいました。
(フィクションです)

~器物損壊事件について~

器物損壊罪とは、他人の物を損壊し、又は傷害する犯罪です。
器物損壊罪の客体となる「物」とは、公用文書等毀棄罪、私用文書等毀棄罪、建造物等損壊罪の客体以外の全ての物をいい、動産だけでなく、不動産も含まれ、さらに、他人の動物も含まれます。

そして器物損壊罪の「損壊」とは、物の効用を害する一切の行為をいい、物を嫌がらせ目的で隠匿する行為も「損壊」に該当します。
なお、器物損壊罪のいう「傷害」とは、動物に対する損壊行為を指し、他人の動物を殺傷したり、逃がしたりする行為がこれに該当します。
動物に対しては、器物損壊罪とは別に、動物愛護法違反の罪が成立する可能性にも注意しなければなりません。

今回のケースにおける「注文用の端末」は、明らかに居酒屋や店長の「物」であり、床に叩きつけて使用不能にする行為は、「損壊」に該当しますから、Aさんの行為には器物損壊罪が成立することになるでしょう。
器物損壊罪について有罪が確定すると、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処せられます。

~器物損壊事件で在宅捜査を受ける場合~

Aさんは器物損壊事件を起こしたとして話を聞かれるようですが、警察署では犯行に至った経緯、どのように端末を破壊したかなどについて詳しく尋ねられることになるでしょう。
器物損壊事件を起こしてしまったとしても、必ず逮捕されるというわけではありません。
適切な身元引受人を用意し、帰宅できる場合もあります。

逮捕されずに帰宅できた場合は、すぐに弁護士と相談し、事件解決に向けたアドバイスを受けることをおすすめします。
今回のケースの場合は、被害者と示談を行い、先方に生じさせた損害を賠償することが重要です。
器物損壊罪は「親告罪」であり、被害者による告訴がなければ、起訴されません(刑法第264条)。
したがって、告訴されてしまっている場合に、被害者に対して謝罪を行い、損害を賠償することによって、起訴される前に告訴を取り消してもらうことができれば、確実に不起訴処分を獲得することができます。

~器物損壊事件で逮捕されてしまった場合~

警察署で取調べを受けた後、逮捕されてしまう可能性は否定できません。
器物損壊事件を起こして逮捕されてしまった場合においても、上記の示談を行うことが重要です。
ただし、逮捕されてしまった本人は外に出ることができませんので、弁護士が外で活動することが不可欠です。
示談が成立すれば、釈放される場合もありますし、告訴が取り消されれば、釈放される可能性が高くなります。

逮捕されている場合には、身柄解放活動を行う必要もあります。
逮捕・勾留されてしまうと、捜査段階において、最長23日間もの間留置場や拘置所に入らなければなりません。
身体拘束が長引けば長引くほど、Aさんの社会復帰が難しくなります。
そのため、一刻も早く外に出ることができるように、弁護士に活動してもらう必要があります。
上記の示談交渉も身柄解放活動の1つということができますが、他にも、「勾留をさせない活動」、「勾留後の釈放を目指す活動」など、様々な身柄解放活動があります。
特に「勾留をさせない活動」は、なるべく早い段階で弁護士を付けることにより、初めて可能となる身柄解放活動です。

在宅捜査で事件が進行する場合も、逮捕されてしまった場合であっても、Aさんにとってより有利に事件を解決するためには、弁護士のサポートが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件少年事件につき、初回無料で法律相談を受けていただくことができます。
事件を起こしてしまった方が逮捕されている場合には、初回接見(有料)のお申込みにより、弁護士がご本人のもとまで伺い接見を行います。
器物損壊事件に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。