神奈川県中郡の殺人未遂事件で逮捕 中止犯で刑の減軽を主張の弁護士

2018-10-31

神奈川県中郡の殺人未遂事件で逮捕 中止犯で刑の減軽を主張の弁護士

神奈川県中郡大磯町に住むAは、Vと交際していたが、Vが別れ話を切り出したことから思い詰め、Vの首の付近をナイフで突き刺した。
Vは怪我を負ったが、我に返ったAが直ちに手当てをし、救急車を呼んだこともあり、生命に影響はなかった。
通報によって駆け付けた神奈川県大磯警察署の警察官は、Aを殺人未遂罪の容疑で逮捕し、その後Aは起訴されることになった。
Aの家族は、どうにかAへの刑が軽くならないかと、弁護士に相談することにした。
(本件はフィクションです。)

~殺人未遂と中止未遂(中止犯)~

Aは、Vを首の付近をナイフで突き刺したことから逮捕されてしまっています。
首の付近という人の生命に影響する身体の枢要部をナイフで突き刺す行為は、人の死を惹起する危険性のある行為といえ、殺人罪(刑法199条)の実行行為とみることができます。
もっとも、Vは死亡するには至っていないため、殺人罪は成立せず殺人未遂罪(刑法199条、203条)が成立しうるにとどまります。

ここで、未遂罪に関して、刑法43条ではそのただし書きにおいて「自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する」と中止未遂(中止犯)を定めています。
これは、犯罪を中止することに褒賞を与えることにより、犯罪によって発生した危険を消滅させることを動機付けるための規定だといわれています(諸説あります。)。
本件のように、Aが殺人の実行行為後にVに手当てし救急車を呼んだことが、「犯罪を中止した」といえ、これが「自己の意思」によるといえるのならば、中止未遂(中止犯)が成立することになります。

上記の刑法43条ただし書きが規定するように、中止犯が成立した場合の刑の「減軽」または「免除」は必要的なものであり、必ず減刑か免除がされることになります。
したがって、弁護士としてはAに中止未遂が成立することを積極的に主張していくことで刑罰の減軽を狙っていくことも、弁護活動の一内容として考えられるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件の弁護活動を専門とする弁護士が所属する法律事務所です。
殺人未遂事件逮捕された方のご家族は、フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
神奈川県大磯警察署までの初回接見費用:4万500円