【福岡市南区の傷害罪に強い弁護士】泥酔状態の責任能力は?

2017-12-05

【福岡市南区の傷害罪に強い弁護士】泥酔状態の責任能力は?

福岡市南区で行われた忘年会で、Vさんにからかわれたことに腹を立てたAさんは、Vさんを殴り飛ばしてやろうと思った。
Aさんは、酒を飲んで勢いを付けようと思い、瓶ビール10本を飲んだ結果、泥酔状態になり、その後Vさんを数回殴り怪我を負わせたため、傷害罪の容疑で福岡県南警察署の警察官に現行犯逮捕された。
その後、Aさんは事情聴取を受けるも、事件当時のことは全く記憶になく、意識がなかったのに罪に問われることに納得がいかず、刑事事件に強い弁護士に相談した。
(このストーリーはフィクションです)

~責任能力はどの時点で必要か~

今回のケースでは、Aさんが犯行時、自分がしたことを覚えてないほど泥酔していたという点で、Aさんに責任能力があったと言えるのか否かが問題となります。

責任能力とは、自分の行為が違法な行為かどうかを判断し(弁識能力)、それに従って自分の行為を制御する能力(行動制御能力)のことをいい、原則としては、犯罪行為時に責任能力があることが犯罪の成立する条件となります。
今回のケースでは、Aさんが傷害行為を行った際、泥酔状態で自分が行った行為を全く覚えていないため、犯行時に責任能力は無かったといえそうです。

しかし、Aさんが泥酔状態になったのは、Aさん自身が瓶ビールを10本も飲んだからです。
これでは、犯罪行為をする際に自ら責任能力が無い状態になりさえすれば、罪に問われないということになりかねません。
そのため、責任能力がない状態で行われた犯罪行為であっても、責任能力のある状態において行われた行為(例えば飲酒、薬物使用)によって自ら責任能力がない状態に陥ったのであれば、その犯罪行為について完全な責任を問うとされています。
今回のケースでは、Aさんは飲酒する前からVさんを殴るつもりでいましたし、その景気づけに飲酒して自ら責任能力を失っているため、Vさんに対する傷害行為時点では責任能力が無かったとしても、傷害行為について責任が問われる可能性が高いといえます。

上記のように責任能力の有無が問題になるケースでは、被疑者・被告人に責任能力が無かったあるいは低下していたことを主張し、裁判官に認定してもらうことは難しく、弁護士の高度な訴訟技術が必要とされることがあります。
また、責任能力についての判断は、上記のような複雑な検討をしなければなりませんから、見通し等は専門的知識のある弁護士に相談なされるべきでしょう。
傷害事件でお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談下さい。
福岡県南警察署初回接見費用 35,900円