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【報道解説】コーラをかけたとして暴行罪で逮捕
コーラをかけたとして、暴行罪の疑いで警察に逮捕された報道について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
報道紹介
トラブルになった相手の足にコーラをかけたとして、兵庫県警尼崎南署は9日、暴行の疑いで、自称住所不定、無職の男(48)を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は9日午後0時半過ぎ、兵庫県尼崎市武庫川町3の路上で、面識のない会社員の男性(30)の片足に500ミリリットルのペットボトル入りのコーラをかけた疑い。「相手の態度に腹が立ったので、半分くらいかけた」と容疑を認めているという。
同署によると、男性が「急に絡まれた」と110番し、署員が向かっている間に男がコーラをかけたとみられる。男の呼気からはアルコールが検出され、直前に何らかのトラブルがあったとみて調べている。
(10月9日に神戸新聞NEXTで配信された報道 https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202310/0016900081.shtml より引用)
コーラをかけただけで暴行罪?
今回取り上げた報道ではペットボトルにはいったコーラをかけたとして暴行罪の疑いで男性が逮捕されています。
暴行罪というと、殴ったり蹴ったりといった暴力行為を行ったときに成立する犯罪で、コーラをかけただけで暴行罪になるのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、そのような典型的な暴力行為以外でも暴行罪が成立する場合があります。
暴行罪が成立するために必要な「暴行」とは、人の身体に対して不法に有形力を行使(物理的な攻撃)をすることと考えられていますが、有形力の行使の程度がおよそ相手にケガを負わせるものとはいえない軽微なものであっても暴行罪となっている裁判例があります。
例えば、福岡高等裁判所昭和46年10月11日判決では、被害者の方の顔や胸などに塩を数回振りかけた行為が、被害者の方に「不快嫌悪の情を催させるに足りる」ものであることを理由に、塩を数回振りかけた行為について暴行罪の成立を認めています。
また、さいたま地方裁判所平成14年3月18日判決では、6歳の被害者の頭に射精をして精液をかけた行為を暴行罪に当たると判断しました。
このように暴行罪は、人の身体に対して不法な有形力の行使があれば、その程度が軽微なものであっても成立する場合があることになりますので、コーラや水を相手に向かってかけたという場合でも暴行罪に当たると考えられます。
なお、暴行罪の法定刑は、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっています。
暴行罪の疑いで警察の捜査を受けられている方は
相手を殴ったり蹴ったりした訳でもないのに暴行罪の疑いで警察の捜査を受けられてお困りの方は、弁護士に相談して、ご自身の行為が本当に暴行罪に当たる可能性があるのか、仮に暴行罪に当たる可能性が高い場合は、今後どのような対応をとればよいのかといったことついて弁護士からアドバイスを貰われることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、暴行罪をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
暴行罪の疑いで警察の捜査を受けられてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事件解説】金属バットを持って喧嘩に参加 凶器準備集合罪で逮捕
対立する不良グループと喧嘩するために金属バットを持って集合したことで、凶器準備集合罪で逮捕された事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事件概要
対立する不良グループと喧嘩するために凶器を準備して集合したとして、不良グループに所属する男性A(21歳)ら8名が逮捕されました。
Aらは、対立する不良グループと喧嘩するために、北九州市内の公園で鉄パイプや金属バットなどの凶器を準備して集合していたとみられ、異変に気付いた近隣住民が警察に通報し、駆け付けた福岡県小倉南警察署の警察官に現行犯逮捕されました。
Aは、喧嘩に参加するために金属バットを持って集合したとして、凶器準備集合の容疑を認めています。
(実際の事件に基づき作成したフィクションです。)
凶器準備集合罪とは
2人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する、と定められています(刑法第208条の2第1項)。
凶器準備集合罪は、他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的(共同加害目的)での集合を処罰の対象とすることで、後に予想される、殺人、傷害、暴行、建造物損壊、器物損壊など、個人の生命・身体・財産に対する危険からの保護とともに、公共的社会生活の平穏を保護するものとされています。
凶器準備集合罪における「凶器」とは、その性質上、又は使用方法によっては、人を殺傷し得る器具、とされます。
銃砲刀剣類のように、その器具本来の性質上、人を殺傷する用に供されるもののみならず、ゴルフクラブ等、使用方法によっては、人を殺傷し得る器具も含まれます。
なお、同罪における「準備」とは、必要に応じていつでも加害行為に使用しうる状態に置くこといい、「集合」とは、2人以上の者が共同の行為をする目的で、一定の時刻、一定の場所に集まることをいいます。
本件Aは、対立する不良グループとの喧嘩という「共同加害目的」で、身体に殴打すれば人を殺傷し得る「凶器」となる金属バットを準備して「集合」したとして、凶器準備集合罪が成立し得ると考えられます。
凶器準備集合事件で逮捕された場合の刑事弁護
凶器準備集合罪のように、共犯者や関係者が多数にわたることのある事件では、口裏合わせ等の罪証隠滅のおそれがあるとして、逮捕に引き続き勾留される可能性が高く、さらに、事件の全容解明のための捜査に時間を要することから、勾留が延長されるなど、身体拘束が長期化する可能性もあります。
弁護活動としては、身体拘束からの早期解放を目指して、検察官や裁判官に対し、勾留の理由(逃亡・罪証隠滅のおそれ等)や勾留の必要性がないことを主張し、勾留請求や勾留決定を行わないよう意見を申述することや、勾留が決定した後でも、その決定に対して不服申し立て(準抗告)を行うことが考えられます。
また、凶器準備集合事件では、共犯者間の役割等によって刑事責任の重さも変わってくると考えられますが、主導的な役割(凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた)を果たした者には凶器準備結集罪が成立し、3年以下の懲役と刑が加重され得るため、不当に重い責任を負わされることのないよう、弁護士が被疑者との接見に際し、取調べ対応についてアドバイスを行うことも重要になると考えられます。
まずは弁護士にご相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、凶器準備集合などの暴力事件において、身体拘束からの早期解放、不起訴処分や刑の減軽を獲得した実績が多数あります。
凶器準備集合の容疑でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
【事例解説】医学部の大学生が傷害事件 弁護士に示談を依頼
医学部の大学生が傷害事件で弁護士に示談を依頼するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
医学部の6年生であるAさんは、行きつけのバーでお酒を飲んだ帰りに、Vさんと些細なことからトラブルになりました。
Vさんの話し方が気に食わなかったAさんは、Vさんのお腹を殴ったり、太ももあたりを蹴ったりという暴行を加えて、Aさんに怪我を負わせました。
Vさんが路上でうずくまったので、Aさんはその場から離れました。
それから数カ月後、突然、警察から連絡が来て、Vさんに対する傷害事件について、話を聞きたいからと警察署まで呼び出されました。
Aさんは家族と相談して、Vさんに対する傷害を認めて、弁護士にVさんとの示談交渉を依頼したいと考えています。
(この事例はフィクションです)
医師が傷害事件を起こすと医師免許はどうなる?
殴ったり蹴ったりといった暴力を加えて、相手に怪我を負わせると刑法204条の傷害罪が成立することになります。
傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっていますので、傷害罪で起訴されて有罪となってしまうと、この範囲で刑が科されることになります。
事例のAさんは医学部の6年生という立場で傷害事件を起こしています。
医学部の6年生ということは医師を目指して、今後、医師国家試験の受験を控えていることとになると考えられます。
医師になるためには、医師国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受けなければなりませんが(医師法2条)、この医師免許については、医師法4条3号において、罰金刑以上の刑に処せられた者は、免許を与えられないことがあると規定しています。
そのため、傷害罪で前科がついてしまうと、医師免許を厚生労働大臣から付与されるかどうかの判断にあたって、審査の対象になってしまい、医師免許の取得に重大な影響が出てしまう可能性があります。
傷害事件で被害者の方と示談交渉をお考えの方は
医師免許の取得を予定している医学部の大学生が、傷害事件を起こしてしまった場合に、傷害罪で前科が付くことを避けたいという場合は、いち早く弁護士に被害者の方に対する示談交渉を依頼されることをお勧めします。
検察官が傷害罪で起訴をする前に、被害者の方に真摯に謝罪して、被害者の方との示談を締結することができれば、傷害罪での起訴を回避するという可能性を大きく高めることになります。
傷害罪で起訴されなかったということは、傷害罪で前科が付くことはありませんので、前科による医師免許の取得の影響はないということになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
傷害事件で被害者の方と示談をしたい、傷害罪の前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】介護・リハビリでの場面における暴行事件
介護・リハビリでの介助行為が暴行罪に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Vさんは、事故で負った障害が原因により、ひとりでは立った姿勢を維持することができない状態です。
そのため、Aさんの介助で毎日リハビリをしています。
ある日のリハビリ中、Aさんは、背後からVさんの両脇を抱えて、Vさんを立った状態にさせたところから、突然手を離して床の上に崩れ落ちさせました。
さらに、床に崩れ落ちたVさんの身体を持ち上げて、Vさんをクッションの上に放り投げました。
この様子を見ていた周囲の人が、警察に通報したことで、Aさんは暴行罪の疑いで警察で取調べを受けることになりました。
(この事例は、さいたま地方裁判所平成24年7月17日判決を元にしたフィクションです)
介護・リハビリにおける暴行事件
刑法208条が規定する暴行罪が成立するためには、相手に対して「暴行」を加える必要があります。
この「暴行」の意味については、人の身体に対する不法な有形力の行使(物理的な接触)と考えられています。
介護やリハビリの中でなされる介助行為の多くは、相手の身体との物理的な接触が避けられません。
そのため、このような介助行為は暴行罪における暴行の意味のうち、「人の身体に対する」という部分と「有形力の行使」という部分については該当することになってしまいますが、介護やリハビリでなされる介助行為それ自体は正当な行為として認められているものですので、相手の身体と物理的な接触が必用な介助行為については、通常は「不法な」ものであるという評価はなされず、介助行為が暴行罪にいう暴行には当たらないと考えられます。
もっとも、相手の身体に物理的に接触する介助行為が介護やリハビリとして認められる範囲を越えるような場合には「不法な」ものであると判断され、介助行為が人の身体に対する不法な有形力の行使として暴行罪に該当する場合があります。
冒頭で記載した事例は、さいたま地方裁判所平成24年7月17日判決を元にしたフィクションですが、この判決では、リハビリの場面でなされた行為が暴行罪の暴行に該当するかが争点になりました。
具体的には、重度の身体障害を持つ9歳の子供のリハビリの際に、被告人である父親が、①後ろから両手で支えて子供を持ち立たせた状態から、その両手を放して子供をお尻から畳の上に崩れ落ちさせた行為と、②子供の右わきとお尻を抱えてクッションの上に放り投げさせた行為がそれぞれ暴行に問われるかが争われました。
被告人である父親は、①の行為についてはリハビリを行っただけであり、②の行為についてはゴロンと横にさせただけであると主張しましたが、これに対して、裁判所は、①の行為に子供の生命を脅かす客観的な危険性があることを指摘して、①の行為を「リハビリとして許容される範囲を超えており、不法な有形力の行使である暴行に当たる」と述べ、②の行為は子供の身体を放り投げる行為と評価して、「不法な有形力の行使である暴行に当たることは明らか」であると述べました。
この裁判例からすると、裁判例の被告人と同様の行為をしているAさんには暴行罪が成立する可能性があると言えるでしょう。
仮に暴行罪で有罪となってしまうと、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料が科される可能性があります。
介護・リハビリ中の介助行為が暴行罪に当たると疑われてしまったら
介護・リハビリ中の介助行為が暴行罪に当たると警察に疑われてしまったら、いち早く弁護士に相談して今後についてアドバイスを受けることをお勧めします。
介護やリハビリにおいて介助される人は、体力が低下したお年寄りや重度の障害を持った方が多いことが想定されますが、そうした体が弱い被害者の方に軽度な暴行を加えた場合、被害者の方の体の弱さがが相まって単なる暴行罪に留まらず、より刑が重い傷害罪や傷害致死罪が成立してしまう可能性もあります。
実際に、先ほどの裁判例でも、被害者となった子供は、暴行によって急性硬膜下血腫の傷害が生じ、これによって亡くなってしまったので、被告人の父親は傷害致死罪として懲役2年の実刑判決となっています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は暴行事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
介護・リハビリ中の行為が暴行罪に当たると疑われてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】18歳の特定少年による強盗事件
18歳の特定少年による強盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
18歳のフリーターのAさんは、お金に困っていたので強盗の闇バイトに応募しました。
Aさんは、指示役の指示に従って、東京都内にある買取ショップで、店員に包丁を突きつけて「金を出せ」と脅して、現金数百万円を奪い取りました。
強盗から数日後、店内や近くに設置されていた防犯カメラの映像が決め手になって、Aさんは強盗罪の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
18歳の少年が強盗事件を起こすとどうなる?
事例のように、包丁を突きつけながら「金を出せ」と相手を犯行を抑圧するに足りる程度の脅迫を用いて現金を奪い取る行為は刑法236条1項の強盗罪に当たる行為です。
Aさんの年齢は18歳ですので、普段の生活の中では成人として扱われていますが、少年法は20歳未満の者が犯罪を犯した場合を適用対象にしていますから、18歳のAさんの強盗事件には少年法が適用されることになります。
特定少年の取り扱い
20歳未満である18歳、19歳の少年が犯罪に当たる行為をした場合にも少年法が適用されますが、少年法では18歳、19歳の少年を「特定少年」として、18歳未満の少年とは異なる取り扱いをしています。
そのひとつに、特定少年の場合は、原則として逆送の対象となる事件が18歳未満の少年が犯した事件よりも拡大されています。
「逆送」とは
特定少年の場合は、原則として逆送の対象となる事件が拡大されているということについて理解するためには、そもそも「逆送」とはどのような意味なのかを理解する必要があります。
少年法が適用される少年事件の場合は、警察官や検察官によって必要な捜査が終了した後は、事件を検察から家庭裁判所に送致して、家庭裁判所が最終的な少年の処遇を決定するという流れで通常は手続きが進められることになります。
逆送とは、検察から事件の送致を受けた家庭裁判所から、再び検察に事件を送致することです。
逆送がなされると、通常の刑事手続によって進められることになりますので、検察官によって起訴されて、刑事裁判で有罪となれば刑事罰が科されることになります。
特定少年の場合の原則逆送対象事件について
少年法上、原則として逆送となる事件については、犯行時に16歳以上の少年が殺人や傷害致死といった故意の犯罪行為により被害者を死亡させた場合だけですが(少年法20条2項参照)、特定少年の場合には、この特則が定められており、原則として逆送となる事件が拡大されています。
具体的には、少年法62条2項に定められており、
・少年法20条2項の場合と同様に、犯行時に16歳以上の少年が殺人や傷害致死といった故意の犯罪行為により被害者を死亡させた場合(少年法62条2項1号参照)
の他に、
・犯行時に18歳以上の少年が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯した場合(少年法62条2項2号参照)
にも、原則として「逆送」されることになりました。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役となっており、短期1年以上の懲役刑に当たる罪に該当しますので、事例のように18歳の特定少年が強盗事件を起こした場合は、原則として逆送の対象になり、起訴されて、最終的に強盗罪の前科が付く可能性があります。
18歳・19歳のお子さんが強盗罪の疑いで警察に逮捕されたら
18歳・19歳の特定少年が起こした強盗事件は原則として逆送の対象になりますが、だからといって、特定少年が強盗事件を起こした場合に必ず逆送されるということではありません。
原則として逆送の対象になる特定少年による強盗事件の場合でも、例外的に「犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるとき」(少年法62条2項但し書き)は逆送されずに通常の少年事件の流れによって手続きが進められることになります。
このような逆送回避を実現するためには、いち早く弁護士に相談して、弁護士から適切なサポートを受けられることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強盗事件といった刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
18歳・19歳のお子様が強盗罪の疑いで警察に逮捕されてしまい、お困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】刑務官による特別公務員暴行陵虐事件
刑務官による特別公務員暴行陵虐事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
刑務官であるAさんは、詐欺罪の懲役刑で服役中であるVさんの刑務作業中の態度が悪かったことに腹を立てて、Vさんのお腹を手拳で1回殴りました。
この様子を見ていた他の刑務官が、上司に報告したことから、Aさんは内部で調査を受けることになりました。
後日、Aさんは、上司から、「今回の件は刑事事件になる」という話を聞きました。
(この事例はフィクションです)
刑務官が受刑者に暴力を振るうとどのような罪に問われる?
普通の会社員の方が、路上で通行人とトラブルになって、通行人のお腹を1回殴った場合は、刑法208条の暴行罪が成立すると考えられます。
事例のAさんも、Vさんのお腹を1回殴るという上記の暴行と同じ暴行を加えていますが、Aさんは会社員ではなく刑務官という立場で、仕事中に受刑者を殴っています。
このような場合には、暴行罪ではなく、暴行罪よりも重い特別公務員暴行陵虐罪が成立する可能性があります。
特別公務員暴行陵虐罪とは
特別公務員暴行陵虐罪は刑法195条に規定されている犯罪で、一定の立場にある公務員が、仕事をするにあたって、およそ職権の行使とは言えない違法行為を行った場合を処罰の対象にしています。
職務の行使とは言えない違法行為として、刑法195条では、事例のAさんのような「暴行」と「陵辱若しくは加虐」の2つを規定しています。
ここでの「暴行」は暴行罪の暴行と同じ意味で、人を殴る蹴るといった身体に対する不法な有形力の行使のことです。
そして、「陵辱若しくは加虐」(陵虐)とは、暴行以外の方法で、精神的・肉体的に苦痛を与える行為を意味しています。
また、どのような公務員が誰に対して暴行・陵虐行為をした場合に罪に問われるかというと、まず、刑法195条1項では、裁判、検察若しくは警察の職務を行う者や、これらの職務を補助する者が、被告人や被疑者、証人や鑑定人などのその他の者に対して暴行・陵虐行為を行った場合を規定しています。
次に、刑法195条2項では、法令により拘禁された者を看守し又は護送する者が、その拘禁された者に対して暴行・陵虐行為を行った場合を規定しています。
取り上げた冒頭の事例では、Vさんは詐欺罪の懲役刑で服役していますので195条2項にいう法令により拘禁された者に当たり、Aさんはそのような法令により拘禁された者である受刑者を看守する刑務官という立場になります。
そのため、刑務官であるAさんが、受刑者のVさんを仕事中に殴ったという冒頭の事例では、Aさんに刑法195条2項による特別公務員暴行陵虐罪が成立すると考えられます。
特別公務員暴行陵虐罪の法定刑は、7年以下の懲役又は禁錮となっています。
暴行罪の法定刑が、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっていることと比較すると分かるように、特別公務員暴行陵虐罪の法定刑は、暴行罪の法定刑よりも重くなっています。
特別公務員暴行陵虐事件で捜査を受けられている方は
このように特別公務員暴行陵虐罪は単なる暴行罪と比較して非情に刑が重い犯罪であると言えますので、特別公務員暴行陵虐罪として逮捕、起訴される可能性があるという方は、いち早く弁護士に相談して、事件の見通しや今後の対応等についてアドバイスを貰われることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
特別公務員暴行陵虐事件で内部の調査を受けて逮捕、起訴される可能性があるという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】包丁を突きつけて脅迫 暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕
包丁を突きつけながら脅迫行為をしたことで、暴力行為等処罰法違反の疑いで警察に逮捕された事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、自宅で、同居している父親のⅤさんと些細なことから口論になりました。
Aさんは怒りの余り、Ⅴさんに対して包丁を突きつけながら「殺すぞ」と言い放ちました。
この様子を見たAさんの母親が、警察に通報したところ、Aさんは、駆け付けた警察官に暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
包丁を突きつけながら「殺すぞ」と言うとどのような罪に問われる?
事例のAさんは、Vさんに対し包丁を突きつけながら「殺すぞ」と言っています。
「殺すぞ」という発言は人の生命に害を加える旨を告知していることになりますので、刑法222条が規定する脅迫罪に当たることになります。
ところが、Aさんは脅迫罪ではなく暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕されています。
暴力行為等処罰法(正式には「暴力行為等処罰に関する法律」といいます)の1条では、一定の場合に行われた脅迫行為を刑法よりも重く処罰しています。
どのような場合に行われた脅迫行為が暴力行為等処罰法1条によって処罰の対象になるかというと、実際に団体や多衆で威力を示して脅迫行為を行った場合や、団体や多衆であるかのうように仮装して威力を示して脅迫行為を行った場合、凶器を示して脅迫行為を行った場合、数人で共同して脅迫行為を行った場合です。
事例のAさんは、包丁という凶器を示しながら「殺すぞ」という脅迫行為を行ったため、暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕されたと考えられます。
暴力行為等処罰法1条の法定刑は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金となっています。
これは、刑法222条が脅迫罪の法定刑を2年以下の懲役又は30万円以下の罰金としていることと比較すると、暴力行為等処罰法1条の法定刑の方が刑法222条の脅迫罪の法定刑よりも重いことが分かると思います。
なお、暴力行為等処罰法1条は、脅迫罪以外にも、傷害罪(刑法204条)、暴行罪(刑法208条)、器物損壊罪(刑法261条)といった犯罪も適用の対象にしていますので、団体や多衆で威力を示して暴行行為をした場合や、数人で共同して器物損壊をした場合などにも暴力行為等処罰法1条によって罰せられる可能性があります。
暴力行為等処罰法違反の疑いで警察の捜査を受けられている方は
先ほど簡単に説明した暴力行為等処罰法1条で規定されている場合以外では、たとえば、銃砲や刀剣類を用いて人の身体を傷害した場合には暴力行為等処罰法1条の2第1項によって1年以上15年以下の懲役が科される可能性がありますし、また、常習的に傷害罪、暴行罪、脅迫罪、器物損壊罪を行った場合には、暴力行為等処罰法1条の3第1項によって3月以上5年以下の懲役が科される可能性もあります。
この他にも、暴力行為等処罰法では刑罰の対象にしている行為を規定していますので、暴力行為等処罰法違反の疑いで警察の捜査を受けられている方は、いち早く弁護士に相談して、自身がどのような罪に問われる可能性があるのか、弁護活動としてどのような対応をとることができるのかといったことについてアドバイスを貰われることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は暴力行為等処罰法違反事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
暴力行為等処罰法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】救急隊員に暴力をふるって公務執行妨害罪の疑いで逮捕
酒に酔って路上で横になっていたところ、駆け付けた救急隊員に暴力をふるって公務執行妨害罪の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、学生時代の友人たちとの飲み会で飲み過ぎてしまい、帰り道、路上で横になって休んでいました。
Aさんが横になっているのを見かけた通行人の誰かが、救急車を呼びました。
駆け付けた救急隊員Vさんは救護活動のためにAさんに声をかけたところ、Aさんはせっかく横になって休んでいたのを邪魔されたと勘違いして、Vさんを殴ったり、押し倒したりといった暴行を加えてVさんの救護活動を妨害しました。
Vさんは警察に通報し、Aさんは公務執行妨害罪の疑いで現行犯逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
公務執行妨害罪とは
事例のAさんは、公務執行妨害罪の疑いで逮捕されています。
公務執行妨害罪は、公務員による職務の円滑な執行を保護するために設けられた犯罪で、刑法95条1項で以下のように規定されています。
「公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」
公務執行妨害罪が成立するための要件のひとつである「公務員」とは、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員のことをいいます(刑法7条1項)。
Vさんは救急隊員ですが、救急隊員は消防士として各自治体に採用されている公務員にあたります。
そして、Aさんは、救急隊員の職務である救護活動にとりかかっているVさんに対して、殴ったり押し倒したりという暴力を加えていますので、これは「職務を執行する」に当たって「暴行…を加え」ているということになるでしょう。
そのため、事例のAさんには公務執行妨害罪が成立する可能性が高いといえます。
もし相手に怪我を負わせてしまったら?
もし、事例のAさんが、119番通報のより駆け付けた救急隊員のVさんに暴力を加えて怪我を負わせてしまった場合は、先ほど説明した公務執行妨害罪に加えて刑法204条が規定する傷害罪が成立することになります。
このように、ひとつの行為が2つ以上の罪名に触れることを観念的競合(刑法54条1項前段)と言います。
観念的競合の場合には、成立する犯罪の中で「その最も重い刑により処断する」ことになります。
公務執行妨害罪と傷害罪を比較すると、公務執行妨害罪の法定刑は3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金であり、傷害罪の法定刑は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっていますので、傷害罪の刑によって処断されることになります。
ご家族が公務執行妨害罪の疑いで逮捕されたことを知ったら
警察からの連絡で、ご家族の方が公務執行妨害罪の疑いで逮捕されたことを知ったら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
公務執行妨害罪の疑いで逮捕されたという連絡を受けたご家族様からすると、警察からは逮捕されたという以上の情報は得られず、事件の詳細や今後どうなるのかといったことについては、問い合わせをしても詳しく答えてもらえず、今後について不安になることが多いかと思います。
このような場合に、弁護士に初回接見を依頼されると、弁護士が逮捕されたご本人様から事件について直接お話を伺うことができますので、事件の詳細や、今後どのような流れで事件が処理されていくのかといったことについて弁護士からアドバイスをもらうことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、公務執行妨害罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が公務執行妨害罪の疑いで逮捕されて今後についてご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】傷害事件を起こしてしまって弁護士に示談を依頼
花火大会で相手を殴ってケガをさせたとして傷害の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、友人と一緒に花火大会を見に行きました。
久しぶりに開催された花火大会ということもあって、花火大会は多くの観客で大混雑の状況でした。
Aさんは、花火大会で偶然出会った見ず知らずのVさんとトラブルになり、Vさんの顔を殴ってケガを負わせました。
Aさんは、周囲で交通規制業務を行っていた警察官に傷害の疑いで逮捕されました。
(この事例はフィクションです)
傷害事件の弁護活動
Aさんは、傷害の疑いで逮捕されています。
傷害罪は刑法204条に規定されている犯罪で、人の身体の生理的機能を害することによって成立する犯罪になります。
事例のように、被害者の方の顔を殴ってケガをさせたという場合は、傷害罪が成立する典型的な場合だといえます。
このように成立した傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。
傷害事件を起こしてしまって、傷害の事実を認める場合の弁護活動としては、被害者の方との示談が非常に重要になりますが、示談交渉については弁護士に依頼されることをお勧めします。
今回のように、被害者の方が偶然その場に居合わせた見ず知らずの人であったという場合は、どこに連絡すれば良いのかがわかりませんので、そもそも示談交渉を始めることが出来ません。
このような場合でも、警察などの捜査機関であれば被害者の方と連絡を取ることができますので、弁護士が捜査機関にお願いをして、示談交渉のためにお名前や連絡先を教えてもらうことがよいかを被害者の方に直接確認してもらうことができます。
そして、被害者の方の承諾を確認できれば、そこから初めて示談交渉を開始することができます。
傷害罪の被害者の方に謝罪をし、示談金をお支払いするといったかたちで、被害者の方と示談を締結することができれば、傷害罪の前科の付かない不起訴処分になる可能性を高めることができるでしょう。
傷害罪で示談交渉を依頼したいとお考えの方は
傷害事件を起こしてしまって、被害者の方との示談交渉をお考えになっているという方は、いち早く弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は傷害罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
傷害事件で示談をしたいとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【事例解説】飼い犬への虐待によって動物愛護法違反の疑いで書類送検
自宅で飼っていた犬を虐待していたとして動物愛護法違反の疑いで書類送検されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
Aさんは、自宅で飼っていた犬が自分の言うことをきかないため、犬を蹴ったり、叩きつけたりといった虐待を加えていました。
日常的な虐待によって、Aさんの犬はケガを負っています。
ある日、Aさんが散歩中に犬に対して虐待をしているところを周りにいた目撃者の方に警察に通報されました。
その後、警察からAさんの元に連絡が届き、Aさんは警察に呼び出されました。
何度か警察に呼び出された後、Aさんは警察から『書類を検察に送るから』と言われました。
(この事例はフィクションです)
飼い犬に対して虐待を加えるとどのような罪に問われるか?
Aさんは、動物愛護法違反の疑いで書類送検されています。
「動物愛護法」とは、正式には「動物の愛護及び管理に関する法律」という法律名で、「動物愛護法」や「動物愛護管理法」といった略称であらわされることが多いです。
この動物愛護法44条1項では、「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
事例のAさんは、自身が飼っている犬に対して蹴ったり、叩きつけたりという虐待を加えて、犬にけがを負わせていますが、犬は「愛護動物」に当たりますので、Aさんは動物愛護法44条1項によって5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科される可能性があるということになります。
また、愛護動物を殺傷していなくても、愛護動物の身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加えたり、愛護動物に餌や水を与えずに衰弱させたり、愛護動物が病気になってもそのまま放置したり、愛護動物を排せつ物が堆積した場所で飼育していたりといった愛護動物に対する虐待を行っていた場合には、動物愛護法44条2項によって処罰の対象になる可能性が高いです。
動物愛護法44条2項の法定刑は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっています。
愛護動物にはどのような動物が当たるか
このように、「愛護動物」に対して虐待を加えると罪に問われる可能性がありますが、「愛護動物」には、犬以外にも、牛、馬、豚、めん羊、山羊、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひるが該当します(動物愛護法44条4項1号参照)。
また、上記以外の動物で、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものも「愛護動物」に当たることになりますので(動物愛護法44条4項2号参照)、例えば、ペットで飼われているハムスターやインコといった動物も「愛護動物」に当たることになります。
書類送検とは
事例のAさんは、数回警察に呼ばれた後に、警察から「書類を検察に送るから」と言われていますが、これは、報道でよく使われる「書類送検」をするということです。
書類送検の後にどうなったかが報じられる機会が少ないことからか、書類送検されるとそれで事件が終わったと思われる方が少なくありませんが、そうではありません。
書類送検とは、警察で作成した調書といった捜査書類や証拠となる物を警察から検察に送致することを意味していますので、書類送検がなされると、送致されてきた捜査書類等を踏まえて、検察官が被疑者を起訴するかどうかの判断を行うことになります。
動物愛護法違反の前科を付けたくないとお考えの方
動物愛護法違反の疑いで書類送検された方で、前科を付けたくないとお考えの方は弁護士に相談して、今後の対応等についてアドバイスを受けることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
動物愛護法違反の疑いで警察の捜査を受けている方や、動物愛護法違反の疑いで書類送検された方、動物愛護法違反の前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。