東京都千代田区の寝たばこ失火事件 放火との違いは?弁護士に相談

2018-12-30

東京都千代田区の寝たばこ失火事件 放火との違いは?弁護士に相談

東京都千代田区のビジネスホテルに宿泊していたAさんは,ベッドの上で横になりながら寝たばこをしていたところ,うっかり煙草の火をベッドの上に移してしまった。
そしてこの寝たばこが原因で火災となり,宿泊していた部屋とその隣の客室を焼損させてしまった。
そしてAさんは,神田警察署失火罪逮捕されてしまった。
(このストーリーはフィクションです。)

放火行為

わざと放火行為によって火災を起こすことは犯罪ですが,放火行為の対象,すなわち何が燃やされるのかによって刑の重さや,犯罪が成立するに必要な条件が変わってきます。
放火による犯罪を大きく分けると,
①現住建造物等放火罪(刑法108条):現に人が住居に使用し又は放火時に人が中にいる建物等(マンション,デパート,電車等)に放火した場合。
②非現住建造物等放火罪(刑法109条):現に人が住居に使用せず,かつ放火時に人がいなかった建物等(お店の倉庫等)を放火した場合。
ただし,自己の物に放火した場合で,公共の危険(不特定又は多数の人の生命身体や他の物に対する危険をいいます)がなければ処罰はされません。
③建造物以外等放火罪(刑法110条):①と②に含まれない物(バイク等)を放火して公共の危険を生じさせた場合。(自己の物の場合は②と同じ扱いで,刑は軽くなります。)
となります。
上のお話では,人がいる建物であるホテルが出火したので,①に該当しそうですが,Aさんはわざとではなく寝たばこによって火災を起こしてしまったので,これらには当てはまらないと言えるでしょう。

過失による放火(失火罪)

しかし,過失よる放火失火)も犯罪となります(失火罪,刑法116条)。
よって,Aさんのように間違えて①に該当する建物等に失火してしまった場合には,50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
さらに,過失が重い場合には刑法117条の2によって3年以下の禁錮又は150万円以下の罰金と重くなる可能性もあります。
どちらも故意で①に該当する建物等に放火した場合の刑(死刑又は無期若しくは五年以上の懲役)よりは軽いですが,だからと言って甘く見てはいけません。
千代田区に限らず,失火罪放火罪,その他刑事事件でお困りの方は数々の刑事事件をこなしてきた弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務にご相談くださいませ。