傷害事件で家裁送致

2020-11-15

傷害事件で家裁送致

傷害事件家裁送致されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

Aさんは、東京都港区に住んでいる高校1年生です。
ある日、Aさんは近隣の高校に通うVさんと口論になり、その末にVさんを一方的に殴って全治3週間のけがをさせるという傷害事件を起こしてしまいました。
Aさんは傷害罪の容疑で警視庁赤坂警察署に逮捕され、Aさんの両親に逮捕の連絡がありました。
Aさんの両親は、警察官から「この後家裁送致されます。」と伝えられ、どのような手続きになるのかと不安に思ったAさんの家族は、少年事件を取扱っている弁護士に相談し、傷害事件だけでなく家裁送致などの少年事件の手続きについて相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・家裁送致とは

少年事件でも成人の刑事事件とほとんど同様に捜査が行われます。
少年事件も警察や検察が事件の捜査を行い、必要があれば少年が逮捕・勾留されることもあります。
ただし、少年事件の場合、成人の刑事事件のように起訴・不起訴の判断や有罪・無罪の判断、有罪だった場合に科される刑罰の重さの判断をされることはありません。
少年事件では、少年事件の専門家がそろう家庭裁判所の審判で、少年の更生に適切だと考えられる処分(保護処分)を決めることになります(審判不開始や不処分、逆送といった例外もあります。)。
この審判を家庭裁判所という専門の機関で行うため、捜査機関での捜査が終わった少年事件は家庭裁判所に送られます。
これが家裁送致と呼ばれるものなのです。

少年事件では、少年に犯罪の嫌疑があれば、原則として全ての少年事件が家庭裁判所に送致されることになっています(全件送致主義)。
というのも、先ほど触れたように少年事件では少年の更生に適切な処分が下されなければなりません。
そのためには、少年の環境や資質を専門的に調査する必要があるため、その専門家がいる家庭裁判所に判断を任せようということなのです。
家裁送致前の捜査段階と家裁送致後では、少年事件の手続きや注目すべきポイントが変化するため、家裁送致が行われるタイミングはきちんと把握しておく必要があります。

警察の捜査により事件が発覚し少年事件となった場合で多くあるパターンとしては、そこから検察庁に事件が送致され、さらにそこから家裁送致が行われるというものです(罰金以下の刑に当たる犯罪の場合は、警察から直接家裁送致が行われる場合もあります。)。
被疑者である少年が逮捕されていない在宅事件の場合、警察から検察、検察から家庭裁判所へ送致が行われるタイミングはまちまちです。

一方、被疑者である少年が逮捕等身体拘束されている少年事件の場合、警察から検察へは逮捕から48時間以内に送致が行われます。
そして、検察からの家裁送致は、勾留決定がなされている場合には、勾留満期と共になされる場合が多いです。
ただし、被疑者である少年が逮捕されている少年事件の場合、警察から事件の送致を受けた検察が勾留請求せずにすぐに家裁送致を行うようなパターンも存在するため、注意が必要です。
逮捕・勾留を伴う捜査が行われていた少年事件家裁送致された場合、観護措置という鑑別所に少年を収容する身体拘束が行われる可能性もあるため、弁護士と手続きを確認しながら弁護活動・付添人活動をしてもらうことが重要です。

家庭裁判所少年事件が送致された後は特に少年事件独特の手続きが多く存在するため、それに備えた活動をしておきたい、知っておきたいという方も多いでしょう。
しかし、少年事件独特の手続きについてはなかなか一般に周知されていないことも多いです。
こんな時は、刑事事件・少年事件専門弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談下さい。
少年事件の手続きや流れ、対応の仕方等を丁寧にお話しさせていただきます。
まずはお問い合わせから、0120-631-881までお電話ください。