子供の虐待事件で逮捕が不安

2021-03-07

子供の虐待事件で逮捕が不安

子供の虐待事件逮捕が不安だというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

大阪府高石市に住んでいるAさんは、夫であるBさんと、Bさんとの子供であるVさん(小学3年生)と暮らしていました。
Aさんは、Vさんが言うことを聞かないことに苛立っており、たびたびVさんに暴力を振るってしまっていました。
ある日、Vさんが通う小学校でVさんの体のあざが発見され、VさんがAさんから暴力を受けていたことが判明。
Vさんは児童相談所に保護されることになりました。
児童虐待の疑いがあると伝えられたAさんは、今後自分が大阪府高石警察署逮捕されるのではないかと不安になり、弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・児童虐待事件

厚生労働省のまとめによると、2019年度に全国の児童相談所が児童虐待として対応した件数は19万3,780件であり、過去最多であったそうです。
児童虐待は、今回のAさんのケースのような暴行などによる身体的虐待のほか、育児放棄(ネグレクト)、性的虐待、心理的虐待の4種に分けられるとされていますが、2019年度に対応された児童虐待では、心理的虐待が10万9,118件、身体的虐待が4万9,240件、ネグレクトが3万3,345件、性的虐待が2,077件となったそうです。
児童虐待というと身体的虐待を思い浮かべる方も多いでしょうが、2019年度では心理的虐待が半分以上を占めることとなっています。

こういった児童虐待行為は、まとめて「児童虐待罪」とされるわけではなく、児童虐待行為自体がそれぞれ当てはまる犯罪になります。
例えば、今回のAさんはVさんに対して暴力を振るっているようです。
こうした場合、刑法の傷害罪暴行罪の成立が考えられます。

刑法第204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法第208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

子供へのしつけと考える方もいるかもしれませんが、しつけとして相当な程度を超えていきすぎてしまえば児童虐待となり得ますし、当然犯罪に問われることとなります。
他の児童虐待の態様であっても、育児放棄(ネグレクト)をすることで刑法の保護責任者遺棄罪などが成立する可能性がありますし、心理的虐待をすることで侮辱罪や傷害罪になることも考えられます。
性的虐待では監護者わいせつ罪・監護者性交等罪や児童福祉法違反などの成立も考えられます。
児童虐待といってもその態様によって成立する犯罪は様々ですから、児童虐待事件の当事者となった場合には、まずは弁護士に容疑をかけられている犯罪やその見通しについて詳しく聞いてみることが必要でしょう。

・児童虐待事件で逮捕が不安

今回のAさんの事例では、まだ警察などの捜査機関が介入しておらず、刑事事件化される前のようです。
しかし、児童虐待があったとなった場合、警察が介入して児童虐待事件として刑事事件化される可能性は否定できません。
そうした場合、被害者である子供と加害者である親が同じ家庭内にいるという児童虐待事件の特性から見ても、被疑者であるAさんが逮捕される可能性があります。

逮捕される可能性がある場合、前もって弁護士に相談・依頼し、逮捕されてしまった場合の準備をしておくことが重要です。
例えば、Aさんの両親などに協力してもらい、Aさんの行動の監督や家庭での行動の改善指導をしてもらうよう準備し、その主張をするための証拠づくりをすることや、Aさんが同じことを繰り返さないために原因や改善策を探れるようカウンセリングへ通うようにするといったことをしておき、それを証拠化しておくことなどが考えられます。
子供のケアや再発防止のためにも、刑事事件の専門家からアドバイスをもらうことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談を行なっています。
逮捕が不安だという方もお気軽にご相談いただけます。
逮捕前に専門家である弁護士の話を聞くことで、具体的にすべきことが明確になり、不安の軽減にもつながります。
まずはお気軽にご相談ください。