酒に酔っての暴行事件で逮捕

2020-06-07

酒に酔っての暴行事件で逮捕

酒に酔っての暴行事件逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

神戸市東灘区の会社に勤務しているAさんは、終業後、飲食店で飲酒をして帰路につきました。
すると、通行人のVさんとすれ違った際に肩がぶつかってしまいました。
Aさんは酒に酔っていたことで気が大きくなっており、Vさんがわざと肩をぶつけてきたのだと因縁をつけ、Vさんの胸倉をつかんだり突き飛ばしたりしました。
それを見ていた別の通行人が兵庫県東灘警察署に通報したことから、兵庫県東灘警察署の警察官が現場に駆け付けましたが、Aさんは「何の用だ。俺は何も悪いことをしていないぞ」などと言って逃げようとしたことから、Aさんは暴行罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、酔いがさめてから事の重大さに気づき、今後自分がどのようになってしまうのか不安に襲われました。
そこでAさんは、逮捕の知らせを受けて家族が接見を依頼した弁護士に、今後の流れや見通し、対応の仕方について詳しく相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・暴行罪・傷害罪

人に暴力をふるってしまえば、刑法の暴行罪傷害罪に問われることになります。

刑法第204条(傷害罪)

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法第208条(暴行罪)

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

条文にあるように、暴行罪傷害罪は、人に暴力をふるって怪我をさせてしまえば傷害罪に、怪我をさせるに至らなければ暴行罪になるという関係にあります。
わざと暴力をふるった時点で暴行罪の故意(暴行罪を犯す意思や認識)があることは分かりやすいですが、その暴行で相手が怪我をしてしまえば、たとえ「相手に怪我をさせよう」という認識がなくとも傷害罪が成立することになります。
すなわち、傷害罪の成立には、暴行罪の故意があれば十分なのです。
こういった関係にある犯罪を「結果的加重犯」と呼び、今回の暴行罪傷害罪でいえば、傷害罪暴行罪の結果的加重犯であるということになります。

暴行事件で注意しなければいけないのは、逮捕されたり任意同行を受けたりした時点では被害者が怪我をしているかどうかが分かっていない場合があり、そうしたケースでは、後から容疑が暴行罪から傷害罪に切り替わる可能性もあるということです。
捜査が進んだことで診断書などが提出され、罪状が変わるということもあり得るのです。

・酒を飲んで刑事事件を起こし逮捕されてしまったら

酔っ払いのちょっとした喧嘩程度で大事にはならない、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、こうした暴行事件傷害事件逮捕されてしまう可能性は十分あります。
今回の事例のAさんのように、事件当時酒に酔って暴れていたり逃げようとしたり、受け答えがはっきりしなかったりといったことがあれば、逮捕されてしまう可能性が出てくるでしょう。
また、酒に酔った末に暴行事件を起こしたようなケースで酒に酔って記憶がない、記憶が曖昧であるという場合には、記憶がはっきりしないことから被疑事実を認めることができないため、容疑を否認している=逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕されてしまうことも考えられます。

こうした酒に酔って突発的に暴力事件を起こしてしまい逮捕されてしまったケースでは、勾留されずに釈放されることもそのまま勾留がついて身体拘束が続く場合もどちらも考えられます。
被疑者の酔いがさめてきちんと対応ができるようになったり、被害の程度が軽く悪質性が低いと判断されたりすれば、逮捕されていたとしてもすぐ釈放になることも考えられます。
対して、被疑者の記憶がはっきりしないなどの理由から被疑事実を否認し続けているケースや、被害の程度が重く悪質性が高いと判断されたケースでは、逮捕に引き続いて勾留されることも考えられるのです。

では、釈放される可能性もあるのだから放っておいてよいのかというとそうではありません。
たとえ釈放されたとしてもその事件自体が終了したわけではなく、当然事件の捜査は続いていくことになります。
起訴・不起訴の判断をされるときや起訴後にどういった刑罰が適切か判断されるときには、取調べで被疑者が話した内容が証拠として使われる可能性があります。
そのため、その後の刑事事件の流れを考えれば少しでも早く専門家である弁護士からアドバイスをもらって取調べ対応のアドバイスや手続き・流れの把握をしておくことが重要となるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、酒に酔って刑事事件を起こしてしまったケースや逮捕にお困りのケースでも刑事事件専門の弁護士が迅速に対応いたします。
0120-631-881では、ご相談者様の状況に合わせたサービスをご案内していますので、まずはお気軽にご連絡ください。