【事例解説】銭湯で他の客に暴行したとして暴行罪の疑いで逮捕
銭湯で他の客に暴行したとして暴行罪の疑いで逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
・事件概要
京都府下鴨警察署は、会社員の男性を暴行罪の疑いで逮捕した。
男は、京都市内の銭湯に入浴中に、別の客が体をしっかり洗わずに湯船に入ろうとしたのを見て「体洗わなあかんやろ」と注意したところ、相手が無視してお湯に浸かろうとしたため突き飛ばしたとされている。
周りにいた他の客からトラブルを聞きつけた店舗スタッフが止めに入ろうとするも、男は「お前らスタッフが言わんから俺が言ってるんや」とスタッフも突き飛ばしたので、警察に通報された。
駆けつけた警察官に対し、男は、「カッとなってやってしまった」と容疑を認めている。
(フィクションです)
・暴行罪とは
刑法208条(出典:刑法/e-GOV法令検索)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
刑法は、他人を叩いたり物を投げつけたりといったする行為を暴行罪として罰しています。
暴行とは、人の身体に対する不法な有形力の行使であると解されています。
本件では、加害者の男性は、銭湯でマナーを守らなかった他の利用者と、トラブルを止めに入った銭湯のスタッフを突き飛ばしたようです。
人を突き飛ばす行為は、人の身体に対する不法な有形力の行為といえそうですから、暴行罪が成立する可能性があります。
・できるだけ早く弁護士に相談を
暴行罪に当たる行為をしてしまった場合、本件の加害者の男性のように逮捕される可能性があります。
逮捕された場合、検察官が勾留の必要があると判断すれば、検察官から裁判官に勾留請求がされます。
最終的に、裁判官により勾留の決定がされてしまうと、社会人の方には大きな影響があります。
勾留とは、逮捕に続く身体拘束であり、10日間に及ぶ上、場合によってさらに延長されることさえあります。
このように身体拘束期間が長引いた場合、社会人の場合には仕事に行くことができなくなってしまいます。
結果、犯罪の嫌疑がかけられていることが知られてしまい、解雇される可能性があります。
したがって、早期に釈放を目指す弁護活動を開始することが重要となります。
逮捕後早い段階で弁護士に依頼することで、釈放を目指すための活動を行うことができます。
例えば、検察官と裁判官が勾留の必要性を判断する際に、弁護士は身体拘束の必要性がない旨の意見書を提出することができます。
意見書を適時に提出するのは、時間との勝負になります。
また、勾留が決定されてしまった場合でも、準抗告という形で、勾留の決定についての異議申し立ても可能です。
勾留に対する意見書の提出は勾留の決定がされる前にする必要がありますし、準抗告についても勾留の決定がされた後直ぐに申立てをすることで早期の釈放が叶う可能性があります。
刑事事件は時間との勝負になりますので、可能な限り早く弁護士にご相談されることをお勧めします。