【事例解説】医学部の大学生が傷害事件 弁護士に示談を依頼
医学部の大学生が傷害事件で弁護士に示談を依頼するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例紹介
医学部の6年生であるAさんは、行きつけのバーでお酒を飲んだ帰りに、Vさんと些細なことからトラブルになりました。
Vさんの話し方が気に食わなかったAさんは、Vさんのお腹を殴ったり、太ももあたりを蹴ったりという暴行を加えて、Aさんに怪我を負わせました。
Vさんが路上でうずくまったので、Aさんはその場から離れました。
それから数カ月後、突然、警察から連絡が来て、Vさんに対する傷害事件について、話を聞きたいからと警察署まで呼び出されました。
Aさんは家族と相談して、Vさんに対する傷害を認めて、弁護士にVさんとの示談交渉を依頼したいと考えています。
(この事例はフィクションです)
医師が傷害事件を起こすと医師免許はどうなる?
殴ったり蹴ったりといった暴力を加えて、相手に怪我を負わせると刑法204条の傷害罪が成立することになります。
傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっていますので、傷害罪で起訴されて有罪となってしまうと、この範囲で刑が科されることになります。
事例のAさんは医学部の6年生という立場で傷害事件を起こしています。
医学部の6年生ということは医師を目指して、今後、医師国家試験の受験を控えていることとになると考えられます。
医師になるためには、医師国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受けなければなりませんが(医師法2条)、この医師免許については、医師法4条3号において、罰金刑以上の刑に処せられた者は、免許を与えられないことがあると規定しています。
そのため、傷害罪で前科がついてしまうと、医師免許を厚生労働大臣から付与されるかどうかの判断にあたって、審査の対象になってしまい、医師免許の取得に重大な影響が出てしまう可能性があります。
傷害事件で被害者の方と示談交渉をお考えの方は
医師免許の取得を予定している医学部の大学生が、傷害事件を起こしてしまった場合に、傷害罪で前科が付くことを避けたいという場合は、いち早く弁護士に被害者の方に対する示談交渉を依頼されることをお勧めします。
検察官が傷害罪で起訴をする前に、被害者の方に真摯に謝罪して、被害者の方との示談を締結することができれば、傷害罪での起訴を回避するという可能性を大きく高めることになります。
傷害罪で起訴されなかったということは、傷害罪で前科が付くことはありませんので、前科による医師免許の取得の影響はないということになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
傷害事件で被害者の方と示談をしたい、傷害罪の前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。