【事例解説】痴漢に間違われたトラブルから暴行事件に発展(後編)
痴漢に間違われたトラブルから暴行事件に発展した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんは電車の対面シートに座って携帯でゲームをしていたところ、スマホのカメラの向きが不自然に見えたようで対面に座っている女性から「盗撮してますよね。」と声を荒げられました。
Aさんはスマホゲームをしていただけだったので否定し、Aさんの横に座っていた人もゲームをしていただけだったことを証言してくれたのでAさんの疑いは晴れましたが女性は文句を言い続けていました。
Aさんは謝罪を求めても女性が謝らなかったことから、カッとなったAさんは女性の肩あたりを強く押してしまいました。
電車の揺れも合わさって女性はシートに倒れ、暴行で被害届を出すといい警察を呼びました。
警察署でお互い話をしましたが、女性が納得せず被害届が出されることになりました。
Aさんは後日警察署に呼出しを受けることになったため弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
具体的な弁護活動
繰り返しになりますが、暴行罪の場合、相手に傷害を負わせていないことから、軽い罪になることが多いでしょう。具体的には、罰金刑にとどまったり、執行猶予が付いたり、といった内容です。
ただ、軽い罪と言っても、刑罰である以上、前科が付くことにはなってしまいます。
事件によっては、他人の喧嘩に巻き込まれただけだったなど、暴行の覚えがないにも関わらず容疑を掛けられてしまう場合もあり、このような場合には、冤罪であるとして潔白を主張し,不起訴処分や無罪判決を求めることが考えられます。
他にも、正当防衛で無罪を主張するケースなどもありますが、正当防衛が成立するかどうかは,具体的な事情を細かく考慮する必要がありますので,弁護士に相談したほうがよいでしょう。
検察官に起訴される前に、暴行の相手方と示談を締結することはとても有益です。
相手方と示談することができれば、不起訴処分により前科を回避できる可能性があります。
暴行事件では,被害弁償や示談の有無及び被害者の処罰感情が被疑者・被告人の処分に大きく影響することになります。身体拘束されている場合でも,示談をすることで早期に釈放される可能性が高まります。
弁護士を介することで、被疑者と関係のよくない相手であっても、示談を首尾よく進められることも多いのです。