傷害致死事件

傷害致死罪の概要

傷害致死罪は,刑法第205条に「身体を傷害し,よって人を死亡させた者は,3年以上の有期懲役に処する」と規定されています。

具体例としては,殺意はないものの,被害者をナイフで切り付けたところ,被害者が重症を負い,死亡した場合などが挙げられます。

 

1 対象行為

人を傷害して死亡させることをいいます。

暴行による傷害か暴行以外の方法による傷害かは問いません。

その傷害から死亡の結果を発生させることが必要です。

 

2 因果関係

傷害致死罪が成立するためには,暴行・傷害と死亡との間に因果関係があることが必要です。

因果関係とは,行為と結果との間とのつながりのことをいいます。

実際の裁判では,被害者の心臓に重い病変があったため,暴行によって心筋梗塞を起こして死亡した場合や暴行を受けた被害者が憤激して脳出血を起こして死亡した場合などに因果関係が認められています。

 

3 故意

人が死亡したという点で類似する犯罪として,殺人罪があります。

傷害致死罪と殺人罪を分けるポイントとしては,行為の時点で殺意があったかどうかという点になります。

殺意とは,客体が生命のある自然人であり,自己の行為によってその死の結果が生じることを意図し,又はそのおそれがあることを予見しながら認容することをいいます。

殺意の有無は,凶器,凶器の使用方法,被害者に残された傷の位置等から判断されることになります。

殺意が認められる場合には殺人罪が,殺意がないという場合には傷害致死罪が成立します。

 

具体的な弁護活動

1 因果関係がないことを主張する

傷害態様や傷害を加えた部位に照らして,死亡結果と関係がない傷害行為が主張されているときは,傷害行為と死亡結果との因果関係がないとの主張をすることで,傷害致死罪の成立を阻止できる可能性があります。

因果関係とは,行為と結果との間につながりがあることをいいます。

一般に因果関係が認められなければ,犯罪は成立しないことになります。

因果関係がないとの主張をすることで,傷害致死罪よりも軽い傷害罪あるいは暴行罪の限度での処罰に止めることができる場合があります。

 

2 正当防衛を主張する

傷害事件において,喧嘩などで相手方から暴力・危害を加えられ又は加えられそうになったので反撃として傷害行為を行ったという事情があれば正当防衛を主張することが考えられます。

正当防衛が成立するかどうかは,具体的な事情を判断する必要があり,弁護士に相談する必要があります。

 

3 示談をする

傷害致死事件では,被害弁償や示談の有無及び被害者の処罰感情が被疑者・被告人の処分に大きく影響することになります。

被害弁償・示談をしたこと,被害者の処罰感情がないことを検察官に対して主張することが重要になります。

また,身体拘束から解放するためにも示談を締結し,被害者と示談したという事実は,当事者間で事件が解決しており,被害者も被疑者・容疑者を許しているという点で身体拘束の必要性に影響するため,重要となります。

そのため,早期に身柄解放を得るためにも被害者と迅速な交渉・示談締結が大きな影響を与えます。

起訴された(正式裁判にかけられることになった)場合でも,示談をすることによって,被告人にとって有利な情状として主張することができます。

 

4 裁判員裁判への対応

傷害致死罪は,裁判員裁判の対象事件になります。裁判員裁判とは,一般の市民の方が職業裁判官と一緒に有罪・無罪及び有罪の場合の刑の重さ(量刑)を決める裁判制度のことです。

裁判員裁判は,一般の方が参加する制度になりますので,専門用語を並べるだけでなく,分かりやすい裁判をする必要があります。

また,通常の刑事裁判と異なる手続が多い制度になりますので,手続の面での専門性も問われることになります。

弊所では,裁判員裁判も多数経験しておりますので,これらの点についての十分な対応実績があります。

 

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,傷害致死事件でお困りの方に対して,専門の弁護士が初回無料で法律相談いたします。

また,身体拘束されている方に対しては,初回接見サービスもご用意しております。

ぜひ一度お問い合わせください。

 

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