少年のカツアゲ事件で逮捕
少年のカツアゲ事件で逮捕
少年の起こしたカツアゲ事件で逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪市北区に住んでいる18歳のAさんは、友人らと一緒になって通行人にいちゃもんをつけては脅し、金品を巻き上げるといういわゆるカツアゲを行い、被害者から金品を巻き上げていました。
カツアゲの被害を訴える被害者が多くいたことから、大阪府大淀警察署は捜査を開始し、その結果、Aさんらが恐喝罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの家族は、身内が警察に逮捕されるなど初めてのことであったため、何をしてよいのかわからず困ってしまいました。
そこでAさんの家族は、まずは何をすべきなのか、どういったことが必要なのか聞いてみようと、刑事事件や少年事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・カツアゲ行為は恐喝罪になる
いわゆるカツアゲは、人を脅して金品を巻き上げる行為を指します。
このカツアゲ行為は、多くの場合、Aさんの逮捕容疑でもある刑法の恐喝罪に該当します。
刑法第249条第1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
恐喝罪の条文では、「人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」(1項)、「前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする」(2項)とされており、1項に定められているものを財産恐喝罪、2項に定められているものを利益恐喝罪又は2項恐喝罪と呼んだりもします。
そして、恐喝罪のいう「人を恐喝して」とは、暴行や脅迫を用いて財物の交付を要求することを指します。
この際、用いられる暴行や脅迫は相手を畏怖させる程度のものであり、かつ、相手の反抗を押さえつけない程度のものであることが求められます。
もしも暴行や脅迫が相手の反抗を抑圧するほど強いものであった場合、成立する犯罪は恐喝罪ではなく強盗罪になる可能性が出てきます。
例えば、ナイフなどの刃物を突き付けて脅したような場合には、相手としては抵抗することができなくなるでしょう。
そうなると、暴行又は脅迫の程度が強く、相手の反抗を抑圧する程度であった=恐喝罪ではなく強盗罪であると判断される可能性があるのです。
上記の事例のAさんはカツアゲをしていますが、その方法としていちゃもんをつけて相手を脅すというものです。
事例からは詳細な内容は分かりませんが、先ほど例に挙げたような凶器を使って脅すなどの相手の抵抗を押さえつけるほどの強さには至らない暴行や脅迫を用いていたのであれば、Aさんのカツアゲは刑法第249条第1項の恐喝罪にあたると考えられます。
恐喝罪は、上記の法定刑からも分かるように、罰金刑のみの規定はありません。
そのため、恐喝罪で起訴され、執行猶予のつかない有罪判決が下れば、そのまま刑務所へ行くことになります。
カツアゲというと、いわゆる不良が悪さをしただけ、というようなイメージの方もいるかもしれませんが、これだけ重い犯罪なのです。
しかし、今回のAさんは未成年であるため、基本的に刑罰を受けることはありません。
少年事件の場合、原則として家庭裁判所で下される終局処分は保護処分と呼ばれ、少年の更生のための処分となります。
ですが、恐喝罪のような重い犯罪を起こしてしまっている場合、環境に何らかの深い問題があると判断され、少年院送致などの施設送致処分となったり、刑事処分が相当と判断され、いわゆる「逆送」がなされて刑事事件となることも考えられます。
社会内での更生を目指すためにも、早急に更生のための環境調整を行っていく必要があります。
少年事件では、この更生のための環境調整が非常に重要な活動です。
逮捕されてから家庭裁判所に送致されるまでの捜査段階から、家庭裁判所での調査・審判を見据えて環境調整の下準備をしていかなければなりません。
だからこそ、少年事件で逮捕されてしまったら、早い段階から少年事件に対応できる弁護士のサポートを受けることがおすすめされるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件も専門的に取り扱う弁護士が依頼者様をフルサポートいたします。
まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。