【事例解説】車内の刃物が警察官に発見され刑事事件化
【事例解説】車内の刃物が警察官に発見され刑事事件化
車の中に置いていた刃物が警察官に見つかったために捜査が始まったケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例紹介】
「Aさんは、自分の車のコンソールボックスの中に刃体の長さが5・8センチメートルのサバイバルナイフを防災用に入れていました。
ある日、車を運転中に警察の職務質問を受けました。
その際に車の中の捜索を受けて、警察官がコンソールボックスの中に置いてあったサバイバルナイフを見つけたために軽犯罪法違反として捜査が開始されることになりました。
Aさんは、サバイバルナイフを押収されて、また警察官から『後日、事情聴取を行うために警察に呼びだすから』と言われました。
(この事例は、令和5年3月2日読売新聞の記事を参考にしたフィクションです。)
【刃物を携帯・所持の罪】
正当な理由がなく、刃物を所持していたり、隠して携帯していたりすると罪に問われる可能性があります。
どのような罪に問われる可能性があるかは、所持・携帯していた刃物の刃体の長さによって異なります。
事例のAさんのように、刃体の長さ6センチメートル以下の刃物を隠して所持していたという場合には、軽犯罪法1条2号に違反する可能性があります。
軽犯罪法1条2号に違反すると、拘留(1日以上30日未満の期間、刑事施設に収容すること)または科料(1000円以上1万円未満の金銭を納付すること)が科される可能性があります。
また、所持していた刃物の刃体の長さが6センチメートルを超える場合は、軽犯罪法ではなく銃刀法22条に違反する可能性があります。
銃刀法22条に違反すると、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が課される可能性があります(銃刀法31条の18第2項2号)。
【銃刀法違反でお困りの方は】
刃物を所持・携帯していたとして、銃刀法違反や軽犯罪法違反の罪が成立する為には、刃物を所持・携帯していたことに「正当な理由がない」ことが必要になります。
そのため、警察の取り調べでは、どういった経緯で刃物を所持・携帯することになったのかと聞かれることになるでしょう。
このような取り調べにおいて警察官の誘導に乗ってしまって自身に不利な調書が作成されないように、銃刀法違反や軽犯罪法違反の疑いで警察の取調べを受ける予定があるという方は、事前に弁護士に相談されることをお勧めします。
警察官が取り調べで誘導することがあるのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、警察官に誘導されてしまって自身に不利なことを供述してしまうことはあり得ることです。
実際に、3月2日の読売新聞では、車内に十徳ナイフを隠して携帯していたとして軽犯罪法違反の罪で起訴された男性が無罪となったニュースが報道されていましたが、この事件の裁判では、被告人の男性が捜査段階において警察官の誘導に乗せられて供述した可能性があると指摘されています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
銃刀法違反や軽犯罪法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。