【報道解説】老人ホーム職員の入所者に対する傷害事件で逮捕

2023-04-27

【報道解説】老人ホーム職員の入所者に対する傷害事件で逮捕

老人ホーム施設職員入所者暴行して怪我をさせた傷害罪刑事事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件概要】

福岡県久留米市の特別養護老人ホームの介護職員男性A(32歳)が、入所者女性V(86歳)の腕を殴り骨折の怪我を負わせたとして、傷害罪の容疑で逮捕されました。
福岡県警久留米警察署の調べでは、Aは、食事介護中にVが何度も皿を落としたことに腹が立ち、腕を殴ったことは認めていますが、怪我をさせるつもりはなかったと供述しています。
(令和5年3月8日の「共同通信」の記事をもとに、一部事実を変更したフィクションです。)

【傷害罪とは】

傷害罪については、刑法第204条で以下のように定められています。
「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」
傷害とは、「人の生理的機能に障害を生じさせること」を意味しており、骨折や創傷等の外傷は勿論のこと、眩暈や腹痛などの疾患を引き起こすことも含まれます。
通常、暴行によって傷害を生じさせる場合が多いですが、傷害を生じさせる意図(故意)により、暴行以外の手段で傷害を生じさせる場合も傷害罪が成立します。例えば、執拗な嫌がらせ電話により相手をノイローゼにさせた例が挙げられます。

【傷害の故意がない暴行による場合の傷害罪の成立】

暴行以外の手段であれば傷害の故意が必要であると述べましたが、故意の暴行により傷害が発生した場合では、例え傷害の故意がなかったとしても、傷害罪が成立します(結果的加重犯)。
つまり、故意に殴ったことは認める場合は、怪我をさせるつもりはなかったと主張しても、傷害罪は成立します。

【傷害罪の刑事弁護】

被害者感情が重要視される昨今、傷害事件においても、被害者の方と示談することは、重要な弁護活動です。

示談が成立することで、逮捕勾留による身体の拘束から解放されたり、検察官が起訴することなく事件を終わらせたりする可能性が高まるなど、示談締結のメリットは大きいです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害罪示談交渉等を数多く経験し、示談成立による身柄解放や不起訴を獲得している実績があります。
老人ホームの職員による入所者への傷害事件で不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。