ペットに対する器物損壊事件で逮捕
ペットに対する器物損壊事件で逮捕
ペットに対する器物損壊事件で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
大阪府堺市北区に住んでいる高校1年生のAさんは、隣の家に住んでいるVさんが飼っている犬が吠えることにストレスを感じていました。
ある日、また犬に吠えられたAさんはついに耐え切れなくなり、かっとなりその犬を殴って怪我を負わせてしまいました。
Vさんはペットの犬が怪我を負っていることに気が付き、大阪府北堺警察署に被害届を提出。
大阪府北堺警察署の捜査によってAさんがVさんの犬を殴って怪我をさせたことが判明し、Aさんは器物損壊罪の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、まさかAさんが他人のペットに危害を加えて逮捕されるとは思いもよらず、混乱してしまいました。
今後どうしてよいのか分からなくなったAさんの両親は、ひとまず少年事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・器物損壊罪
器物損壊罪は刑法に定められている犯罪の1つです。
刑法第261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
器物損壊罪というと、例えば壺を割ったり車を壊したりという物を物理的に破壊してしまう行為に成立するイメージが強いでしょう。
しかし、器物損壊罪の客体となるのは、そうした多くの方が想像する生きていない「物」だけに限りません。
器物損壊罪の客体である「他人の物」には、動産・不動産だけでなく、動物も含まれているとされています。
つまり、先ほど例に挙げた壺や車といった生きていない「物」だけでなく、ペットのような生き物も器物損壊罪の対象となるのです。
生き物を「物」扱いすることに違和感があるかもしれませんが、刑法の上ではペットも「物」として考えられます。
とすると、今回の事例のAさんは、Vさんの飼っているVさんが所有する犬=「他人の物」を、殴って怪我をさせている=「傷害」しているわけですから、器物損壊罪が成立すると考えられるのです。
なお、この器物損壊罪の「傷害」するということについては、動物を物理的に殺傷することのほか、本来の効用を失わせる行為を含むとされており、例えば他人の飼っている鳥を勝手に鳥かごから逃がすような行為も器物損壊罪とされます。
・少年事件と弁護士の面会
今回のAさんは未成年者であるため、Aさんの起こした器物損壊事件は少年事件として処理されていくことになります。
ですが、少年事件であっても警察の取調べは成人とほぼ同様に行われます。
もちろん、取調べを行う警察官には相手が少年であることを十分理解した対応が求められますが、未成年者が家族と離れて1人で取調べを受けることは大きな負担となるでしょう。
当然、逮捕されている少年本人には詳細な法律知識がないことが予想されますから、被疑者の権利や今後の手続きを把握しながら取調べに臨めるのか不安な部分もあります。
だからこそ、少年事件で逮捕されてしまった場合、迅速に弁護士と面会することが重要です。
弁護士と面会することで、弁護士は逮捕されている少年に被疑者が持っている権利や今後の手続きの詳細を含めてアドバイスをすることができます。
きちんと自分の持っている権利やその先の手続きを把握してから取調べ等に臨むことができれば、誘導に乗ってしまったり不本意な自白を取られてしまったりするリスクを下げることが期待できます。
それ以外にも、家族からの伝言を伝えることができたり、逆に逮捕されている少年から家族への伝言を預かったりすることもできます。
こうしたことから、少年事件で逮捕されてしまった場合には、弁護士との面会が重要なのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士による初回接見サービスをご用意しています。
初回接見サービスは、逮捕・勾留されている少年に弁護士が直接会いに行くサービスです。
上述のようなアドバイスや家族との橋渡しによって、逮捕された少年本人やその家族の不安を軽減させるお手伝いをいたします。
器物損壊事件などの少年事件やその逮捕にお困りの際は、遠慮なく弊所弁護士までご相談ください。