【事例解説】飲み会の帰りに通行人と喧嘩になり暴行を加えたとして逮捕
飲み会の帰りに通行人と喧嘩になり暴行を加えたとして傷害罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
・事件概要
Aさんは会社の飲み会後に自宅まで歩いて帰っているときに通行人の男性Vから、いきなり馬鹿にされ喧嘩になりました。
お酒に酔っていたこともあり、カッとなってしまったAさんはVさんを突き飛ばして転倒させた後に体を蹴りつけました。
喧嘩を目撃した通行人が警察に通報していたため、駆け付けた警察官にAさんは逮捕されてしまいました。
警察からAさんを逮捕した旨連絡を受けたAさんの妻は、事件の詳細を知るために弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)
・傷害罪とは
刑法204条
「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」
傷害罪は、人の身体を「傷害」する犯罪です。判例によれば、傷害とは人の生理的機能に障害を加えることです(大判明治45年6月20日)。
例えば、相手を殴って出血させたり、骨折させたりする行為は、人の生理的機能に障害を加えることにあたり、傷害罪が成立する可能性があります。
本件では、AさんがVさんを突き飛ばして転倒させた後に体を蹴っています。
このAさんの行為により、Vさんが出血や骨折などをしていれば、生理的機能に障害を加えたと評価され傷害罪が成立する可能性があります。
・逮捕後の弁護活動
本件でAさんは逮捕されています。
逮捕自体は最大72時間ですが、この間に勾留の必要があるかどうかが検察官と裁判官により判断され、検察官が請求をし裁判官が勾留が必要だと判断した場合、さらに10日間身柄を拘束されることになります。
本件の被疑者は会社員です。
逮捕後に勾留された場合、Aさんは長期間出勤することがしばらくできなくなり解雇される可能性があります。
したがって、検察官と裁判官に勾留の必要がないことを説明して勾留を防ぐ必要があります。
刑事事件に詳しいわけではない一般の人にとって、検察官と裁判官に何をどう説明したら勾留の必要がないと判断してもらえるのか、よく分からないのではないでしょうか。
ご家族が逮捕された場合は、弁護士に相談されることをおすすめします。
加えて、傷害罪のような被害者のいる犯罪では、相手方と示談を締結できるかどうかが重要となります。
早期に示談が成立すれば、不起訴処分となる可能性がありますし、仮に起訴されたとしても執行猶予がつく可能性があります。
もっとも、A自らVと交渉しようとしても上手くいかない可能性があります。
そこで、示談交渉は法律の専門家である弁護士に一任することをお勧めします。