名古屋市の暴力事件で逮捕 殺人未遂罪の回避を目指す弁護士

2017-02-23

名古屋市の暴力事件で逮捕 殺人未遂罪の回避を目指す弁護士

名古屋市中川区在住のAさんは、Vさんを殺そうと計画し、Vさんの飲み物に硫黄の粉末を入れました。
それを飲んだVさんは、救急車で運ばれましたが、命に別状はありませんでした。
Aさんは、殺人未遂罪の容疑で、愛知県中川警察署逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~不能犯~

上記事例では、AさんはVさんを殺そうと思って硫黄の粉末を入れましたが、Vさんは死亡しませんでした。
この場合、殺そうと思ったけれども殺せなかったのですから、殺人未遂罪が成立しそうです。
しかし、本当にそうなるのでしょうか。

このケースのどこに問題があるかというと、硫黄で人が殺せるのかという点です。
人を殺そうと思ったけれど殺せなかったというような場合に、常に殺人未遂罪が成立するというわけではないのです。
人が死亡する危険性がある行為をしなければ、そもそも殺人行為を行った、と言うことができないのです。
硫黄では人を殺すことはできない、と一般的には言われています。
なので、今回のAさんはそもそも殺人行為をしていないため、殺人未遂罪も成立しない可能性があります。

このような問題を、法律的に「不能犯」といいます。
死亡という結果が発生し得ない行為をしても、殺人罪殺人未遂罪にはならないのです。
では、まったく犯罪が成立しないかというとそういうわけではありません。
硫黄の作用で体調不良になったのであれば、傷害罪が成立する可能性があります。
かなり古い事件ではありますが、今回と同様の事件でも、傷害罪の成立が認められています(大正6年9月10日判決)。

ただ、不能犯にも難しい問題が隠れています。
例えば、弾が入っていない空ピストルを撃った場合はどうでしょうか。
弾が入ってない以上は絶対に人が死亡することはありませんが、殺人未遂罪の成立を認めた裁判例があります(福岡高裁昭和28年11月10日判決)。

このような難しい問題や刑事事件を解決できるのが、専門家である弁護士です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、暴力事件を含む刑事事件専門の弁護士が、あなたの疑問にお答えします。
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愛知県警中川警察署 初回接見費用:3万5000円