強制わいせつ致死傷罪

第1 強制わいせつ致死傷罪の概要

刑法第181条1項は,「第176条(強制わいせつ)・・・の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し,よって人を死傷させた者は,無期又は3年以上の懲役に処する。」と規定し,強制わいせつ致死傷罪について定めています。

強制わいせつ致死傷罪は,強制わいせつ罪には暴行又は脅迫という手段をもって実行され,被害者に致傷結果が生じることが多いことから,これを重く処罰するものです。

死傷結果は,わいせつ行為自体から生じたものでなくとも,手段である暴行または脅迫により生じたものであっても成立します。

強制わいせつ致死傷罪が成立するためには,暴行・脅迫行為やわいせつ行為と死傷の結果との間に因果関係がなければなりません。また,暴行・脅迫行為やわいせつ行為に随伴して又はそれを実行する際に生じた結果であれば足りるとされています。実際の裁判では,現場から逃走するために加えた暴行による結果についても強制わいせつ致死傷罪が成立するとしています。

傷害の程度については,人の健康状態に不良な変更を加えたものである以上,軽微な傷害でも強制わいせつ致傷罪が成立します。

殺人の故意(殺意)があった場合には,強制わいせつ致死罪と殺人罪が成立します。

強制わいせつ致死傷の場合も、強制わいせつと同様、告訴が無くても起訴ができる非親告罪です。

 

第2 弁護活動の例

1 冤罪を主張

強制わいせつ致死傷行為を行っていないにもかかわらず容疑をかけられて逮捕されてしまった場合は,直ちに弁護士に依頼すれば,弁護士が,逮捕後すぐに逮捕された本人のもとへ接見に向かい,嘘の自白をしないよう取調べについての対応をアドバイス致します。

また,強制わいせつ致死傷事件においては,被害者や目撃者の供述が重要な証拠になりますので,無罪・冤罪を主張する場合には,被害者・目撃者の供述が信用できないことを証拠によって明らかにする必要があります。そこで,弁護士が独自に調査を行い,別の目撃者や新たな客観的な証拠を探し出すことで,検察官が根拠とする被害者・目撃者の供述が信用できないことを主張していきます。

 

2 示談交渉

強制わいせつ致死傷罪は,親告罪ではなく,示談したからといって必ずしも起訴されない訳ではありませんが,被害者やその遺族等に対して誠実に謝罪し,その被害を回復することは,検察官が起訴するか否かを判断するにあたり重要な要素となります。

また,身体拘束されている場合には,示談をすることで釈放の可能性も高まりますので,示談によって早期の職場復帰・社会復帰を図ることもできます。

起訴されてしまった場合でも,被害弁償と示談の有無及び被害者の処罰感情が処分に大きく影響することになるので,弁護士を介して納得のいく示談をすることが重要です。

 

3 早期に弁護士と面会

強制わいせつ致死傷罪で逮捕された場合,適切な取調べ対応により虚偽の自白をとられないようにする必要があります。

また,逮捕された方が早く留置場から出るためには,逮捕の後に勾留されないことが大切です。

勾留を阻止するためには,逮捕後の早い段階で,弁護士と面会して取り調べ対応を協議し,身元引受人の協力を得ることが大切です。

その上で,弁護士から検察官や裁判官に対して,被害者への慰謝と更生の見込みを主張し,釈放してもらうよう働きかけます。

 

 4 裁判員裁判への対応

強制わいせつ致死傷事件は,裁判員裁判の対象事件になります。

裁判員裁判とは,一般の市民の方が職業裁判官と一緒に有罪・無罪及び有罪の場合の刑の重さ(量刑)を決める裁判制度のことです。

裁判員裁判は,一般の方が参加する制度になりますので,専門用語を並べるだけでなく,分かりやすい裁判をする必要があります。また,通常の刑事裁判と異なる手続が多い制度になりますので,手続の面での専門性も問われることになります。弊所では,裁判員裁判も多数経験しておりますので,これらの点についての十分な対応実績があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,強制わいせつ致死傷事件でお困りの方に対して,専門の弁護士が直接無料相談いたします。また,身体拘束されている方のために初回接見サービスもご用意しております。ぜひ一度お問い合わせください。

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