威力業務妨害罪

威力業務妨害罪の概要

「威力を用いて人の業務を妨害した」場合には,威力業務妨害罪が成立し,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります(刑法第234条)。

同じく刑法第233条に定められている業務妨害罪と威力業務妨害罪は,威力という手段で業務を妨害したかという点で異なります。

「威力を用いて」とは,人の意思を制圧するような勢力をいい,暴行・脅迫のみならず,社会的,経済的地位・権勢を利用した威迫,多衆・団体の力の誇示,物の損壊等およそ人の意思を制圧するに足りる勢力一切を含みます。

例えば,電車の運転手を殴打し負傷させたときのような暴行・脅迫を用いたものや,進行しようとする自動車の前後に石やドラム缶を置いた場合のような物の損壊・隠匿等の物理的方法によるもの,テレビ生放送中のスタジオ出入り口外側で一斉に労働歌を歌いシュプレヒコール等を行い,放送音に混入させた場合のような多衆・団体の力の誇示によるもの,卒業式の会式直前に,保護者らに対し国歌斉唱のときに着席してほしいなどと大声で呼びかけるなどして喧噪状態に陥れたといった騒音喧騒によるもの,猫の死がいを被害者の事務机の引出し内に入れておき発見させた場合などが挙げられます。

なお,客観的に人の意思を制圧するようなものであれば足り,現実に被害者の意思が制圧される必要はありません。

「業務」とは,職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して行う事務又は事業をいいます。

営利目的や経済的なものである必要はなく,精神的,文化的なものでもよいとされています。

企業の営業活動のみならず,政党,労働組合,慈善団体の行う事務,学校における教育事業等についても「業務」にあたります。

「業務を妨害した」といえるためには,現実に業務遂行が妨害されることは必要なく,業務が妨害される危険性がある行為が行われたという事実があれば足りると考えられています。

 

弁護活動の例

1 無実であることを証明する

身に覚えがないにも関わらず,威力業務妨害罪に該当する行為を行ったという疑いをかけられてしまった場合,無罪を裏付ける証拠を収集し,威力業務妨害罪を立証するに足りる証拠がない,あるいは,犯行当時,その場にいなかったなどの主張を行い,警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対して,冤罪を訴える必要があります。

 

2 示談や被害弁償を行う

威力業務妨害罪の成立に争いのない場合,弁護士を通じて,被害者への被害弁償又は示談交渉を行う必要があります。

威力業務妨害事件として,既に警察が介入している場合,被害弁償又は示談を成立させることで,逮捕・勾留による身柄拘束を回避して早期に職場復帰や社会復帰が出来る可能性を高めることができます。

また,起訴されて正式裁判となった場合でも,情状としても示談や被害賠償を行っておくことで,有利な事情として主張することができます。

威力業務妨害事件については,被害や社会的影響が大きくなく同種前科がなければ,被害弁償により起訴猶予による不起訴処分を目指すことも可能です。

 

3 身柄解放活動

逮捕・勾留されてしまった場合には,事案に応じて,証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張し,釈放や保釈による身柄拘束を解くための弁護活動を行います。

事件としてすでに警察が介入している場合であっても,被害者との間で,被害弁償又は示談を成立させることで,逮捕・勾留による身柄拘束を回避して早期に職場復帰や社会復帰が出来る可能性を高めることができます。

 

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,威力業務妨害罪を起こしてしまってお困りの方に対して、専門の弁護士が直接無料相談させていただきます。

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