【事例解説】スポーツバーでグラスを投げた大学生を傷害で逮捕(後編)
スポーツバーで相手チームのファンに煽られグラスを投げた大学生が傷害罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
・事件概要
横浜警察署は、横浜市内のスポーツバーで傷害事件を起こした大学生Aを逮捕しました。
事件は、Aが横浜市内のスポーツバーで友人たちと野球の試合を観戦していた際に起きました。
Aは自分の応援しているチームが負けたことにイライラしていましたところ、隣のテーブルにいた勝った相手チームのファンVが、「うちのチームがこの相手に負けるはずがないんだよなぁ」「相手が弱いと面白い試合が見られなくて残念」と煽るような発言をしました。
これに腹を立てたAは、手に持っていたグラスをVに向かって投げつけ、Vの顔に怪我を負わせました。
Vは顔面に切り傷を負い、すぐに救急車で病院に運ばれました。
Aは、通報を受けて駆けつけた横浜警察署の警察官によって、その場で逮捕されました。
取り調べに対してAは、「カッとなってやってしまった。反省している」と容疑を認めています。
(フィクションです)
・逮捕後の弁護活動
本件で容疑者は逮捕されています。
逮捕自体は最大72時間ですが、この間に勾留の必要があるかどうかが検察官と裁判官により判断され、検察官が請求をし裁判官が勾留が必要だと判断した場合、さらに10日間身柄を拘束されることになります。
本件の容疑者は大学生です。
逮捕後に勾留された場合、Aは長期間大学に行くことができなくなり、単位が取得できず最悪の場合退学となってしまう可能性があります。
したがって、勾留を防ぐために、検察官と裁判官に勾留の必要がないことを説明するべきです。
刑事事件に詳しいわけではない一般の人にとって、検察官と裁判官に何をどう説明したら勾留の必要がないと判断してもらえるのか、よく分からないのではないでしょうか。ご家族が逮捕された場合は、弁護士に相談されることをおすすめします。
加えて、傷害罪のような被害者のいる犯罪では、相手方と示談を締結できるかどうかが重要となります。
早期に示談が成立すれば、不起訴処分となる可能性がありますし、仮に起訴されたとしても執行猶予がつく可能性があります。
もっとも示談交渉を加害者自ら行うことは得策とはいえません。
被害者は加害者と金輪際関わりたくないと思っている可能性が高いですし、加害者に対して強い処罰感情を有していることが考えられるので、示談交渉が難航する可能性が高いです。
そこで、示談交渉は法律のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。