暴力事件・粗暴犯での再審
【暴力事件・粗暴犯での再審とは】
暴力事件・粗暴犯で裁判にかけられて有罪判決が確定した場合に,その判決に重大な誤りがあるときは,再審という手続きで不服を訴えていくことになります。
再審は,主に不当な事実認定から被告人を救済するために定められた非常救済手続きです。
ただし,すでに三回の裁判が保証されていた(第一審・控訴審・上告審)ことから,そもそも再審手続きが開始されるかどうかといった点から厳しいハードルがあります。
【再審の手続き】
1 請求権者
検察官,有罪の確定判決を受けた者又はその者の法定代理人等,その者が死亡若しくは心神喪失状態の場合は配偶者や直系親族・兄弟姉妹(刑事訴訟法439条)
2 請求先
再審の目的となる確定判決を下した裁判所
3 請求期限
再審の請求に期限はありません。刑の執行がすでに終了した場合でも,再審請求は行えます。
有罪判決を受けたことについての「名誉」を回復するということも,再審制度の目的の一つとされているためです。
4 再審請求後の流れ
再審請求がなされると,裁判所は,その請求が適法かどうか,請求に理由があるかどうかを判断し,請求に理由があると判断したときは,再審開始決定がなされます。
再審開始決定が下されると,判決確定時の審級に応じて,再度裁判手続きが行われます。
なお,再審中は,裁判所が刑の執行を停止することもできます。
【再審の理由】
1 第一審判決について認められる再審事由
- 原判決の証拠となった証拠書類・証拠物が偽造・変造であったことが確定判決で証明された場合
- 原判決の証言,鑑定などが虚偽であっことが確定判決で証明された場合
- 有罪判決が虚偽告訴罪にあたる行為によるものであることが確定判決で証明された場合
- 原判決の証拠となった裁判が確定判決により変更された場合
- 特許権などを侵害した罪により有罪を言い渡した事件で,その権利が無効とされた場合
- 有罪判決を受けた者に無罪やより軽い罪などを言い渡すべきことが明らかな証拠が新たに発見された場合
- 裁判官や検察官,検察事務官,警察官が当該事件について職務犯罪をしていたことが確定判決で明らかになった場合
実務上,重要なのは⑥の理由による場合です。
「明らかな証拠」とは,原判決の事実認定について合理的な疑いを抱かせ,その認定を覆すに足りる蓋然性(高い可能性)のある証拠をいいます。
2 控訴棄却判決・上告棄却判決の確定判決について認められる再審事由
第一審の場合の①②,及び原判決又は証拠書類の作成に関わった裁判官に,同じく上記⑦の事由があった場合
【再審における弁護活動】
再審開始への道のりは,遠く険しいものです。
一度判決が確定している以上,裁判所はなかなか再審開始決定を行いません。
弁護士としては,今回の暴力事件・粗暴犯を今一度徹底的に調査し,既に行われた裁判の記録を全て精査し,その上で「新証拠」の収集に力を注ぐことになります。
何年,何十年とかかる場合もあります。
刑事事件に熱い弁護士,妥協無く依頼者のために活動する弁護士にしか出来ない仕事です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,数多くの刑事事件に携わってきた経験をもとに,不当な判決を受けてしまった方に全力で寄り添います。
再審を検討されている方は,ぜひ一度弊所までご相談ください。