行き過ぎた子どものしつけ 暴力行為処罰法違反で逮捕
行き過ぎた子どものしつけ 暴力行為処罰法違反で逮捕
【刑事事件例】
東京都昭島市の主婦Aさんは、子どもVへのしつけの一環として、普段から頭をはたく等の暴力行為をしていましたが、ある日、Vが言うことを聞かないことに腹を立て、Vの顔を複数回殴った後、包丁を突きつけて「言うことを聞かなければ刺すぞ」と脅しました。
怖くなったVが警視庁警昭島警察署に通報し、Aさんは駆け付けた警察官によって暴力行為処罰法違反の疑いで逮捕されました。
【しつけも行き過ぎると逮捕されることに…】
報道では、親権者による暴力行為や虐待による暴行事件が報道されることが珍しくありませんが、本ブログでは、子どもに対するしつけと称した日常的な身体への暴行や精神への虐待によって刑事事件となる例を取り上げます。
例えば、平成29年12月28日、上記事例と同様の経緯で、兵庫県警飾磨署は暴力行為法違反と傷害罪の疑いで姫路市のパート従業員の女性を逮捕しました。
被害者の子どもは背中など上半身に多くのあざがあるといい、警察は日常的な暴力行為、虐待があったのか調べを進めています。
暴力行為等処罰ニ関スル法律(暴力行為処罰法)は、第1条の3において、常習として傷害罪、暴行罪、脅迫罪、器物損壊罪と行っている者が、さらに傷害罪を行った場合は1年以上15年以下の懲役、それ以外を行った場合は3月以上5年以下の懲役を科すとして、通常の罰則より厳しく処罰しています。
暴力行為処罰法の成立の背景には、暴力団等の反社会勢力に属する人間の刑事責任を重く処罰するという理由がありましたが、昨今では、常習的な暴力や刃物等を用いた悪質な暴力などの暴力犯罪に適用されることが多く見られ、家庭における子どもに対する体罰や配偶者・恋人に対する虐待などを背景にした、反復的、日常的な暴力犯罪にも適用される例がみられるようになってきました。
特に上記刑事事件のように、家庭内での子どもへのしつけと称した暴力行為では、被疑者と被害者の言い分が食い違うことも多く予想されます。
刑事事件化した場合には、自分が認めている事実以上の犯罪の疑いがかけられることも珍しくありませんので、捜査機関に対して不適切な供述を行わないよう、速やかに刑事事件に詳しい弁護士に相談してください。
子どもに対する暴行罪、傷害罪、暴力行為処罰法違反などの暴力犯罪の刑事事件でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談または初回接見サービスをご利用ください。