電車内の暴力で刑事事件化

2021-03-14

電車内の暴力で刑事事件化

電車内の口論などから暴力沙汰に発展し、暴行罪傷害罪などの暴力犯罪に発展した場合の刑事手続きと刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<事件例>

東京都小平市在住の会社員Aさんは、会社通勤のため混雑した電車に乗車していた際、インフルエンザ対策のためのマスクをつけていない高齢男性Vが大きな音を立てて咳をしていたため、AさんはVに対して「マスクをつけてください。そうでなければ電車に乗らないでください」と言ったところ、VがAの胸倉を掴んできたため、電車内で殴り合いの暴力沙汰に発展し、乗客の一人が警察に通報したため、二人は次の駅で待ち構えていた駅員に下ろされ、警視庁小平警察署に事情聴取を求められました。
Aさんは、事情聴取を終えた後で解放されましたが、また次回呼び出すと警察に出頭要請を受けたため不安になり、刑事事件を専門とする弁護士に法律相談をすることにしました。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、新型コロナウイルスの感染拡大で不安が広がる中、電車内でのマスクをめぐるトラブルが増えているとの報道を受け、いくつか報道された電車内でのトラブルを組み合わせて創作したフィクションです。

報道されたトラブル事例によれば、電車で「マスクをしていないなら降りろ」と咳をしている人に怒鳴って降りるよう迫ったという事例が紹介されました。

また、令和2年3月25日、北海道旭川市のスーパーにおいて、マスクを買うために列を作っていた79歳の男性が、一度列を離れ、また同じ場所に戻り、並ぼうとしたところ、それを見ていた35歳の女性が「割り込みだ」と指摘すると、男性が逆上し、女性に対して体当たりをする、腕を叩くなどの暴力を振るったため、暴行罪の疑いで現行犯逮捕されたと報道されました。

コロナウイルスの感染拡大の以前から、電車内などの人が密集する密閉空間においては乗客のストレスが高まりやすく、乗客同士のいざこざから暴力沙汰に発展し、刑事事件化または逮捕される例は頻繁に発生しており、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所においても、法律相談や、逮捕されてしまった被疑者の家族の方による初回接見依頼をいただくことがあります。

その内何件かは弊所にて受任となりましたが、電車内や駅構内という多数の人目につく公共の場所における犯罪であるために、現行犯逮捕や事後的な被疑者の特定による逮捕に至るケースも多くあります。

このようなケースでは、被害者が逮捕事実を素直に認め、捜査機関に対して協力的な対応を行うことを前提に、被害者との接触を断ち、被害者に対する威迫や暴力による罪証(証拠)隠滅のおそれがないことを示すべく、例えば被害者と遭遇するおそれのある交通機関の利用の一時自粛や同居の家族による監督を徹底する等して、身柄拘束からの釈放を訴えかけ、在宅での捜査へ切り替えるよう働きかけを行います。

また、仮に釈放された場合であっても、それをもって事件が終了とはならず、例えば傷害罪であれば15年以下の懲役または50万円以下の罰金という法定刑の範囲内で、検察官が当該事件に対する刑事処分を決定していきます。

上記刑事事件程度の暴行による傷害罪刑事事件であれば、量刑相場としては罰金20万から30万円程度が科されることが予想され、被疑事実について同意していおり被疑者が望むのであれば、検察官が罰金の略式命令を求める手続きを行い、裁判所がそれを認めた場合には、公開の刑事裁判を開くことなく、罰金の納付をもって即時事件が終了することになります。

このような事案で不起訴処分を勝ち取るには、被害者に対する示談の締結がほぼ必須と思われます。
罰金という前科を避けたいのであれば、想定される罰金額よりも多少多めの示談金を提示し、かつ、被害者に対する謝罪と再犯防止や二度と接触しないよう誓約する旨を約束して示談に応じて頂けることは多いとことです。

ただし、電車内または駅構内でのいざこざから興奮冷めやらず、被疑者に対して強い憤りを抱えている被害者も多いため、刑事事件示談交渉に経験豊富な弁護士に依頼することが安全と言えます。

電車内における暴力事件刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。