【事例解説】悪口を言われてカッとなって熱湯をかけた男を傷害罪で逮捕

2024-07-15

会社の食堂で悪口を言われてカッとなった男が、同僚に熱湯をかけて傷害罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

けんか

・事件概要

新宿警察署は、会社の食堂でトラブルになった相手Vに対してカップ麺のお湯をかけて怪我をさせたとして、東京都内に住む会社員の男性Aを逮捕しました。
事件が起きたのは、Aが午後からの出勤の日に会社の食堂で昼食をとっていた時のことでした。
普段から仲が悪い同僚のVが、Aが休みと勘違いした他の同僚と一緒にAの陰口を言っているのを耳にしました。
Aはその内容にカッとなり、持っていたカップ麺のお湯をVの顔面にかけました
Vは顔に火傷を負い、緊急搬送されました。
駆けつけた新宿警察署の警察官によりAはその場で逮捕されました。取調べに対しAは「カッとなってやってしまった。自分も少し悪いが、そもそもあいつが悪口を言わなければ何も起こらなかった。」と容疑を認めています。
(フィクションです)

・傷害罪とは

刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」

傷害罪は、人の身体を「傷害」する犯罪です。判例によれば、傷害とは人の生理的機能に障害を加えることです(大判明治45年6月20日)。
例えば、相手を殴って出血させたり、骨折させたりする行為は、人の生理的機能に障害を加えることにあたり、傷害罪が成立する可能性があります。

本件では、Aは食堂で陰口を言われたことでカッとなり、持っていたカップ麺のお湯をVの顔面にかけて火傷を負わせたようです。
このAの行為が、生理的機能に障害を加えたと評価され傷害罪が成立する可能性があります。

・逮捕後の弁護活動

本件で容疑者は逮捕されています。
逮捕自体は最大72時間ですが、この間に勾留の必要があるかどうかが検察官と裁判官により判断され、検察官が請求をし裁判官が勾留が必要だと判断した場合さらに10日間身柄を拘束されることになります。

本件の容疑者は会社員です。
逮捕後に勾留された場合、Aは長期間出勤することがしばらくできなくなり解雇される可能性があります。
したがって、検察官と裁判官に勾留の必要がないことを説明して勾留を防ぐ必要があります。

刑事事件に詳しいわけではない一般の人にとって、検察官と裁判官に何をどう説明したら勾留の必要がないと判断してもらえるのか、よく分からないのではないでしょうか。
ご家族が逮捕された場合は、弁護士に相談されることをおすすめします。

加えて、傷害罪のような被害者のいる犯罪では、相手方と示談を締結できるかどうかが重要となります。
早期に示談が成立すれば、不起訴処分となる可能性がありますし、仮に起訴されたとしても執行猶予がつく可能性があります。
もっとも、A自らVと交渉しようとしても上手くいかない可能性があります。
AとVは元々不仲ということですし、熱湯をかけられたVとしてはAに対して強い処罰感情を有しているでしょうから、交渉決裂となりやすいのではないでしょうか。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害事件をはじめとする豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
早い段階で弁護士に依頼していれば、長期間の身柄拘束を防ぎ、解雇を防ぐことができるかもしれません。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。