強盗致傷罪・強盗致死罪

強盗致傷罪・強盗致死罪の概要

刑法第240条は,「強盗が,人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し,死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する」と規定し,強盗致死傷罪について定めています。

強盗は,相手方の犯行を抑圧するに足りる暴行・脅迫を手段として実行されるために,人の死傷結果を伴うことが多く,そのため,強盗が人を死傷させたときは重く処罰しようという趣旨によるものです。

なお,強盗の犯人が殺意をもって被害者を殺害した場合には,強盗殺人罪,傷害の故意をもって被害者を負傷させた場合には,強盗傷人罪とそれぞれ呼ばれます。

「強盗」とは,強盗の実行に着手した者をいい,事後強盗や昏睡強盗,強盗未遂の者を含み,死傷結果は強盗の被害者に生じる必要はありません。

また,死傷結果は強盗の手段としてなされた場合は当然成立しますが,強盗の機会になされていれば強盗致死傷罪が成立します。

例えば,けん銃で脅し現金を強奪しようとしたが,被害者が抵抗したことから,被害者をけん銃で殺害して現金を奪ったという場合には強盗殺人罪が成立しますが,けん銃で脅したところ被害者がこれに応じて現金を交付したが,犯人が逃走する過程で警備員をけん銃で殺害したという場合でも,同じく強盗殺人罪が成立する場合があります。

 

弁護活動の例

1 弁護士を通じて不起訴処分又は無罪判決になるよう主張する

身に覚えがないにも関わらず,強盗致傷罪・強盗殺人罪の容疑を掛けられてしまった場合,弁護士を通じて,警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対して,不起訴処分又は無罪判決になるよう主張する必要があります。

この場合,アリバイが成立する証拠や,真犯人の存在を示す証拠を提出するなどの積極的な弁護活動や,十分な証拠がなく,強盗罪が立証できないことを指摘するなどの弁護活動を行うことが重要になります。

 

2 恐喝罪や窃盗罪及び暴行罪にすぎない場合

強盗致傷罪の成立にあたっては,強盗の機会に被害者の致死傷結果が成立したか否かが重要なポイントになります。

被害者に対する致死傷結果が生じた原因や時期などを詳細に検討し,弁護士を通じて適切な主張をすることで,強盗致死傷罪ではなく,強盗罪と傷害罪が成立するにすぎないと認定される場合があります。

 

3 被害弁償及び示談交渉を行うことが急務

実際に強盗致死傷事件を起こしていた場合,弁護士を通じて,被害者への被害弁償または示談交渉を行うことが急務になります。

被害者との間で,被害弁償及び示談を成立させることで,警察未介入や不起訴処分によって前科をつけずに事件を解決し,逮捕・勾留による身柄拘束を回避して職場復帰や社会復帰する可能性を高めることができます。

 

4 減刑及び執行猶予付きの判決を目指す

強盗致死傷罪で起訴された場合には,前科がない初犯であっても実刑判決となる可能性が高いです。

この場合,犯行の原因に向き合い,被害者との間で被害弁償及び示談を成立させるなどにより,酌量減刑を求め,執行猶予付き判決の可能性を大きく高めることが出来ます。

また,経緯や動機に酌むべき事情があれば,それを裁判で主張・立証することで減刑又は執行猶予付きの判決を目指すこともできます。

 

5 裁判員裁判への対応

強盗致死傷罪は,裁判員裁判の対象事件になります。裁判員裁判とは,一般の市民の方が職業裁判官と一緒に有罪・無罪及び有罪の場合の刑の重さ(量刑)を決める制度のことです。

裁判員裁判は,一般の方が参加する制度になりますので,専門用語を並べるだけでなく,分かりやすい裁判をする必要があります。

また,通常の刑事裁判と異なる手続が多い制度になりますので,手続の面での専門性も問われることになります。

弊所では,裁判員裁判も多数経験しておりますので,これらの点についての十分な対応実績があります。

 

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,強盗致傷罪・強盗致死罪を起こしてしまってお困りの方に対して、弁護士が直接無料相談させていただきます。

また,身体拘束されている方のために初回接見サービスもご用意しております。

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