少年による強盗事件

2019-08-05

少年による強盗事件

~ケース~
高校2年生のAさん(17歳)は、京都市伏見区内のコンビニ店員にカッターナイフを示し、「タバコと金を出せ」と脅しました。
店員は慌ててタバコ1カートンとレジにあった現金2万円をAさんに渡し、Aさんは逃走しました。
店員は警察に通報し、京都府伏見警察署の警察官がAさんを検索したところ、近くの路地裏でAさんに似た人物を見つけました。
警察官が職務質問をしたところ、Aさんであることがわかったので、強盗罪の疑いで緊急逮捕しました。
(フィクションです)

~強盗罪~

強盗罪は、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取(ごうしゅ)」する犯罪です。
強盗罪につき、裁判で有罪が確定すれば、5年以上の有期懲役に処せられます。
刑の減軽又は免除の事由がある場合を除いて、最低でも5年の懲役刑に服さなければならないことから、強盗罪は非常に重い罪ということができます。

強盗罪の「暴行又は脅迫」は、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度のものであることを要します。
通常、カッターナイフを店員に示し、「タバコと金を出せ」と申し向ける行為は、相手方の反抗を抑圧するに足りる脅迫と評価することができるでしょう。
したがって、Aさんは上記の脅迫により、タバコ1カートンと現金2万円を強取したものということができるので、Aさんに強盗罪が成立する可能性は高いと思われます。

~少年事件の保護処分~

少年法は、「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的」としており(少年法第1条)、成人の刑事事件が、刑罰を科す手続であるのに対し、少年事件は、少年の健全育成のために必要な保護処分を行う手続です。

保護処分は、家庭裁判所が審判により、決定をもって言い渡す処分で、少年事件では原則として刑罰ではなくこの保護処分が下されます。
保護処分には、①保護観察処分(少年法第24条1項1号)、②少年院送致(少年法第24条1項3号)、③児童自立支援施設または児童養護施設送致(少年法第24条1項2号)があります。
保護観察処分は、少年を施設に収容することなく、社会のなかで生活させながら、少年の改善更正を図る保護処分です。
少年院では、特別の場合以外は外出が許されず、規律ある生活に親しませて生活訓練を行い、規律に違反した者に対して懲戒を行います。
児童自立支援施設は非行少年を受け入れる施設ですが、原則として少年を施錠した部屋に入れることはなく、施設周囲の門塀も施錠しないので、重大な犯罪を犯した少年に対しては、少年院送致決定が出される可能性が高いです。
また、児童自立支援施設送致は、比較的年齢の低い児童に対して言い渡されることが一般的であり、高校生以上の児童に対し、児童自立支援施設送致が言い渡されることは極めて稀といえます。
児童養護施設は、保護者のいない児童、虐待されている児童、その他環境上養護を要する児童が入所対象者です。
その処遇能力、処遇態勢からして、非行少年の受け入れには消極的です。
そのため、Aさんになされる可能性のある保護処分としては、保護観察処分、少年院送致が現実的であるかと思われます。

~逆送~

家庭裁判所が、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、少年事件について「検察官送致」という処分を行うことができます(少年法20条1項)。
これを「逆送」といいます。
この場合は、先ほど解説した保護処分ではなく、成年と同じ刑事事件としての手続が開始されます。
Aさんの場合も、強盗罪という重大な犯罪を犯してしまっていることから、周辺の環境等の事情によっては逆送される可能性は否定できません。

~まずは弁護士と相談~

少年事件において適切な処分を獲得するためには、なるべく早い段階で弁護士を頼み、少年の周囲の環境調整を通じ、少年が社会でも更生しうることを家庭裁判所に納得してもらわなければなりません。
そのためには、少年事件に熟練した弁護士の手助けが必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、少年事件に熟練した弁護士が多数在籍しています。
少年が逮捕されてしまっている場合には、まずは初回接見サービス(有料)を通じて留置場や少年鑑別所にいる少年と面接し、事件の状況を把握したあと、依頼者に接見の結果を報告し、今後考えられる弁護活動・付添人活動について案内させていただきます。
お子様が強盗事件を起こし、逮捕されてしまった方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。