恐喝罪か詐欺罪か 福岡の暴力事件で逮捕されたら刑事事件専門弁護士へ

2018-10-19

恐喝罪か詐欺罪か 福岡の暴力事件で逮捕されたら刑事事件専門弁護士へ

Aは、福岡県福岡市のVによる交通事故事件の被害者であったが、事故によって生じた損害額が50万円であったにも関わらず、これが100万円であるとVに嘘を言った。
Vは、これにより自己の債務が100万円であると誤信したが、「今は金がない」とこの支払を拒否した。
そこで、Aは「100万円払わなければ、Vの両親がどうなってもしらないぞ」と危害を加える旨を告知したことから、最終的にVはこれに畏怖したことがきっかけで100万円を支払うに至った。
後日、VがAから危害を加えられるのではないかと恐れて警察に相談した結果、福岡県博多警察署の警察官は、Aを恐喝罪の疑いで逮捕した。
(本件はフィクションです。)

~恐喝罪と詐欺罪~

本件では、Aが損害額を実際の損害額よりも多く申告していることから、まず詐欺罪(246条1項)に当たるのではないか、と考えることができます。
Aが100万円の損害額の支払いを要求した行為は、錯誤による財物交付に向けられた欺もう行為ということができるでしょう。
しかし、今回の場合、Vが現実に100万円を支払ったのは、最終的に下記の恐喝行為によるものであり、欺もう行為との間に因果関係が認められないため、詐欺未遂罪が成立するにとどまると考えられます。

では、Aの行為には恐喝罪(249条1項)が成立する可能性があるのか見ていきましょう。
この点、刑法249条1項にいう「恐喝」の手段たる暴行・脅迫は、反抗を抑圧しない程度に相手方を畏怖させるに足りるものであることが必要であると解されています。
本件でAは、Vに対し、両親に危害を加える旨の脅迫をしており、「恐喝」に当たると考えられます。
そしてVはこの脅迫に畏怖し、この畏怖状態に基づき、Aに100万円という「財物を交付」していることから、恐喝罪が成立することになると考えられます。

なお、上述の詐欺未遂罪と恐喝罪は、同じ財産に向けられた一個の意思決定に基づく行為といえ、詐欺未遂罪恐喝罪に吸収され包括一罪として扱われると考えられます。
包括一罪の場合、重い方の罪によって処罰されることになるため、本件は恐喝罪によって処罰されるものと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、恐喝事件を含む暴力事件を多数扱う刑事事件専門の法律事務所です。
24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)にて、恐喝事件で逮捕された方への弁護士の接見の依頼等を承ります。
福岡県博多警察署までの初回接見費用:34,300円