警察官への公務執行妨害罪で逮捕

2020-04-16

警察官への公務執行妨害罪で逮捕

警察官への公務執行妨害罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
福岡県粕屋町に住むAさんは、会社の後輩と酒を飲み、すっかり酔った状態で自宅までの帰り道を歩いていました。
帰宅途中、Aさんは道路の真ん中で寝転び、その場で寝始めてしまいました。

警ら中の警察官がAさんを発見し、「大丈夫ですか。こんなところで寝てたら他の方に迷惑ですから」と声を掛けました。
それに対し、Aさんは「なんだてめえ。若造が」と言って警察官の胸倉を掴み、顔を近づけて怒号を浴びせました。
これにより、Aさんは公務執行妨害罪の疑いで現行犯逮捕され、福岡県粕屋警察署に連行されました。
(フィクションです。)

~公務執行妨害罪~

Aさんの逮捕容疑である公務執行妨害罪は刑法95条1項に規定されています。

刑法95条1項
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

この条文に沿って、公務執行妨害罪の成立条件を解説していきます。

1.公務員
「公務員」
とは日本国内の公務員を指します。
警察官の多くは地方公務員です。

2.職務
「職務」は、公務員として行う適法な仕事をいいます。
道路の真ん中で寝ていたAさんに声をかけた警察官の行為は、公務員としての適法な仕事であることに間違いはありません。

もちろん、警察官が最初に暴行を働いたといったケースでは適法な「職務」と言えず、これに抵抗するために暴行・脅迫を行っても公務執行妨害罪が成立しない可能性が出てきます。

3.執行するに当たり
「執行するに当たり」
とは、職務執行に際してという意味で、現に執行している場合に限らず、まさにその職務の執行に着手しようとする場合やそれを終えたばかりの段階も含みます。
また、公務執行妨害罪は公務員個人というよりは公務が円滑になされることを保護するために定められていますから、公務員が休暇中の場合は「執行するに当たり」には当たりません。

今回は現に警察官としての職務を執行している場合ですから、「執行するに当たり」に該当することで間違いありません。 

4.暴行・脅迫
「暴行」
とは人の身体に対する有形力の行使を、「脅迫」とは人に恐怖を与えるに足りる害悪の告知をいうとされています。
ただ、公務執行妨害罪は、公務の円滑な執行を保護する犯罪ですから、公務執行妨害罪の「暴行」「脅迫」は、公務員の身体に対して直接加えられる有形力の行使(直接暴行)に限られず、公務員に向けられてはいるが直接公務員の身体に対して加えられたものではない有形力の行使(間接暴行)を含むとされており、通常の「暴行」「脅迫」よりも概念が若干広くなっています。

具体的には
・公務員を押し倒す行為
→直接暴行に当たります。
・職務質問中にすぐ横にあるパトカーを蹴る行為
→間接暴行に当たります。このように、直接は物に対する行為であっても公務員に対する行為と認められれば公務執行妨害罪の「暴行」に当たります。
・警察官が適法に差し押さえた証拠物を踏みつけて破壊するという行為
→間接暴行に当たります。
・警察官から職務質問を受けている友人の手を掴んで逃走しようとした結果、警察官がこれを追いかける途中に転んでけがをした場合
→「暴行」には当たりません。警察官に向けて有形力を行使したわけではないからです。

なお、公務執行妨害罪の「暴行」「脅迫」は、職務執行の妨害となりうる程度のものでなければなりません。
しかし、妨害が生じる可能性があれば足り、現実に職務が妨害されたことまでは必要とされていません。

今回Aさんは、①「なんだてめえ。若造が」と言って、②警察官の胸倉を掴み、③顔を近づけて怒号を浴びせまています。
①②③全て、公務員の職務執行を妨害するに足りる程度の行為です。
そして②は公務員の身体に対する有形力の行使(直接暴行)ですから「暴行」に当たります。
①③も、公務員に対し、Aさんが暴行してくるのではないかといった恐怖を与える害悪の告知として「脅迫」にあたる可能性があります。

5.まとめ
以上により、Aさんの行為には公務執行妨害罪が成立する可能性が高いでしょう。

~弁護士にご相談ください~

公務執行妨害罪などで逮捕された場合には、早い段階で刑事弁護に強い弁護士に面会(接見)を依頼することをお勧めします。
早い段階で接見することで、早期釈放不起訴処分などの軽い処分・判決の獲得など、今後の弁護方針の見通しを早くに立てることができます。

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