本番なしでも強制性交等罪に

2020-10-04

本番なしでも強制性交等罪に

本番なしでも強制性交等罪に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

会社員の男性Aさんは、千葉市若葉区の居酒屋で、隣に座っていた女性客Vさんと仲良くなりました。
AさんとVさんは、千葉市若葉区のAさんの自宅で飲み直すことになったのですが、その際Aさんは、嫌がるVさんを押さえつけて無理矢理自身の性器をVさんに舐めさせました。
Vさんは、Aさんが離れたすきに逃げ出し、千葉県千葉東警察署に通報し、助けを求めました。
その結果、Aさんは強制性交等罪の容疑で逮捕されました。
逮捕容疑が強制性交等罪であると聞いたAさんは、「本番をしたわけでもないのになぜ強制性交等罪と疑われているのか」と思い、接見に訪れた弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・強制性交等罪の成立は本番だけではない

平成29年に刑法が改正され、旧強姦罪が廃止されて強制性交等罪が新設されました。
こうした経緯から、「強姦罪が強制性交等罪という名前になっただけ」というイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、実は犯罪の内容も大きく変化しています。

旧強姦罪から強制性交等罪となった際の大きな変化の1つが、対象となる行為の拡大です。
強姦罪では、性器の挿入を伴う性交、いわゆる本番行為がその対象となっていました。
しかし、強制性交等罪の対象となる行為は、いわゆる本番行為と呼ばれる性交だけでなく、肛門性交又は口腔性交も含まれます。
つまり、本番なしでも強制性交等罪が成立することになるのです。

刑法第177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

条文にも、「性交等」として性交以外に肛門性交や口腔性交が含まれているのが分かります。
ですから、上記事例のAさんがVさんに無理矢理行ったのは口腔性交のみですが、強制性交等罪が成立する可能性があるのです。
強制性交等罪の「暴行又は脅迫を用いて」とは、簡単に言えば暴行や脅迫で相手の抵抗を押さえつけて、という意味です。
例えば、身体や手を押さえつける、暴力をふるう、凶器を使って脅すといったことが考えられます。
今回のAさんは嫌がるVさんに無理矢理口腔性交をさせているわけですから、Vさんに何らかの暴行・脅迫を行ってその抵抗を抑えていることが予想されます。
Aさんが暴行・脅迫を用いて口腔性交をしたのであれば、Aさんには強制性交等罪が成立することになるでしょう。

なお、旧強姦罪とは異なり、強制性交等罪では加害者・被害者の性別に制限がありません。
ですから、強制性交等事件は今回のAさんの事例のように、男性が加害者で女性が被害者というパターンだけにとどまりません。
例えば、女性が無理矢理男性の性器を自分に挿入したり、口腔性交をしたりしても強制性交等罪になりえますし、同性同士でこうしたことが起こっても同様です。

強制性交等事件では、その特性上被害者の方やその周りの方の受けるショックが大きく、被害感情も大きくなりがちです。
また、性犯罪によって逮捕されたということが広まってしまえば、被疑者本人だけでなくご家族等周囲の方にまで影響が及ぶことも考えられます。
そのため、強制性交等事件によって逮捕されてしまった場合にはすぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
弊所の弁護士は、強制性交等事件などの性犯罪を含む刑事事件専門の弁護士として活動しております。
被害者の方への謝罪から被疑者本人へのアドバイスまで、幅広く弁護活動を行っておりますのでまずはお気軽にご相談下さい。