刃物を携帯し銃刀法違反

2020-02-21

刃物を携帯し銃刀法違反

今回は、刃体の長さが10センチメートルのサバイバルナイフを携帯した場合に成立する可能性のある犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
京都府宇治市に住むAさんは、護身用と称して、刃体の長さが10センチメートルのサバイバルナイフをカバンに入れて外を歩いていたところ、京都府宇治警察署の警察官から声をかけられ、所持品検査を受けました。
Aさんは、護身用だから堂々を携帯してもよいと考えていたので、快く所持品検査に応じましたが、上記サバイバルナイフが発見されてしまったので、警察署へ任意同行を求められました。
警察官は「護身用である、というのは、『正当な理由』にならないぞ」と告げ、Aさんは在宅で捜査を受けることになってしまいました。
Aさんは今後どうなってしまうのか不安に感じています。(フィクションです)

~成立しうる犯罪~

銃砲刀剣類所持等取締法、いわゆる銃刀法は、第22条において、

「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。」

と規定しています。
これに違反すると、2年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます(第31条の18第3号)。

「刃物」とは、その用法において人を殺傷する性能を有し、鋼又はこれと同等程度の物理的性能を有する材質でできている片刃又は両刃の器物で刀剣類以外のものをいいます。
文化包丁、出刃包丁、刺身包丁などは「刃物」に該当しますし、サバイバルナイフも「刃体の長さ」などの要件を満たす限り、銃刀法で携帯が禁止される「刃物」になります。

「携帯」とは、自宅以外の場所で、所持者自身が手に持つか、又は身体に帯びるか、その他これに近い状態で、ある程度継続して、これを直ちに使用しうる状態で身辺に置く場合をいいます。
裁判例では、斧を紙で包んで自己が運転する自動車の運転席足元に置いて運搬した行為(東京高等裁判所昭和58年9月19日判決)などの行為が、「携帯」に該当するとされています。
これによれば、カバンにサバイバルナイフを入れていたAさんの行為は「携帯」に該当する可能性が高いと思われます。

また、護身用として持ち歩いたという点は、「業務その他正当な理由による場合」に通常は該当しません。
したがって、Aさんの行為は銃砲刀剣類所持等取締法違反となる可能性が高いと思われます。

~今後の弁護活動~

【逮捕されるか?】
Aさんが帰宅を許され、素直に警察の出頭要請に応じているのであれば、今後逮捕されてしまう可能性は低いでしょう。
ただし、家を捜索されるなどして、余罪が発覚してしまった場合はこの限りではありません。
この場合も、逮捕されないように適切な弁護活動を行うことにより、逮捕されてしまう可能性を低減させることができます。

【処分の見込み】
Aさんの行為が銃刀法違反となる可能性は高いですが、Aさんは誰かを直接傷つけるなどの行為をしたわけではありません。
したがって、起訴され、有罪判決を受けてしまう場合であっても、初犯であれば、懲役刑を言い渡される可能性は低いでしょう。

【不起訴処分を目指す】
検察官は、犯罪をしたと疑われている被疑者を、刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)を判断します。
不起訴処分は、犯罪をした証拠が不十分(嫌疑不十分)の場合のほか、犯罪をしたことは確実でも比較的軽い罪の場合には、今回は大目に見るということでなされることもあります(起訴猶予)。
弁護士としても検察官に対し、初犯であること、被害者がいないこと、反省していること、他の刃物を処分したことなどを主張して、不起訴処分を行うように働きかけることが考えられます。

~ご相談ください~

銃砲刀剣類所持等取締法違反の嫌疑をかけられてしまった場合、まずは弁護士に相談し、善後策についてアドバイスを受けましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
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