三重県伊勢市の傷害事件で逮捕 正当防衛と自招侵害について争う弁護士

2016-11-20

三重県伊勢市の傷害事件で逮捕 正当防衛と自招侵害について争う弁護士

Aさんは、Vさんと三重県伊勢市の路上で言い合いになり、AさんはVさんを「殴れるものならやってみろ」などと挑発しました。
すると、Vさんが落ちていた角材をつかんでAさんに殴りかかってきたため、Aさんは咄嗟にVさんを勢いよく突き飛ばしてしまい、Vさんは全治2週間の怪我を負ってしまいました。
周囲の人から通報を受けた三重県警伊勢警察署の警察官は、Aさんを傷害罪の疑いで逮捕しました。
(※この事例はフィクションです。)

・正当防衛と自招侵害(自招防衛)について

正当防衛とは、急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するためにやむを得ずにした行為は罰しないというものです(刑法36条)。
これに対して、自招侵害とは、防衛者が自らの行為(挑発行為)により、侵害者の不正な侵害行為を招いて正当防衛状況を作り出すことをいいます。
正当防衛の名を借りて相手を侵害する場合は、正当防衛に必要な侵害の急迫性(=相手による侵害が間近に差し迫っていること)を欠くために、正当防衛は成立しないとされています(最決昭52.7.21)。

上記の事例のAさんの場合、確かにAさんはVさんを挑発し、その結果VさんがAさんに殴りかかってきているので、自招侵害にあたり、正当防衛は成立しないのではないかと思われます。
しかし、VさんがAさんに殴りかかってくる際に落ちている角材を使用して殴りかかってくることは、その侵害行為が予想しうる程度よりも大きいといえます。
そのため、Aさんの行動が正当防衛であると認められる可能性は十分あります。
また、Aさんの挑発が過失であると認められれば、Aさんの行動が正当防衛となりえます。

このように、正当防衛が成立するか否かは、事例ごとの細かい事情に左右されます。
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(三重県警伊勢警察署までの初回接見費用:12万5920円)