緊急避難と正当防衛?福岡県北九州市の傷害事件は弁護士へ

2018-06-29

緊急避難と正当防衛?福岡県北九州市の傷害事件は弁護士へ

Aさんが福岡県北九州市の路上を1人で歩いていたところ,日頃から仲の悪いBさんが,突如バットを持ってAさんの方に向かってきました。
それを見たAさんがその場から逃走すると,Bさんは「おい待て,ぼこぼこにしてやる」と怒鳴って追いかけてきました。
AさんがBさんを逃れるべく走っていると,目の前に通行人のVさんが立っていたため,AさんはVさんを突き飛ばしました。
これにより手首を骨折したVさんは,福岡県小倉北警察署に被害届を出し,Aさんは傷害罪の容疑をかけられてしまいました。
Aさんは弁護士に依頼し,緊急避難により傷害罪が成立しないと裁判で主張してもらうことにしました。
(上記事例はフィクションです)

【緊急避難と正当防衛】

緊急避難(刑法37条)は,正当防衛と同じく,一定の状況における犯罪の成立を否定するものです。
傷害罪などの犯罪に当たる行為を行ったことが明らかであっても,緊急避難正当防衛が成立すれば,その行為は適法なものとして扱われます。

では,緊急避難正当防衛は何が違うのでしょうか。
大きく異なる点を2つご紹介しましょう。

まず,正当防衛が成立するためには,不正の侵害に対する行為でなければならないのに対し,緊急避難にそのような限定はありません。
上記事例では,Aさんが突き飛ばしているのは,Aさんに危害を加えようとしているBさんとは全く無関係のVさんです。
この場合でも,緊急避難は成立する可能性があるということになります。

次に,正当防衛では,結果の均衡が考慮されないのに対し,緊急避難では結果の均衡も考慮されます。
例えば,上記事例でAさんが,Bさんの攻撃を防ごうとBさんを突き飛ばした結果,Bさんの打ちどころが悪くてBさんが亡くなってしまったとしましょう。
この場合,Aさんの突き飛ばしがやむを得ない相当な行為であれば,正当防衛が成立します。
それに対し,上記事例でVさんが突き飛ばされ死亡してしまった場合,Vさんの死亡という結果と,Aさんが回避しようとしていた傷害という結果が釣り合わないとされ,緊急避難が成立しない可能性があるのです。

このように,緊急避難が成立するのか正当防衛が成立するのか等,刑事事件を検討するうえでは,専門家の知識や経験が必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件専門弁護士が,相談から事件解決まで一貫して手厚いサポートを行います。
傷害罪や緊急避難でお悩みの方は,弊所弁護士にご相談ください。
福岡県小倉北警察署 初回接見費用:39,740円